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心ない堕天使/2025年1月27日(月) 生活者になりたい22
朝起きて四畳半で作業のち出勤。目の前のかりんの木の、ふたつあった実はいつしかひとつになり、見捨てられた熟柿のように黒ずんでいる。
依頼を受けてコンセプトと見せ方を考えて、必要な情報をぶら下げていく頭を使う作業が多いタイミング。一方で来週には高知出張が控えており、取材アポイントも満足に取れてない今、気ばかりが焦ってくる。
日常の機微や情緒は押し寄せる仕事に蓋をされ、一日何があったのか、翌日にはもう思い出せなくなる。最近は自分が何を言ったのかも忘れている。その点で、この日報は仕事と別軸の息抜きであり、ありがたい存在になっている。頭の中で『はしれちょうとっきゅう』という「みんなのうた」の曲がエンドレスで流れている。そのままメールを打ち続けていたら、もうひとつの年度内納品案件も決まっていた。
昼はカレー。あれだけ大好きだったカレーの油分にやられることが増えた哀戦士も、肥後橋[カルータラ]のそれは基準のひとつのままで、月に一度はお邪魔している。チキン×豆の大盛りとゆでたまご。ビーフが残っていればビーフ。たまにカッタサンボラも頼む。夜の作業を考えて大盛りにしているが、そろそろ普通をデフォルトにしたいと思う。
帰って資料を揃え、抱えている中では一番大きなバジェットの仕事のやんごとなき打ち合わせへ。
すぐに事務所に戻ってホッとする暇もなく作業。比喩でなく時計を見たら22時半で、週初めの無理が及ぼす影響を熟知している自分は、心の穴の奥に手招きする堕天使を見つける。心ない堕天使は、知らない魔法で息子の顔を誰もいない空間に浮かべては、淡く消すのを繰り返す。どうせなら濃い色をべったり付けた筆で、きっちりと消してほしい。未練が残って心が乱れる。
帰ってテレビを付けると、どの局もフジテレビの会見。画面の隅にLIVEと書いてあるのに目を疑う。うっかり発言を引き出すために10時間。全てが狂っている。見るに堪えなくてすぐに消し、息子が座っていた凹みが残っているソファでぼんやりしていた。
コンプライアンスとか人権はこの時代だから重んじるのではない。それを全員が認識しないと、今回も場当たりで過ぎ去るだけだ。年末には誰も覚えていないんだろうな。
そのまま努めて無心になり、身体を全自動のサイボーグに見立てて風呂に入り、ベッドに滑りこんで布団にくるまった。頭の中で例のちょうとっきゅうの歌詞を暗誦していたら、超特急で眠りに落ちた。
「ビュワーンビュワーンはしる あおいひかりのちょうとっきゅう じそくにひゃくごじゅっきろ すべるようだな はしる」
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最近、かつてはよく来ていた堂島界隈に来ることが多くなった