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旅行記④:Jerusalem(23年1月)

昨晩Masadaと死海からホステルに帰るとインド人の若者がベッドで携帯をいじっていた。どうやらさっき着いたようで少し疲労が伺える。ペールのおじいさんは帰国したみたいだ。

流暢で綺麗な英語を話す。彼はインドのラジャスタン州出身で今はベルギーで働いているようだ。3泊4日の観光でイスラエルまで来たとのこと。

腹が減りすぎてShawarmaと羊のスープを購入。スープストック的なお店で何種類かのスープから選ぶことができた。おすすめは何か?と店員に聞くとvegi or non-vegiと聞かれ、non-vegiと答えると、それならこれねと渡された。



羊肉を餃子の厚い皮で包んだ物を入れたスープ。

これがめちゃくちゃ美味しかった。スープのほのかな酸味とラム肉の餃子の甘みが合わさって旨味を引き出す。日本人受け抜群だと確信する。

美味しすぎて料理研究家の友人にすぐに連絡した。

恐らくKubbeh Soupであり、この動画のものの一種なのだが、ram肉のKubbeh soupをサーチすることができず、レシピをご存知の方がいれば教えていただけますと幸甚です。あのスープの調味料は私には分析不能でした。


2階のcommon spaceで感動しながら一人で晩御飯を食べていると、先ほどのインド人がビールを片手に前に座ってきた。


Daveというインド人は頭の良さそうなタイプでインド人にしては静かな方。初見で気が合いそうだと思った。ベルギーで働いているようで一人で3泊4日、太陽を求めてやってきたようだ。旅行するならあらゆるリサーチをしたい、ただ建造物を回るだけではなく、その裏側の歴史を知りたい、などなど話していてとても楽しかった。


昨日の朝の祈り事件もあり、君もreligiousか?と聞いたところ、親はジャイナ教徒だけど俺はsecularだとのことだった。


晩御飯を食べたら軽く外に飲みに行こうかとなり、ホステルの外へ。


金曜日はユダヤ教のお休みということで木曜日の夜は華金的な立ち位置でマーケットがとても盛り上がっていた。

日中営業しているようなお店は閉まっているがBarなどが営業していてみんなお酒を飲んだり、家族や友達と繰り出しているみたいだった。本当に宗教的な人はいないのかもしれないが、ユダヤ教徒の正装をした若者も爆音で音楽を流して歩いていて、日中とのギャップに驚いた。このマーケットの熱気は異様な感じ。エルサレムの別の側面を見た気がした。


彼がいなかったら夜のエルサレムにも繰り出さなかっただろうし出会いに感謝。


彼も着いたばかりで疲れていることもあり1時間ぐらいで戻った。


次の日の朝は久しぶりに9時ごろまで寝て、その後のんびりして、ヤド・シェムというホロコースト美術館に行った。トラムに揺られて20分ぐらい、そこ
から歩いて10分程度だったかな。



美術館の中は世界中からきたユダヤ人の学生たち、観光客などなどで混んでいた。本当は事前予約制だったみたいだが、一人だったからか普通に通してくれた。


ホロコーストはイスラエル建国を語る上で欠かせない。

ホロコーストがなければイスラエル建国はなかったのだろうか?という疑問が残ったので色々調べて見たい。

印象的だった展示はユダヤ人かを判断するための道具。鼻の長さやおでこの広さなどから測定され、基準を満たさなければすぐに収容所に送り込まれたとのこと。

あとは強制収容所の大量の死体がブルドーザーで持ち上げられて地中に埋められる動画。日本であればモザイクがかかるようなえぐい動画だった。一切加工せずそのまま放送していて強烈な印象だった。収容所にいた人たちの写真も人間はこんなに痩せこけることができるのだ、というぐらい骨と皮しかない人たちを写しており、そこでの生活の過酷さとナチス政権の巨悪さを物語る。

歴史は一方からのみ見て判断してはいけないし、その時の事情・背景を完全に理解せずに語るべきではないとは思うが、何世紀も他民族と争いを続け、さらにホロコーストという悲劇を超えてシオンの地にイスラエルを建国した、ユダヤ人の強靭な魂に私は強く惹かれるのだ。

民族の魂は外敵によって高め上げられるのだとすれば、今日本を襲う色々な課題も来るべくして来たようなものであり、ただ体当たりしていくしかないのだろう。ユダヤ民族の辛苦と比べれば大したことないはず。

金曜日は14時にはスーパーも公共交通機関も閉まり始めるという噂があり、最後は駆け足で展示を見た。もっとゆっくりと見たかったな。割とホステルから離れていたのと、ガーナ行きのフライト前にランチもディナーも逃すのを恐れて12時半ごろに美術館を後にした。


ランチはマーケットで食べた。地元の人でとても賑わっている店に自然と惹かれてしまうもので、チキンをラップで巻いたような食べ物を食べた。マーケットに面して椅子が置いてあり、行き交う人々を眺めながら。地元に溶け込んでいる感を頑張って出しながら。



ちょっとした階段が目の前にあったが、ベビーカーの扱いが日本とは大きく異なると思った。前輪だけを持ち上げてガンガンしながら赤ん坊を乗せて降りていく。日本だとベビーカーごと担ぎ上げるだろう。




みんな金曜日の夕方以降はシャバットに向けてご飯を買いに来ているようだ。とても賑わっていた。

マーケットの周辺を散歩してホステルの近くまで戻るとほとんどの店が閉まっていた。まだ15時。

昨日のスープが忘れられずわずかな望みをかけてスープ屋に向かったが、やはりクローズしていた。残念すぎた。

晩御飯も今買っておかないといけないと思い、コンビニ的なところでカップ麺と謎のプロテインバーを購入。これだけで1000円ぐらいしてキレそうになる。

ホステルに帰って19時ごろ空港に向かうまで部屋でゆっくりすることに。空港までの電車は止まっているので乗合タクシーを予約した。


部屋でゆっくりしているとベルギーのおばあちゃんと青年より祈りへの参加を求められた。というか改宗しない?ぐらいの感じだった。洗礼はさすがにやだよ?と言ってまあ今日だけねとして受けることにした。


常に心にjesusがあると死後に天国に行けるとして、目をつぶって天を仰ぐように指示される。

receive the spirit of jesusと言われながら5分程度祈りを捧げられた。

割と日本でやられたら怖いことだけど、エルサレムで本当に宗教を信じる人たちのこうした行為はとても美しかったし、本当にjesusが降りてくるのではないか、と思わせるほどの迫力であった。

これほどまでに何か信じるものがある、というのは素晴らしいな。

何も信じるものがなくてバラバラに空中分解しそうな日本人をよく見るのでなおさらそう思った。


エルサレムは町歩きも楽しかったし、世界史で勉強した場所が密集していて、3日では到底足りなかった。また訪れたいな。


ガーナに向かう。


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