2023年12月2日(土)中山8RイルミネーションJS
2023年の障害競走はこのレースを含めて残り9レースのみ。
これからは1日1レースのみの開催となりいよいよ師走となったことを感じる。
このレースが終わるといよいよ中山大障害待ったなしといった様相。
今年は重賞勝ち馬が3頭、前走馬券内の馬が7頭もいて特別登録発表の時点から楽しみが尽きない組み合わせとなった。
昨年の優勝馬ミッキーメテオは翌春の中山GJで2着、一昨年の優勝馬レオビヨンドは返す刀でその年の中山大障害で3着とJ-G1とも直結するレースとなっている。
今年もここで勝負になって先々のJ-G1で活躍できる馬が出てくることに期待したい。
パドックメモ
◎1ロックユー
未勝利戦→オープンと連勝してここに挑む素質馬。
入障戦は出走10頭中5頭が勝ち上がったホウオウヴォーヌ戦。今年1番勝ち上がり率の高いレース(11月25日開催終了時点)でかなりのハイレベル戦だったといえる。
2戦目は2着コバルトブルーに2.4秒もの差を付けて大差勝ち。3着のトーセンオリジンは未勝利戦で2着5回3着4回と未勝利戦では能力上位の存在だっただけにこのレースも上位勢のレベルは高い水準にあったと言える。
そして3戦目となった前走のオープンは2着フィロロッソの自爆にも助けられたとはいえ1.3秒差を付ける快勝だった。ゲートは出遅れたものの飛越ごとに差を詰めていって早々にフィロロッソを射程圏に捉えたレースぶりはお見事だった。
パトロールを見てもらえると分かるが最終直線でまさに真一文字という言葉がピッタリなほどに綺麗に真っすぐと走れている姿が印象的だった。
あれだけ真っすぐと走れたのは京都の3170mを走っても体力的な余裕がまだあったからではないかと想像できる。
このレース、そしてその先のJ-G1まで意識できる存在なだけに体力的な強みがあるのは間違いなく大きな魅力である。
今回は初の中山内回りコースで適性面の心配は出てくるところだが、これまでのレースぶりを見ると中山内回り巧者としてオジュウチョウサンと接戦を繰り広げてきたブラゾンダムールが被って見える。
・ゲートが遅い
・道中でポジションアップできる
・コーナーで小脚が使える
・スピード感のある低い飛越
・鞍上が西谷J
競走イメージが被っている印象があるがそれだけでなく、血統面を見ても少なからずロックユーとブラゾンダムールは似た面がある。
ロックユー
ブラゾンダムール
双方に同じディープインパクト産駒×Sadler's Wells系でNorthen Dancerのクロスを父母間でクロスしていているのも共通。
※厳密に言うとブラゾンダムールの母父であるMedaglia d'OroはEl Pradoを介してのSadler's Wells系で本来の欧州的な馬力型のSadler's Wellsとは異なるスピードに振れた異質なタイプとも言えるが血統的に内包するという意味では共通点とみる。
今回もゲートで出遅れる(騎手がゆっくりと出す)ことは間違いないため後方からのレースだろう。それでもブラゾンダムールのようにバンケットでポジションアップしていけると想像させるだけの脚はこれまでのレースで見せてくれている以上しっかりと評価して本命視したい。
○10スヴァルナ
近2走の内容がかなり良かった同馬を対抗評価としたい。
前々走は中京3000mで離れた2番手を追走して向こう正面の連続障害で先頭に立ってそのまま押し切るという強い内容だった。
飛越数が12ヶもある中京3000mでこの内容はスタミナの証明になる。
昇級戦となった前走では新潟3250mで2番手から押し切って6馬身差を付ける快勝だった。昇級戦にも関わらずすんなりと先行できたそのスピード能力の高さは目を見張るものがあった。
新潟巧者が数多く出走している中での快勝だっただけにその価値は高い。
今回は初めての中山コースでの出走となる点が不安要素ではあるが、枠の並びはかなり恵まれたような印象。
自分より外の馬はゲートが速くなく被される可能性がかなり低く、すぐ内のワンダークローバーもゲートは遅く内のスペースを広く使える枠の並び。
そこまで離れていない場所に逃げることが予想されるナギサがいるだけにナギサを見ながら序盤を進めることが出来る点もこの馬にとっては好材料。
父ステイゴールド×母父シンボリクリスエスの組み合わせは歴史に名を残す障害レースの絶対王者オジュウチョウサンと同配合。
同馬の母ブルーミングアレーは中山コースで1-1-0-0。半妹のランブリングアレーは中山の重賞で1着1回3着1回と好相性。同馬自身は平地、障害を通じて初の中山コース出走となるが血統的な背景をみると特に軽視する必要はないように感じる。
