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ポートレート撮影で僕が50㎜単焦点レンズにこだわる理由

お疲れ様です、フォトグラファーのまちゃる(@kazuyami77)です。

ポートレート(人物)撮影をされてるカメラマンのみなさんに一度大調査でもしてみたいものですが、どんなレンズを使われていますか?

一般的には被写体以外をボカしやすいことや画質の良さから、「ポートレート撮影には単焦点が向いている」と言われます。比較的値段がお安く、ズームレンズとはまた違った美しい写真が撮れることから、初心者の方がステップアップするときに50㎜前後の単焦点レンズがおススメされることも多くあります。
(この記事で言う「50mmのレンズ」とはフルサイズセンサーのカメラにつけた場合のことを言っています。カメラを始めた方がよく使われるAPS-C機だと焦点距離が1.5倍や1.6倍になるので、30~35mmのレンズがそれに当てはまります)

ただ最近は、ポートレート撮影において同じ単焦点レンズですが、比較的望遠ぎみの85mm~135mmくらいの「中望遠単焦点レンズ」(いわゆるポートレートレンズ)が人気のようですね。

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↑ 105㎜の中望遠単焦点レンズで撮影したもの。背景のボケも美しく、中望遠独特の圧縮効果で、よりポートレート写真ぽく見えます。

50㎜単焦点へのこだわり

僕はNikonの純正も含めてSigmaなど複数の50㎜レンズをその撮影イメージによって使い分けています。好きなオールドレンズのHeliousやTakumarも50mm前後のものを使っています。

仕事のインタビュー撮影やイベント撮影などは、距離的な制限や構図づくりのため各種ズームレンズを使いますが、プライベートのポートレート撮影では50mmをメインに撮影を組み立てます。


「撮る側と撮られる側の関係性がそのまま写るレンズ」


それが50mmを使う最大の理由であり、このレンズの魅力と難しさではないかと思います。

先ほど「初心者がステップアップの際に薦められることが多い」と書きましたが、その大きな理由に「人の普段の視界に近い画角で撮れる」という点があげられます。

「普段の視界に近い」ということは、いつもの感覚で構図も組み立てられるし、それを基準に引いたり近づいたりすることで、広角レンズで撮ったような写真も望遠レンズで撮ったような写真も、いろんな表現ができるということです。

50㎜レンズ=距離感

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先ほどまで書いてきた点が1つ50mm単焦点レンズについてよく説明されることです。

ただ、さらに言うと僕は 50mm=被写体との距離感が現れるレンズ だととらえています。
先ほど書いた 「撮る側と撮られる側の関係性がそのまま写るレンズ」と同じ意味合いになります。

どういうことかと言うと、50mmのレンズで撮影した場合、撮る側は普段の視界とほぼ同じようなイメージで撮影しているので、被写体と撮る側の距離感は普段の関係・距離感とほぼ一緒だということが言えます。
これはもちろん被写体側から見ても、普段と同じ関係・距離感で撮られていることになります。

しかし、ズームレンズや他の焦点距離のレンズだとこうはいきません。普段の距離感から遠いところからも望遠レンズを使えば、大きく映りますし逆もまた同じです。

そういう点で50mmのレンズを使うときに限り、撮り手と被写体の距離感は等しくなり、カメラを介さずに普段お互いに見ている視界や距離感で撮影が行われることになります。

写真を見る人に訴えかけるようなポートレートが撮りたい

少し前にポートレートを撮る上において、カメラマンの存在感を「消すべきか」それとも「存在感を出すべきか」という論争があった気もします。

中望遠単焦点レンズが流行ってきている今では、「極力撮り手の存在を感じさせない」ポートレートが多くなっている気がしますが、自分としては「モデルさんがカメラマンの自分を通じて、写真を見ている人に何かを訴えかけるポートレートが撮りたい」と思っています。

そのためにリアルな距離感を作れる50mm付近のレンズを自分は必要としていますし、その距離感の中でモデルさんとコミュニケーションを取ることが大切だと感じています。


ポートレートを撮られている方でレンズの好みや距離感の考え方などがあれば、いろいろと聞いてみたいと思います。

ぜひ「自分はこうしている」というのがあれば教えてください。

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Masaru Nakanishi @石川県金沢市のフォトグラファー&写真講師
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