経理担当者のためのシステム移行に伴う不協和音との付き合い方
こんにちは。
Notion公式アンバサダーであり、経理を始めとしたバックオフィス効率化アドバイザーの鈴木かずこです。
このnoteでは、小さな会社で、バックオフィスを担う方々や、事務もこなす社長に役立つ情報を発信しています。
システムを入れ替えるときに、必ず起こる「変化を拒む派」。
変化を決めたにも関わらず、協力をしてくれない問題。
これは、どこの場所でも起こる、「あるある」です。
大規模な組織なら、メンバーはそれなりに腹をくくれるのですが、小さい組織では、変化をしたくない層の割合が多くなりがちです。
こうなると、担当者は組織の中で孤立しやすくなってしまいます。
これは、辛いです。
本記事では、経理担当者が不協和音を上手に解消し、スムーズにシステム移行を進めるためのポイントを紹介します。
具体的には、不協和音の原因や特徴、そしてメンタルを中立に保つ方法などを解説します。
早速、決定事項を覆す反対派
もう、あるあるすぎて、私は「ああ、想定内、想定内……」と心のなかで、つぶやくほどです。
せっかく、システムを変えることが決まったのに、準備を始めたとたん、あれやこれやと、質問を投げかけてくる人。
これは、良くないところを見つけては、そこから覆すのをジッと狙っているためです。
大手を振って、反対意見を言ってもらっているなら、なんとか対応することは可能でしょう。
問題は、一見賛成しているのに、実際は、変革する人の足を引っ張る存在です。
できれば、全員一致で、変化に立ち向かいたいところですが、組織の規模に関係なく、一定数、変化を拒む人は、必ずいるものだと理解するところから、タスクが始まると思っておきましょう。
不協和音の本当の原因
なぜ、変化を嫌うのでしょうか。
これには、いくつかの論点があるので、それぞれチェックしてみましょう。
実は、自分の業務に自信がない
もしかしたら、今のやり方を取り上げられたら、今まで把握できていたことが、わからなくなるという不安がある可能性があります。
きちんと勉強して、業務内容に理屈を理解していれば、やり方が変わっても迷うことはありません。
でも、やり方や手順で、業務を理解している場合、それができなくなることで、自分の仕事に責任を負えなくなるという心情がおこります。
これは、ある意味、仕事に責任を持ちたいという気持ちがあるので、いい傾向であります。
今の地位を手放したくない
また、自分ができなくことで、立場を失うのではという、恐怖も抱えている場合もあります。
こうなると、変革によって、その人の心理的安全が担保されなくなるのです。
これは、ただわがまま言っている人という見方を変えた方がよさそうです。
変化は、相手にだけ押し付けるのではない、という、組織の空気が教えてくれていることを、まずは理解しましょう。
変化を拒む大きな理由は、その先の未来を見えていないから
このように、大まかにこの2つのパターン分かれます。
たまに、政治的に、システム移行担当者個人に、不利益を与えようとする場合もあったりします。
この場合は、これをチャンスとして、政治的やり取りをするのもありでしょう。
とはいえ、一緒に働く仲間です。
無用な衝突は避けたいもの。
ここは、冷静に対処する方向で、まずは自分の心を疲弊させないようにしましょう。
目の前の石ころではなく、根本を見ること
反対勢力のタイプをまず、見極めることができたら、次は、個別対策を練っていきます。
組織全体で、とらえてしまうと、「もう、ここの風土だから」で、諦めてしまいます。
しかし、一人ひとりの個別対策を作って、小さな突破口を見つけておきましょう。
個人のプロファイリングをつくる
人は、人前で言うことと、本音と異なることが大いにあります。
言っていることは、まず、スルーしてどのような行動を取っているのか密かに観察していきます。
残念ながら、一対一で対話をしても、組織の中に入ると立場を変える人がいます。
たんたんと、以下の対比表を作ってみましょう。
発言内容と、行動の対比表
発言内容、公式と非公式の発言の対比表
その人のITレベル
その人の業務内容、得意分野
この表を作ってみると、意外なことがわかってきます。
対比が広がっている人ほど、配慮が必要となります。
そもそも、システム変える必要があるのか
もしかしたら、システムを変える必要があるかどうか、見直すこともしましょう。
なぜ、変えることになったのかを、もう一度リストアップしてみます。
そして、それに対して、今の方法以外で、できることがないか、見直します。
つまり、計画の練り直しです。
反体勢力があるということは、もしかしたら、それらのアラートとして存在している場合もあるからです。
本来の目的と、手法を分ける。ちょっと先の未来を魅せる。
個人と組織での、本当の問題を洗い出したら、次は、攻略を考えていきます。
本当の目的が分かれば、攻略は簡単です。
まずは、全員の共通理解を時間かけてても行う。
手法については、担当者に一任することを決める。
進捗報告は、言葉や図だけではなく、動いている様子を魅せる。
まずは、この3つだけを考えて進めましょう。
協力者は、必ず出てきます。
協力していただく方のリソースを最大限に活用しちゃいましょう。
何事も、変えることは大きなエネルギーが必要です。
でも、初めてなことは、担当者自身だけではなく、その環境にいる人全員が同じ思いなのです。
もし、タスクが周囲の手で頓挫するようなことがあれば、それは、黄色信号として、一旦ストップいたしましょう。
そして、さきほどの、細かな分析をして、再度アプローチする角度を、もう一度考え直すのです。
このnoteを読んでくださる方は、誰よりも明るい未来が見えているはずです。
モチベーションを維持するのと、意地になって進めるのは違います。
やり方を変えつつ、最終目標は譲らずに、お互いがんばりましょう。
個別相談を承っております。