韓国併合について

二匹の猫氏が言う、韓国併合条約が、韓国皇帝が日本国天皇に統治権の委譲を申し出て、日本国天皇がそれを受け入れる、という形式になっているのは事実。

というより、そうせざるを得ない。

なぜなら、日本が日清戦争・日露戦争を行った”名目”が、韓国の独立を守ることだったから。

中国の属国だった朝鮮を独立させたのに、今度は日本が朝鮮を属国にするわけには、”名目上”出来ません。

だから、条約では、韓国側から統治権を委譲したという形式にせざるを得なかった、と言うだけで、そんなものは文章上の修辞に過ぎません。

信じるのは、お子様くらいでしょうね。

大体、本当に韓国が併合を自ら望んでいたのなら、ハーグ密使事件(1907)なんか起こりません。

ハーグ密使事件は韓国皇帝の密使が欧米列強に外交権保護を求めた事件です(その後、皇帝は退位させられている)。

結局は列強に無視されますが、それには事情があります。

イギリスの場合、インド支配に対する日本の支持。

アメリカの場合、フィリピン支配に対する日本の支持。

フランスの場合、インドシナ支配に対する日本の支持。

ロシアの場合、満洲北部権益に対する日本の支持。

これが日本の朝鮮支配に対する各国の支持への交換条件でした。
(これを知ると、第二次大戦がアジア解放の戦争だなんて、馬鹿げた論であることがよくわかります。)

因みに、韓国が「民族の英雄」としている安重根が暗殺した韓国統監・伊藤博文は、「日韓併合には反対」の立場でしたが、”韓国の独立を守る”という”名目”から、韓国併合に反対していただけで、保護国化には積極的でした。

ただ、最終的には併合に賛同しています。

この辺はよく保守系の欺瞞に使われるところです。

何より伊藤博文は、第二次日韓協約時には、韓国政府の閣議に乗り込んで、「あまり駄々をこねるようなら殺してしまえ」と言う表現で脅迫しています(この辺は韓国併合が条約締結当初より無効であったことの証左とされています。)

こういったことには、保守系は絶対に触れないでしょうね。

もう一点。韓国併合に至る数年間は、韓国国内で反日暴動が頻発しています。

これも保守系は無視する傾向が強いようです。

反日暴動を起こす民衆が多いのに日本に併合を求めるなんてのは、おかしいからでしょうね。

ただし、一進会など併合に賛同する(但し併合の条件などについて異論がある)勢力もあったことは確かです。

韓国国民が全て一枚岩なわけではありませんから、別に不思議なことではありません。

一進会の主張が韓国全国民の総意であるかのように吹聴する保守系がおかしいわけです。

(ちなみに一進会の会員は統監府設置以降1908年6月までに926人が義兵に殺されています。つまり民衆から恨まれていたわけです。)

あと、一進会の主張はあくまでも韓国と日本の対等合併(完全に同一国とする、あるいは、日本、韓国の連邦制にする)であって、議会制君主主義日本と総督府政治朝鮮という併合などは主張していません。

そして、韓国国内での暴動を鎮圧するために日本軍は、朝鮮駐箚軍(後、朝鮮軍)を常置しており、日露戦争後に増強されています。

その一方で韓国政府の軍隊は解散させたりしています。

外交権も軍隊も奪われ、列強同士の取り決めで諸外国の助けも得られない。

助けを求めた皇帝は退位させられる。

韓国併合条約はこういう状況下で締結されたわけです。

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