見出し画像

日本人は「働かなさすぎ」?!若者にこそハードワークが必要な理由

日本人は働きすぎ
そうした言葉を耳にすることが多くなりました。しかし、それは本当でしょうか?
実際のところ日本の労働時間は年々短くなっており、OECD(経済協力開発機構)諸国の中でも決して長くはありません。

この結果だけ見ると、私たち日本人は”働きすぎ”どころか、むしろ”働かなさすぎ”と考えるほうが自然です。
今回は、このデータから読み解ける「現代人の働き方」について私なりの考えをお話しします。


「アスリート化」が進む子どもたちと「ゆとり化」が進む大人たちのいびつな関係

大人たちが”働き方改革”の名のもとで労働時間の短縮を推し進める一方で、子どもたちは昔に比べて確実にハードな生活を送っています。アスリート化が進んでいるように感じます。

私の息子(小5)を例に挙げると、地元のサッカークラブに所属し、ほぼ毎日練習漬けの生活を送っています。
練習時間は、平日は19時〜21時、土日祝日は9時〜12時。小学生の習い事とは思えないほどの膨大さです。土日祝日は大会に参加することも多く、その場合は朝から晩までサッカー漬けです。
加えて、クラブとは別に元々通っていたサッカースクールも継続しているため、学校外で週に20時間以上をサッカーに費やしていることになります。

また東京にいる友人の息子(小5)は、中学受験に向けて日々ハードな勉強をしています。週3の塾通いに加え、大量の宿題をこなす日々。塾があろうとなかろうと、家では毎日23時まで勉強。受験勉強に集中するため、テレビやゲームなどのメディアは一切禁止。寝る前にYouTubeを1本だけ見せているそうです。

このように、子どもたちの生活は昔と比べて格段にハードになっています。

この背景には「少子高齢化」が大きく影響しているでしょう。子どもの数が減少し、一人にかける教育費や時間が増加しました。文部科学省『令和5年度子供の学習費調査』によると、小中学生の学校外活動費は年々増加。過去10年で約1.4倍に増えています。

親としては、お金や時間をかけた以上、結果を望むのも当然です。先述の私の友人は、塾代や家庭教師代などの教育費で月15万円以上をかけていると言っていました。そこまでのお金と時間をかけているのだから、なにがなんでも受かってほしいと思うのは自然です。

その分、子どもたちは以前よりも高いレベルのスキルを身につけています。先述のサッカークラブでも、小学生ながら高校生のような動きをする子もいるほどです。実際、日本のスポーツ界が若年層の競技力向上によって世界的にも存在感を増しているのは、紛れもない事実です。

では、大人の世界ではどうでしょう。「働き方改革」の影響で、残業時間の削減や有給休暇の取得が推奨され、以前よりも労働時間が短くなった人も多いです。

しかし、労働時間が短くなったことで、GDPの成長率は鈍化。さらに、労働時間の短縮が生産性向上に繋がっているとは言えないということはデータからも明らかです。つまり、「働き方改革」は、本来一人ひとりの生産性を高めることを目的としているのにも関わらず、現状では十分に機能していないのです。

私はこの状況に「いびつさ」を感じます
子どもたちは目標達成のために一生懸命努力を積み重ねています。それなのに、私たち大人が時短や効率化を求めるのは、矛盾しているのではないでしょうか。
「働き方改革」が単なる「楽をするための改革」にならないように、私たち大人は努力の方向性を見直す必要があるように思います。

若いうちは量をこなす!成果=質×量の法則

トレーニングや学習の成果は、「量」と「質」の掛け算によって生まれます。
最初は「量」をこなさなければ「質」は向上しません。量をこなすなかで経験が蓄積され、徐々に質へと転化していくのです。
この考え方は「労働生産性=労働の質×量」というビジネスの世界にも通じるものがあります。

もちろん最初から質の高い仕事ができて、短い時間で圧倒的な成果が出せるのならそれに越したことはありません。
しかし、そんなことはほぼ不可能に近い。
やはり、圧倒的な量をこなすことによって経験が蓄積され、徐々に質へと転化していくのです。

「長時間労働」というと、「ブラック企業」といったネガティブなイメージを抱く人も多いでしょう。特に若い世代には「できるだけラクに稼ぎたい」という価値観が広がっています。

