今日のラリアー今日の「ロックスミス」
自己紹介:妻の転勤を機に福祉施設の施設長を退職し、持ち家も処分。13歳の娘と家族3人で2023年夏にオーストラリアに移住の48歳。現在子育てと家事全般を行う完全専業主夫。ワーホリのタグ付けをしているが、ワーホリではなく働く気も全くなし。吉本芸人チャド・マレーンがオーストラリアを「ラリア」と呼ぶことに感銘を受け、そのまま使用する。
チャイムがピンポーンとなりインターフォンで誰や?と確認すると相手は一言、
「Lock Smith!」
ロック・スミスなんて知り合いは居ません、とは言わない。英語で鍵屋のことを〈Lock Smith〉というのだ。
かっこよくない?
ちなみに鍛冶屋は〈Black Smith〉。これもかっこよくない?
流石に鍛冶屋は街中にいないのでなかなか見かけることもないが、鍵屋はたくさんあるので色んなところに〈Lock Smith〉の看板はある。
14歳の部屋のドアノブがおかしくなったので不動産管理会社に電話しら、あろうことか1日で修理屋が来た!うそ!本当に?すでにこっちは向こう3ヶ月くらい待つ覚悟ができていたからこれにはびっくりである。
んで、娘の部屋に案内して、これやねん、よろしく!ってその場を離れてベランダでタバコを吸おうとしてたら「All done」って。ロックスミスが。あ、名前はサイモンっていうんだけど(´∀`)
わ!終わり?もう?早いね!さすがプロ!さすがロックスミス!あんがとさん!って言って玄関で送り出そうとしたら、そのロック”サイモン”スミスが、ポツリと。
「あの〜、さっき見かけたんだけど、別の部屋のドアの鍵穴・・・」
あ、俺の部屋の鍵穴の金具を止めるネジが一個なくなってちょっとブラブラしてたんだけど、特に問題ないから放っておいたやつ。それ?
「Yeah, I don’t like it」
そかそか、職業上、気になるよね、そうよね。・・・まあ、なんて素敵なロックスミス!直していいか?って?もちろん!お願いします!
ということで本仕事、13歳の部屋のドアノブの修理をものの3分で終わらせた優秀なロックスミス、第二の仕事に取り掛かります。第二の仕事つってもネジを一個留めるだけなんだけど。
そうね、彼のロックスミスとしてのプライドよね。「俺が修理に行った家に、鍵の不具合は残さない!」という、職人気質。素晴らしい!ラリアにこんなにも素敵な職人がいたのか( ノД`)シクシク…
で、お願いしたの。
したのだけれど。
大きな作業ケースをひっくり返して探してる。
ん?何?何を探してんの?ネジ?小ネジ?え、そんな大きなカバンにたくさん道具あるじゃん。ないの?ネジが?うそん(´∀`)
ずーっと探してる。娘の部屋のドアノブ交換、3分。一方、小ネジの捜索5分。
色んなケースを開けては閉じ開けては閉じ、あれじゃないこれでもないって色々試してる🤣
小ネジを捜索すること10分。きっと最初に「俺、こーゆーの放っておけないんだよね〜」的にI don’t like it言ってしまった手前、もう後には引けないのでしょう(ノД`)・゜・。
まあ、小ネジの捜索をそばで見ててプレッシャーかけるのもアレなんで🤣、俺はタバコを吸いにその場を離れる。
数分後、本日2回目の「All done」。わ、終わった?ってか小ネジ見つかった?(´∀`) そかそか、どうもありがと〜!はい、お疲れ様です。普段は業者や修理人が帰る時「Thanks man!」とフランクに送り出す俺が、今日はロックスミスの職人魂にふれ、最高の敬意を持って「Thank you very much, sir」と言う。Sirは、ノープロブレム!と親指を立てて帰っていった。
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「パァパ、あたしの部屋のドア、ちゃんと開くようになったよ!よかった〜」
うんうん、腕のいい職人だったようだね!親切だったし!・・・どれどれ、パァパの部屋の鍵穴はどうなったかしら?
・・・は?
なんぞ、これ?
なんで丸皿ネジ使うかな!なんでこの部分に丸皿ネジ?ネジ山の頭、出てんじゃん!サイモンよ、お前はずーっとしっくりくる小ネジを探していたんじゃないの?10分以上探して見つけたネジが、これ?なんで?飛び出てんじゃん!
閉まるか?これ。
バタン。あ、閉まった。あ、開いた。
じゃあ、いいか🤣
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