解りやすい! 遺産分割協議の心構え。 投稿者 作成者: かーたか
こんにちは!今回は私が経験し、その時に学んだ遺産分割協議を出来るだけスムーズに終わらせる為の心構えをお話します。誰しもが身内の不幸の後にお金のことでもめるのはとても嫌なことですよね!出来るだけ穏便にすますことが出来れば、後の付き合いも楽になります。それどころか、そこをしくじるとその後の年賀状のやり取りや、お互いの親族の冠婚葬祭などもままならなくなります。なので、協議を始める前に話の進め方や、話すタイミング、話し方など、いかに相手に対していかに不信感を持たせないかを知っておくことが重要になります。
この記事を読んでいただければ、そうしたポイントを抑えることが出来ます。では早速はじめますね。
先ずは生前に万が一の時に本人がどのような処置を望むのかを確認しましょう。延命治療を望むのか、尊厳死を選ぶのか、また輸血や心肺蘇生、人工呼吸器などどの程度の延命措置を望んでいるのかを確認してメモやノートでも構わないので書面に残しておくとよいでしょう。また本人だけでなくほかの親族とも共有しておくと後のトラブルを回避できますし、「あの時はあれでよかったんだろうか?」といつまでも苦しまないで済むようになります。また通帳の保管場所や、スマホやPCなどのパスワード、インターネットバンキングや、株の有無も確認しておくとよいです。そして遺影の希望や連絡してほしい人、葬儀の希望なども聞いておきましょう。
葬儀代などは、多くの現金が必要になりますので生前におろしてもらっておくのも手ですが、後で揉めないように注意が必要です。その為になるべく遺言書を書いてもらいましょう。「遺言書を書いて」と直接言うのは中々言いづらいですが「公正証書を作る」という言い方もあります。そのほうが言いやすいですし、寝たきりの場合や、署名捺印が無理な場合でも可能です。その場合は公証役場の人に来てもらうことも可能ですので、お近くの公証役場で確認してみてください。また遺産分割協議よりも遺言書のほうが優先されますが、相続人全員の同意があれば必ずしも遺言どおりでなくても大丈夫です。ので遺産分割協議を始める前にちゃんと遺言書の有無を確認して、たとえ自分に不利な内容でも隠したり改ざんしたり捨てたりは絶対にしないようにしましょう。もしそれがバレた時には相続権を失う事にもなりかねませんし、遺言書があれば遺産分割協議をやらなくて済みます。
次に法定相続人をちゃんと確認することが大事です!! その為には故人のすべての戸籍抄本をとる必要があります。転籍をしてる場合は複数の役所に請求することになりますが郵送での請求も出来ますので、必ずすべての相続人を確認してください。養子に出されていても権利がありますので後から揉めないようにきちんと連絡しておきましょう。
また同時に相続財産のすべてを把握しないといけませんので、エンディングノートの有無や通帳、生命保険、年金、所有不動産などを調べましょう。通帳は凍結される前に記帳をしておくとよいです。葬儀代など必要分をおろした場合は必ずメモや領収書を残しておき、後で余計な疑いをかけられないようにしましょう。
万が一借金が多い場合は相続の放棄も出来ますが、その場合はプラスの財産も相続できなくなりますので注意しましょう。相続放棄の期限は3か月以内と意外と短いので急いだほうが良いです。そして相続放棄をしたら必ず次の相続順位の人に伝えましょう。そうしないと次の順位の方が借金を背負うことになってしまいます。また相続放棄をするまえに個人の財産を使ったり、借金を払ってしまうとそのまま相続するとみなされ、相続放棄が出来なくなってしまいますので要注意です。ちなみに死亡保険金や遺族年金は相続財産には入りませんので、相続放棄しても受け取ることが出来ます。
相続税には基礎控除額があって「基礎控除額=3000万円+(法定相続人の数X600万円)です。細かい計算は税理士さんにお願いするとして、ざっくり計算で、相続税を払うか払わなくてよいかを確認しておくと遺産分割協議が進みやすいです。
いよいよ協議が始まる時は決して「絶対勝つ」とか「舐められないように」とか気負わないで肩の力を抜き誠意をもって接しましょう。あまり普段会ったことのない親戚と会うので力が入りすぎてしまうかもしれませんが、第一印象が大切ですのでこわばった表情は禁物です。そして満額回答とギリギリ妥協点の両方を必ず準備してなるべく広く受け入れられるような気持ちで臨むようにしましょう。相続人の中には、昔からの行いが悪くほかの親せきから恨みを買ってしまっている人もいるかもしれませんが、その場合でも自分の言いたいことをそのまま言ったりして相手を怒らせハンコを押してもらえない事態にならないようしないといけません。全員のハンコがないと相続が進みませんので、余計な感情を口に出すのは禁物です。後の冠婚葬祭や親戚付き合いもよく考慮したうえで話し合いを勧めましょう。もしうまく話が進まなくても弁護士は最終手段です。縁を切ることにもなりうるので、感情を抑え慎重に対応しましょう。
