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カラーリストが色と光について研修を受ける謎

さて、少しお休みしていましたが、カラーコンサルタントのお仕事休んでいたのではありません。

「カラーリストが色と光について研修を受ける謎」

このところ、日本国内のカラーリスト(日本ではパーソナルカラーを判定する方々が多くはカラーリストと名乗られます。ちなみに、カラー診断とは少し違和感があり、私個人としては「診断」と称して良いのかいつも違和感を持ちます。せいぜいパソなるカラーの判定程度にしておいて欲しいと思います。)や、検定の講師の方々がここにきて、照明メーカーさんを訪ねたり、また光学機器メーカーさんから専門家を招聘したりして、色と光についての研修をもつことが増えているようです。

そこで、素朴な疑問なのですが、わざわざこの2020年の今、色と光について学ぶということは、学ぶ必要があるということ、つまり色と光についてあまり多くのカラーリストが詳しくなかったという裏返しではないかと考えています。

例えば、色を比較検討する測色のプロセスをよく知らなければ、色は測ったり判定したり吟味は無理でしょう。普通に日本のプロダクトの現場で当たり前と思われている測色のプロセスが、カラーリストと名乗る方々の念頭になかったとは思いたくありません。

しかし、今の日本国内のカラーリストさんたちのカラー診断の場の状況をヒアリングしたりリサーチした場合、とうてい厳しい現状で、「色を測る」つまり「色を判定する」というプロセスは意外なほど無視されたり、重要視されていないことも散見され、とても重大なことと危惧します。

「なぜ、日本のパーソナルカラーの業界で、色と光が重要視されて来なかったのか、また極めてアバウトだったのか。」

あくまでも一つの仮説がたちます。

それは、日本のパーソナルカラーを立ち上げ普及して来た、パイオニアと言われる方々に、意外なほど色彩学や光学の素養がもともと無かったことに原因があるのかもしれません。

そもそも、東京にアメリカからイメージコンサルタントを招聘し、集まったカラーリスト志望者は当時10名。それも、そのアメリカから招聘した女史のレクチャーを新聞広告で知り、「新しいものがある」と飛びついた方々。

ただ、残念ながら、それまで美術教育に携わって来たとか、メーカーで商品開発に関わって来た、日本画や洋画を描かれて来た、…もちろん、色彩学や光学に関わって来た方々ではなかったようです。

2020年の今では、ラグビーWCをうけて、「にわか」という言葉が流行していますが、まさしく、にわかにカラーリストとしてその10名のレッスン受講者の方々は以降名乗ることになったのでしょう。もちろん、10名のうち全ての方が、カラーリストとして日本のパーソナルカラーを以降牽引して来たわけでもありません。モチベーションはそれぞれですから、ただ好奇心でレッスンを受講した方、知識欲だけで受講した方、背景は色々です。

ただ、肝心なことは、そのレッスンを受けるまでは、色と光について特に専門的な知識と経験があった方々とは思えません。

当然、以降、イメージコンサルティングが日本では色の部分だけが特化してパーソナルカラー(これは和製英語です)として広く普及するわけですが、例えば、以降、その理論の根幹をなすパーソナルカラーのマニュアル的なテキストや文献にも、色と光は少し顔をのぞかせるだけです。現行のいくつかあるパーソナルカラーの検定というもののテキストでも、扱いはAFT色彩検定と同等かそれ以下程度にとどまり具体性も欠けています。それは、つまり著している方ご自身が、色と光に造詣が深くないことが露呈しています。

パーソナルカラーのテキストを著された方々ご自身が、さほど色と光に造詣が深くなかったためとはいえ、その後、細分化され多様化し、枝分かれしていったパーソナルカラーの実践と理論上でも、それはあまり変わることはありませんでした。

さて、経緯は個人的に私が想像含めて考えてみても、おおよそそのような経緯でしょう。では本筋に戻りますが、なぜ、今のタイミングで改めてカラーリストや色彩検定講師と名乗る方々が、あえて「色と光の研修」を急がれるのでしょう。

少し長くなりそうですので、この件については続編を追ってアップしましょう、私の気が変わらないうちに。



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