スピード能力に長けたタイプでポジションをしっかりと取れる点がプラスに働くとみて対抗評価とする。
▲9ワンダークローバー
昇級後5戦して掲示板を外したのは1回、3着を2回確保している堅実ホース。毎回メンバー中上位の脚を確実に使っているが、勝負所での反応が遅くて差し届かないという競馬が続いている。
そういった意味ではスピード以上に飛越の巧拙が問われる中山へのコース替わりはプラスに働く可能性がある。本場で跳び負けるような姿を見せていない点は心強いポイント。
ズブいタイプなだけに距離は伸びれば伸びるほどいいように感じる。
血統的には中山の内回りコースへの適性が高い可能性が十分。
父ゴールドシップの特徴といえばPrincely Giftの5×5のインクロスに由来する機動力の高さ。それゆえに自身は中山内回りの有馬記念で好走出来ていた。
産駒にもその能力が遺伝しており、中山や福島といった小脚を使うコースでの好走が目立つ。
同馬はその父にキングカメハメハの肌を掛け合わせた配合形。キングカメハメハの奥にあるNureyevは機動力を引き立てることが多くゴールドシップの持つPrincely Giftの血を刺激してくれるような格好となっている。
今回の舞台である中山3570mでその血が輝く可能性があると信じたい。展開が嵌れば頭まであってもいい存在ではないだろうか。
△5アサクサゲンキ
リピーターレースとして知られるこのレースにおける唯一のリピーター馬。2年連続2着に好走しておりいまさら適性面は疑う必要もない。
前走は初めての京都コースでどうかと不安視されていたがしっかりとスピード能力を発揮して2着に好走。
今回も当然上位争いを期待したいところだったが1週前がややチグハグに感じた。
2022年イルミネーションJS最終追い
53.4-38.6-25.0-12.7 2着
2023年ペガサスJS最終追い
51.7-38.2-25.2-13.2 7着
2023年京都JS最終追い
52.7-38.4-25.2-12.6 2着
今回最終追い
51.4-37.8-25.2-13.2
好走出来ているときはゆっくり入って最後まで脚を伸ばすような追切が出来ているが今回はペガサスJSの時同様に最後まで脚が持たなかったような時計。
コース実績は十分に評価する必要があるがレースまでの過程には不安を覚える。
前走はプラス18kgでの出走だったがかなり気配がよく映って特に後肢の踏み出し幅が素晴らしかった。その点が前走より見劣るなら評価を下げたほうがいいのかもしれない。
×2ジェミニキング
阪神SJ終了時点では間違いなく同馬がこれからの障害レースを引っ張っていく存在だと思わせてくれるほどのパフォーマンスを披露してくれた。
どんなレース展開でも確実にとんでもない上がりを使える脚力と並外れたスタミナが武器。
頭の高いフォームで走るタイプで中山内回りコースのような機動力が問われるコースは大の得意。
中山コースは清秋JSの圧勝を含めて1-0-1-0と馬券内を外していない。
ここも当然上位争いを期待したいが、靭帯炎を発症して以来9ヶ月ぶりのレースとなる点、唯一62kgを背負ってのレースとなる点は不安材料。
能力は当然買うものの2列目までの評価とする。
※そういえば阪神SJの時も×評価だったな…
紐①8サイード
前走は初めての固定障害+大幅なメンバー強化で敗れはしたが想像以上に健闘できたような印象だった。
飛越自体は問題ないように映ったし、勝負所で前が詰まって仕掛け遅れたように見えた点と道悪馬場でノメッていたのが辛かった。
前走と比べると相手関係は楽になるしここでやれてもおかしくない。
紐②3トゥルボー
お帰りなさい。2年3ヶ月ぶりの障害レース出走となる今回。
前走中山ダートで平地を一叩きしてからの参戦。障害レースでの実績はここに入っても抜けた存在で重賞2勝オープン1勝は大威張りできる成績。
中山で勝利した2021年4月のオープン競走はいまだにレベルの高さが話題になる1戦だった。
1着トゥルボー
2着マイネルヴァッサー
3着ダイシンクローバー
5着ホッコーメヴィウス
8着ニシノベイオウルフ
9着ドゴール
重賞勝ち馬3頭オープン勝ち馬3頭を輩出した恐ろしいレースレベル。
そこを全く違う手応えで差し切っており、同馬の能力は相当に高いはず。
ここで復帰初戦から走っても全く不思議ないはず。
紐③7タンジェントアーク
しっかりと脚を使えた近2走は好内容。
未勝利勝ちした中山の舞台で嵌らないか?
買い目
3連複1頭軸流し
1-10.9.5.2.8.3.7
馬連流し
9-1.10.5.2.8.3.7
パドックを見て取捨選択予定です。
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