プロセスを魅せるデザイン展
ATELIER MUJIに “プロセスを魅せるデザイン展” を観に行った。
Craft Portrait: Dorozome’
簑島さとみ/ ポリン・アグストーニ
“奄美大島の泥染”
大島紬のような深い黒を生み出すために、糸や布を車輪梅の煮汁で染め、泥田で泥をこするようにすり込む、この工程を80〜100回ほど施す。
1回目から100回以上、黒になるまでの全ての染めの色のサンプルが並んでいた。
初めは木の色に近い薄い茶色。
15回目あたりでぐっと濃い茶色になる。
それから回数を重ねるごとにほんの少しずつ茶色が濃くなって、最後に黒になる。
その長い道のりが目の前にあった。
近頃、仕事で “今の私” では感じられない、でもそこにあることは分かっているとても大切な本質的ななにかが見たくて、もどかしさを感じている。
気の遠くなるようなプロセスを通して深い黒を生み出す奄美大島の泥染。
この “デザインされたプロセス” を見て”ひとつひとつ丁寧に日々の仕事を重ねることでしか、“深さのある仕事”ができないのだと、腑に落ちた。
目指すものは、丁寧に仕事を重ねることでしか辿り着けないのだ。
それしか方法はないのだと。
感じたかった “プロセス” を “観た”。
他のプロセスのデザインも素晴らしかった。
普段はあまり意識しないプロセスに意識を向けることで、なにかを観る時にもう一歩踏み込んで感じられる気がした。
プロセスを感じることで、最終的に形になったデザインの本質を感じられるのではないか。