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レストランに疼くなんて、どうかしている
完全にやられてしまった、とボクはその瞬間に気付いた。
まだ付き合い始めて数週間。
何回か待ち合わせをしてデートをしたけど、いつもの場所、というのはまだ決まっていない。
次の日曜日待ち合わせはどこにしようか?と僕が聞き、彼女はこう答えた。
「デニーズレストランにしよう!」
意味は分かるけど、デニーズで良くない?
東北の田舎町出身で、就職してから東京に来た彼女は、これまでデニーズに接する機会がなかったのだろうか。
そしてどんな彼女の言う、デニーズレストランという響きが、なんとも可愛く思えて愛おしい気持ちが胸を満たしていった。
それじゃあまたね、と別れてからの帰り道、デニーズの横を通った。
看板にはデニーズレストランと書いてあった。
今まで何回も通っていたけど、レストランがついているのに、初めて気づいた。
気が付けばボクは、ニヤニヤしていて、気を付けないと何かを叫んでしまいそうだった。
こんなことでも幸せな気持ちになるくらい、どんどん彼女に惹かれていっている。