妹尾昌俊さんの講演会に参加してきました!

先日、中教審「質の高い教師の確保特別部会」の委員などを務め、全国各地の講演会・研修の講師を務めていらっしゃる、妹尾昌俊さんの講演会に参加してきました!!

今回は、そこで学んだこと・考えたことを残したいと思います。

講演会のテーマは、
なぜ大切? 家庭・地域と学校との連携・協働
社会とつなぐ教育の力と無理しない進め方


日本の教育が世界一?

まずはじめの問い、日本の教育が世界一なことって何だと思いますか?
読み進める前に考えてみて下さい!








⚠️⚠️この先に答えを書いています


ここで挙げる以外にも色々あると思いますが、、

  • PISA調査等における子どもの学力(プラスの側面)

PISA2022では、数学的リテラシー(1位/5位)・読解力(2位/3位)・科学的リテラシー(1位/2位)という結果になっています。
 ()の左はOECD加盟国、右は全参加国・地域での日本の順位

PISA2022の日本の順位(調査報告書より引用)
  • 教師の労働時間(マイナスの側面)

例えばOECDによるTALIS調査2018などを見ると、日本の教員はずば抜けて労働時間が長いです。
参加48か国の平均値(1週間)が38.3時間の中、日本は56.0時間となっています。
(38時間って日本の正規の労働時間と同じくらい。そして50時間を超える国は他に無い、というダントツ具合。。)

これをひっくるめて考えると、日本の教育においては、
   学力の高さー教師にかかる負担
が一体になっているのです。もちろん学力の高さは学校以外による側面もあるので単純な比較はできないが、そんな傾向が見て取れます。

休憩の少なさ(1日で5分強とかです。労基法的に言うとアウトですね)・寝不足の割合(4割が寝不足なんてデータもあるとか。。)もありますね。
このような状態で、教育活動を遂行する先生自身が体を壊してしまっては、質の高い教育を実現することはできません。

つまり学校の働き方改革とは、単に「楽をすること」ではなく、「より良い教育活動を遂行するために必要不可欠」なのですね。
(このあたりは『先生がいなくなる』なんかも見て頂きたい)

その為には、教員が本職である授業に集中するために、一部の教育活動から手を引くということも生じ得ます。
それを地域で一体となって担っていこうというのが、地域と学校の協働という発想に通ずるのです。

AI時代に生きる力

さてまた問いです。
Q:AI時代に必要なスキル・能力って何だと思いますか?


私個人は、

  • 指示を出す力

  • 遭遇したことのない状況に対処する力(問題解決)

  • 感情を持った交流をする力(機械に感情はありませんからね)

  • 主体的に学ぼうとする態度

あたりなんじゃないかと思っています。

(AIについては書くと長くなるので、また後日。。)

特に最後の「主体的に学ぼうとする態度」は、AI時代には欠かせないものだと思っています。

それは知識を”おぼえている”ことに強い意味が無くなってしまったからです。覚えているだけなら、機械の方がよっぽど強いので。
それよりも、必要に応じて、知識を獲得し、それを活かす能力の方が重要なんじゃないかと思います。

こんな機会は人生いつ起こるか分かりません。
だからこそ、学校は「どうやって学ぶか・考えるか・調べるか」を教授する場所だと思うのです。

妹尾さんのプレゼン資料より

ホンモノと出会う

こうした中で、学校だけで学びが完結するわけではありません。

学校の中で行われる非日常的な学びを離れ、社会の実践的な課題と直接的なまなびはそれこそ子どもの知的好奇心を高めるのではないでしょうか?(それが子どもの発案であれば尚更。)

つまり社会に存在する、ホンモノと出会うということです。

これを達成するには教員だけの力では無理ですね。
ここで出てくるのが、地域との協働です。

多用な価値観や経験を持った大人と接するなかで、ホンモノの学びに接することができるのです。

家庭単独でそんな大人に出会うのは至難の業です。
そしかし、学校という巨大な社会的装置があれば、全ての子どもにこのような機会を提供することができるのです。

妹尾さんのプレゼン資料より

参考・引用文献

⽂部科学省・国⽴教育政策研究所,2023,「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント」
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2022/01_point_2.pdf 

国立教育政策研究所,2019,『教員環境の国際比較:OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書-学び続ける教員と校長-の要約』 https://www.nier.go.jp/kokusai/talis/pdf/talis2018_summary.pdf


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