しかし、仕事に夢中で取り組んでいる人は時間を忘れて働きます。自分が納得できるクオリティを追求するために、結果として労働時間が長くなる。それを一概に「ブラック」と決めつけるのは、少し違うのではないでしょうか。

大人ももっと「アスリート化」していいと考えています。特に若い世代にはハードワークを意識してほしいと思っています。なぜなら、結婚・出産・育児・介護といったライフステージの変化によって働ける時間は確実に減るからです。

先述したように、うちの息子の所属しているサッカーチームは、平日19〜21時に体育館で練習をしています。そこへの送り迎えは親の仕事。19時までにご飯を食べさせて送らないといけません。このように結婚して子どもを持つと、時間のすべてを自分に費やすことができなくなります。

そのため、特に時間に余裕のある20代のうちにハードワークすることを推奨したい。独身時代にハードワークをするからこそ、その後のライフステージの変化にも対応しやすくなるからです。

私自身、新卒で入社する前に、ある先輩から「新入社員は馬車馬のように働け」というアドバイスをもらったことがあります。当時は時代の空気もハードワークを推奨していましたし、それに対して一切の疑問を持たず、言われたとおりハードに働いていました。20代の頃を振り返ると、ハードワークにより常に睡眠不足だった記憶しかありませんが、それによって鍛えられたのは事実です。

近年、コスパやタイパを重視する風潮が強まっています。しかし、すべてを効率化することが必ずしも良いとは限りません。特に若い頃は、一見遠回りに見える努力が、長期的に見ると大きなリターンをもたらすことも多いのです。

ハードワークこそ信頼を築く鍵

また、ハードワークは信頼を得るために欠かせません。

例えば、あなたがサッカーチームの監督だとして、選手Aと選手Bのどちらか1人をベンチ入りメンバーに選ばなければいけないとき。
選手A:練習をサボりがちで、練習後の掃除も手抜きしている選手
選手B:練習を休まず、練習後の後片付けも丁寧にやる選手

どちらの選手を使いたくなりますか?明らかな実力差がある場合は、チームの勝利を優先して選手Aを起用することになるでしょう。でも実力が拮抗している場合、ひたむきな姿勢を評価して選手Bを採用するのではないでしょうか。
選手Bに「地道な努力を続けているからこそ、いざという時にも頼れるはずだ!」とより強い信頼を寄せるはずです。

仕事においても、信頼を得ることはとても大切です。その信頼を築くためには、まず「しっかり働いている」という印象をもってもらうことも1つの手段です。
確かな信頼を獲得した後であれば、定時で帰宅したり、息抜きで映画を観に行くのも良いでしょう。

ユニークワン流の働き方 − 自由と成果を両立させる仕組み

ここまで「20代はハードに働け!」というメッセージを伝えてきましたが、会社全体としては「長時間働く=評価される」という制度設計にはしていません。

お客様にとって重要なのは、「何時間働いたか」ではなく「どんな成果を出したか」です。
そのため、私は労働時間にかかわらず結果評価を徹底しています。結果を残してくれるなら、ハードワークなんてしてもしなくてもかまいません。

とはいえ、スキルが未熟な20代にとっては、長時間労働や土日出勤を「成果を出すための手段」として活用するのも一つの選択肢だと考えています。

当社は正社員には一律で60時間の固定残業代をつけています。これを聞くと「え、60時間も残業しないといけないの?」と思う人もいるかもしれません。ですが、これは「60時間までは自由に残業していい」という会社からのメッセージでもあります。
私たち広告業界の仕事は、提案資料の作成やコンテンツ制作など、アウトプットが時間に比例しない仕事がたくさんあります。時間に追われて中途半端な仕事をするよりも「一人ひとりが自分の納得いく仕事をしてほしい」という願いの現れです。

実際には定時で帰るメンバーもいれば、月の平均残業時間は22.74時間と、60時間を大幅に下回っています。それについて「固定残業分はしっかり働け」なんて言うことはありません。
あくまでも「成果を出すために努力を惜しまない」という気持ちを大切にしてほしいと考えています。

・ ・ ・

もし今回の記事を読んで「ユニークワンに興味を持った!」と思った方は、ぜひユニークワンの採用サイトをご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!