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熊野古道伊勢路を歩くday9#1
気分が乗らないのは自分自身のせいだと考えながらも、ついつい何かのせいにしてしまう。弱い自分の悪い癖だ。
前回、始神峠から馬越峠までの道を振り返りながら、色々と反省もしている。
目的を忘れて使命感に溺れてしまったり、些細なことを楽しむことができなくなってしまったり。
自分で書き始めたnoteを読み返し、もう一度楽しむことを念頭にこの地に戻ってきた。
鬱蒼と生い茂る木々の入り口に、馬越峠の登り口が伸びている。
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馬越峠は熊野古道随一の名所とも言われ、眼にする石畳もこの馬越峠だと聞く。
入り口には地元の小学生が調べた馬越峠の説明が丁寧に書かれている。峠に進みたいと言うはやる気持ちを抑えて、子供達の学習内容に目をやりながら、簡単なストレッチをして体を温めていた。
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馬越峠自体は全長約2kmほど。標高も325mとさほど気にかけるものではない。ちなみに立て看板によると、スタート地点の標高は50mほどらしい。
この馬越峠を越えて、いよいよ尾鷲の街へと乗り込むわけだ。
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尾鷲は、年間の降雨量が多く、尾鷲傘と呼ばれる通常の倍の骨、12本の骨を使った傘があることからも雨の街と伺える。
そのな湿度の高いエリアでかつ最近の雨続きの天気と言うこともあって、自慢の石畳は滑りやすく一歩一歩確実に足元を定めなければ、滑ってしまう。
時折、苔の生えた石もあり、なるべくは苔も踏まないように注意を払った。
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少し行くと夜泣き地蔵尊が出迎えてくれる。
元々は旅人の安全を祈願する石地蔵と言われていたそうだが、子供の夜泣き封じを祈り、今では夜泣き地蔵と呼ばれるようになったそうだ。
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幸いにも我が家には夜泣きをする子供もいないので、旅の安全を祈願し見送ってもらうことにした。
石畳の道を歩くのは気持ちがいい。時折振り返って違う景色も楽しんでみる。
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川のせせらぎや、不自然に鎮座する大きな岩などに「へぇ」と感嘆をあげながら石畳の道を進んでいった。
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少し進むとひらけた場所にでた。地図で確認すると林道と交差する所だ。
ベンチも用意されていて景色もよく休憩するに丁度いい所なのだが、歩き始めてまだ30分足らず。休むにはいささか早すぎる。本当なら先へと進みたかったのが、この休憩スポットに居た先客が、丁度出発しようとしていたので躊躇した。
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この先行者は、熊対策の一環なのだろう。スマホで音楽を流しながらベンチに座って休んでいた。僕のベルの音で僕が近づいたのが判ったのだろうか。爽やかな挨拶を交わしたのちに、リュックを背負い歩き始めていった。
女鬼峠でも熊野古道を歩く人と出会うくとができたが、今回も仲間に会えて少しばかり嬉しかった。