ダービー馬について考える
一昔前には、ダービーは〝最も運のある馬が勝つ〟と言われた。今よりもフルゲートが多頭数で、力のある馬でもその力を充分に発揮できずに負けてしまっていたことから、枠順含めて運がある…と。
確かに20頭以上にもなると、ダービーポジションと言われた1コーナーまでに7,8番手を狙う必要性があるかもしれなかったのも事実。
出走頭数も18頭に落ち着いた近年でも、優勝馬にその後になかなか活躍する馬が少ない。それこそ大一番に運を使い果たしてしまったのか?そもそも論で、一番強い馬ではなかった??
ダービー馬はダービー馬から生まれる?
サンデーサイレンスによって日本の競馬の血統図は塗り替えられた。その後も、最高傑作であるディープインパクトの仔たちがその流れを受け継いで大活躍している。
もう1頭、キングカメハメハの存在も忘れてはいけない。
この2頭の血を引く馬たちこそ〝ダービー馬はダービー馬から生まれる〟を体現しているのではないか。
現代日本競馬では、高速馬場への対応が必須であり、欧州系の重い血統では太刀打ちできない。時計勝負に瞬発力を兼ね揃えた血こそが求められる。
近年のダービー馬のその後…
さてさて、この10年を振りかえっても、ダービー馬のその後の活躍はどうだろうか?思い浮かぶ馬はいるだろうか?
2011年のオフフェーブルはその後、荒々しい気性ながら凱旋門制覇まであと一歩までの大活躍をした。
その後は、ディープブリランテ、キズナ、ワンアンドオンリー、ドゥラメンテ、マカヒキ、レイデオロ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイル。どうだろうか?
キズナ、レイデオロ、コントレイルぐらいが何とか頑張った程度で、ダービーがピーク!?と思えてしまう。
コントレイルはまだ現役なので、輝きを取り戻す可能性はあるが…。
やはり他を圧倒する様なインパクトある勝ち方をする馬でなければ、その後は厳しいと考える。そういう意味ではドゥラメンテの故障は残念だった。
コントレイルに関しては、同世代のレベルに問題がある。2着馬サリオスは完全なマイラータイプ。それがダービーでも2着好走と他に脅かす馬がいなかった。
シャフリヤールは強いのか?
今週の神戸新聞杯に出走するが、ここに関しては勝って当然の相手関係だろう。
この馬は、毎日杯やダービーでの時計勝負での好走、上がり33秒代前半の末脚と軽い馬場でこその馬。
今回の舞台の中京の2200mは府中の2400mより力のいるコースだが、スローペースの上り勝負になりそうで気にする必要性はないと思われる。
ステラヴェローチェとの切れ味勝負になるだろう。逆転される可能性も充分に考えられる。まさに試金石。勝たなければ全く価値がなくなってしまう。
個人的には、3歳牡馬ではエフフォーリアの方が力は断然に上と考えているが、その考えを覆す活躍をダービー馬には期待したい。