そしてリーダー(進行役)を決めます。他の相続人ときちんとコミュニケーションが取れる人がよいです。間違ってもお金に困ってる人は選んではダメです‼自分が得をすることしか考えません。同時に協議の時期も決めましょう。亡くなって直後は身の周りの事で精いっぱいですので、四十九日や百箇日、初盆、お彼岸、又は命日、個人の誕生日など節目の日を使うと話をしやすいでしょう。相続税のかかる人は「亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」という申告期限がありますので、早めをお勧めします。たいていの人は「年内に終わらせてスッキリとして新年を迎えたい」という気持ちがあると思いますので判子を押しやすくなります。それもひとつの目安になるでしょう。忘れていけないのが会ったことのない異母兄弟などにも必ず誠心誠意を尽くした連絡をし、後に揉めるようなことが無いようにしなくてはいけません。全員のハンコがないと遺産分割協議が成立しませんので、こちらから出向く趣旨を伝えたり,御協力をいただくという気持ちで、たとえゼロ相続でも些細でもお礼をすることを伝えるとよいでしょう。
協議をする場所は、意外とファミレスなどがお勧めです。他人の目が沢山あるので、好き勝手なことを大声で言うことが出来なくなり理性が働きます。また実家で高価な装飾品などを目の前にして行うと、ひがみや妬みを買う事にもなるので気を付けましょう。当日の服装や装飾品なども派手にならないよう注意が必要です。もし遠方に住んでいたり、会うと喧嘩になってしまうような身内の方でしたら、電話で話を済ませて郵送でのやり取りでも協議書は作れますので、クッションになってくれる人を頼んで話を進めるのもよいでしょう。
また絶対にお酒を飲みながらやってはいけません。お酒を飲むと気が大きくなったり、強気になり、思わず本音が出てしまいまとまるものもまとまらなくなります。相続人ではない家族を同席させるのもNGです。配偶者の相続などには口をはさんではいけません。参戦します!と言ってるようなものです。
そして協議には必ず原案を作っていきましょう。「あくまで案としてですけど」とお断りをして話を進めやすくします。その場合もあっていきなり出すのではなく思い出話をしたりしながら、なごんだ後に切り出すとよいですよ。きちんとした遺言書があればその遺言書に法的効力があるので、遺産分割協議をする必要はありませんが、相続人全員の同意があれば遺産分割協議を行いその決定を優先させることが出来ます。なので、上手くまとまりそうもない時は、遺言書をたたき台として使うのも有効です。遺産分割協議は一回で終わらせるようにしましょう。人は気持ちが変わる生き物なので「後日」は避けたいものです。出来るだけその日にハンコを押してもらうために事前に電話などで大まかな内容を伝えて同意を得ておき、できれば印鑑登録証明書、戸籍抄本などの必要書類と実印を持参するよう伝えてください。が、あくまである程度の話がついている場合ですので、無理して不信感を持たれないようにしましょう。
分割については家や土地、車、株、現金など、お互いの今の生活の中で必要となるものを使う人が相続するのが良いでしょう。平等ではなく公平がおすすめです。ただし不動産の共有はさけてください。後々住みたいだの売りたいだの、貸したいだのもめごとの原因になりやすいです。その場合は換価分割がお勧めです。すべてを売却し費用を差し引いた後に現金で分けます。株や投資信託もそうです。
後忘れがちですがその後の仏事や墓守の事も話し合っておくとよいですよ。後を継ぐ方は何といっても経費負担が気になると思いますが、そのことも話し合って遺産分割協議書に明記しておくとよいです。
協議が無事に終わったら、遺産分割協議書を速やかに作り署名捺印してもらいましょう。いまいち納得していない人は気が変わる可能性が大きいので、その場で署名捺印をしてもらってください。ゼロ分割の方へのハンコ代や他の方への無事終了の感謝もきちんと伝え、速やかに名義変更や手続きを行います。
お金の事は家族がバラバラになりやすくとても危険ですが、みんなが家族を思い、また円満に暮らせるようにおわらせることを考えていきましょう。他の記事で書いていますが、私はかなり失敗をやらかしています。その後兄妹とは連絡をとっていません。これを読んでいただいた皆さんは私のようにならないようになっていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回はこちらの本を参考にさせていただきました。とても詳しく書かれていて、参考になります。もっと詳しく知りたい方は是非どうぞ。