おたまじゃくし
昨日はおたまじゃくしdayである。
少し陰っていて風も拭いていて蒸し暑いと言うよりは涼しいような天気。
7月31日。ギリギリ7月の終わり、初夏を感じさせてくれるような日だった。
多摩川は汚くて到底川遊びなどできないだろう、と思っていたがそこは子どもたちの楽園と化しており、老若男女とても賑わっていた。コロナで遠出も出来ず、都会のオアシスにみんな集うのだろう。まさにサバンナの水辺に集うゾウといった感じ。
子どもたちが安全に遊べるように支流の川にガッツリ手が加えられており、おそらく水道水のようなきれいな水が流れている区域があった。さすが人気の街代表格、二子玉川である。
まさか川に入れるとは思っておらず、スニーカーで来たことを心底後悔した。
そんな私を横目に、ひろきはサンダルで何も躊躇することなく入水。そのまま上流に向かって歩みを進める。冷たくて気持ちが良さそう。
最初の5分は川のサイドトラックを歩いていたものの、羨ましすぎて私もスニーカーを脱いで入水した。
なんとなく、水が湧き出ているところに石を積み上げてせき止めたくなったので、ひたすら二人で石を集めて積み上げた。ダム建設のミニチュアみたいなものが出来上がった。漏れまくりで全然せき止められなかったけど、そこからの流量は半減できた。
その後はひたすらおたまじゃくし捕獲作戦である。
どうやらひろきは自宅でもおたまじゃくしからカエルのコンバージョンを成し遂げた生粋のおたまじゃくしファン。彼の捕獲意欲はとてつもなく高かった。
5cm以上はあるような巨大なおたまじゃくしがうじゃうじゃいた。Google先生によるとツチガエルのおたまじゃくしで、蛙になるまで数年を要するため、巨大なおたまじゃくしとなるらしい。
網を持っていなかった我々ではあるが、ひろきのバケツを武器に、ディスカッションとシュミレーションを重ねて、捕獲を何度も試みる。
一人が木の棒で川面を叩き、おたまじゃくしを沈めたバケツにおびき寄せるという非常に画期的でworkしそうなアイデアを思いつくも、おたまじゃくしは我々の構えたバケツとは反対側に行ってしまいかすりもしない。
「網さえあれば、、、」その言葉を何度つぶやいただろうか。。
諦めかけたそのときだった。
川の反対側のファミリーがレジャーシートに戻ってきた。
我々はその少年の手に虫取り網が握られているのを見逃さなかった。
お互い顔を見合って、頷く。
ここは恥じらい躊躇するところではない。
二人で川を渡り勇気を持って頼み込む。
「すいませんが、その網を貸していただけないでしょうか、、?」
サラリーマン仕込みの低姿勢と揉み手が効いたのか、快く貸してくれた。
我々は網を受け取るやいなや、全力で橋を渡り、おたまじゃくしポイントへ戻った。
もう網をもった我々は無敵である。鬼に金棒、虎に翼である。大量捕獲も夢ではない。
しかし、その後何度も何度もおたまじゃくしに向かって網を投じるが、全く捕獲できない。
我々が網を投げた瞬間、おたまじゃくしはスルスルと川底から逃げ去っていくのだ。
もう彼らも帰宅の時間だ。網を返さないといけない。
全然諦めきれないひろきは心の底から悔しそうにしていた。
それ以降我々は「どうすればおたまじゃくしを捕獲できるか」という議題について語りながら、ランチを食べてサーティワンを頬張った。
そして来週末再度同じ場所でのリベンジを誓った。
必ず捕まえよう。