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なぜ20代でリスクをとるのがいいのか?

こんにちわ。ずぴです。以前ツイートで20代になぜリスクを取れないことがいけないかについてお伝えしましたが、Xだと文字制限があるのでnoteの方で今回はこのことについて詳しく解説していこうと思います。

Xの方でリスクというのは決して悪い意味ではないことはお伝えしましたが、もう一度説明してきます。リスクはあくまで「変化量」のことです。つまり一般的な「リスクが高い」=変化量が大きいという意味となります。つまりプラスにも変動幅が大きいですがマイナスにも変動幅が大きいものとなります。先に言っておきますが、あくまで適切なリスクをとった場合のみです。もちろんプラスの変化量が小さくマイナスの変化量が大きい不適切なリスクの商品や投資は無数にあります。


投資で例えると分かりやすいので例を挙げようと思います。

                                  「ウェルスナビ」より引用

リスクとリターンの関係が分かりやすいと思います。
この図でみるとわかるようにリスクが大きい=リターンが大きいとなります。
リスクが小さければその分リターンも小さくなります。
リスクは小さいのにリターンは大きいものはこの世の中に存在しません。(逆はたくさんあります。)
正への変化量が大きいものは負への変化量も当然大きくなるはずだからです。
これだけ知っているだけでも変な詐欺には引っかからないですよね。
元本保証ということは変動の幅はほぼゼロですから、先進国国債(国が破綻するリスク)より小さい利回りでなければ理論上おかしいはずです。
多くの詐欺の商品はリターンは大きいのにリスクが小さい製品ばかりですね。

節税とか言われるワンルーム不動産もついでにみていきましょう。
不動産投資は性質上ミドルリスク、ミドルリターンの商品です
銀行から融資を受ける点、土地が暴落することは少ないためミドルリスクとされています。当然ミドルリターン(実質利回り3−4%以上)がないと不動産投資の意味がありません。そういえば節税になるワンルーム投資ってリターンありましたっけ?節税になっているということは損をしているのでリターンがないはずです。つまり「ミドルリスク、ノーリターン」の商品なんです。
どういうことはわかってきましたよね?
変化量が同じくらい期待できないと投資をやる意味はありません、というか投資と呼びません。プラスの変化がないものあるいは自分がお金を払ってリスクを払っているものはボランティアです笑。まだ普通のボランティアの方が精神的な満足感は高く、負債を背負う確率は極めて低いのでおすすめです。
常にプラスでもマイナスでも同じくらいの変化量であるかを確認する必要があるのです。この辺りのことを学校で教えてはくれないので医者のようなインテリ層でも騙されてしまうんだと思います。

そして日本の医療はミドルリスク、ミドルリターンの業態です。海外だとハイリスク、ハイリターンなのですが(脳外科医の年収は訴訟が多いが何億ということがある)、日本だと国民皆保険の制約もありミドルリスク、ミドルリターンとなっています。ただ美容外科に行く場合はハイリスク、ハイリターンな生き方です。完全な自由競争市場で保険診療に比べて淘汰されるリスクが大きいですが、成功した場合は何億と稼ぐことができます。ただし何億も稼げる一方で、保険診療より安定感はありません。淘汰されたり、訴訟やトラブル、ネットの炎上など保険診療と比べて大きいマイナスの変化量も必ずついていきます。
とはいえ保険診療もそれなりリスクであることに変わりないので、ハイリターンを狙える業界に若手が行きたがることはある意味正しいのです。それを批判している人はこの考え方が単純に身についていないだけだと思います。

また、リスクを取りたくないから医学部にいったという発言する人がいますが、会社員よりも年収が高い時点で相対的に高いリスクを背負っているのです。日本は医療訴訟が極めて少なかったのでそういった意識の人が多いのかもしれないですが、その辺りはしっかりと認識を改める必要があります。エスカレータ方式に高校、医学部、研修医と過ごしているので自らリスクを取ってきた経験がないのでリスクに対する認識が甘いんだと思います。例えば医学部に進学したということも実はリスクを背負っているのです。具体的にいうとまずは時間を失っています。他の大学よりも社会に出るのが2年、浪人を入れると3、4年遅くなっていると思います。若い貴重な2−4年を学生生活に使ってしまうのはある意味時間的な損失です。(学生時代の楽しい思い出とかはもちろん残るので無駄という意味ではないです。)また当然ですが医学部は医学以外の勉強をほとんどできません。医学部の性質上、医師以外の職業選択ができません。稀に医学部を放校になる人がいると思いますが、他の大学よりも就職や再起に時間がかかっている印象があります。
つまり一般企業への就労などの道を全て捨てて医師の道を選んだのです。
そのようなリスクをとって我々は医師免許をとっているのです。安定した道を選んだと思っている我々は、実はリスクをとっていたのです。無意識だと思いますが、若い頃から他全ての職業選択と若い時間を犠牲にして、かつ仕事でも医療全般の責任者であるから医師の年収は相対的に高いのです。ある意味ハイリスク、ハイリターンな選択なのです。受動的でありますが、リスクを取ってきたのです。

では本題に戻りますが、なぜ20代はリスクをとった方がいいのでしょうか?
賢い人なら今までのことで分かったのではないでしょうか?
それは「時間」を味方につけられるからです。

例えば医師になるまでだと浪人を入れると6年〜8年程度時間を要します。そして一人前の医師になるのに10年〜15年かかります。若いうちから始めないと間に合いません。つまり時間的な制限や制約が働きます。模倣がしにくくなる=参入障壁ができるのです。(医師免許の場合は国家資格なので加えて法律的な制約がありますが)

時間的な優位性というのは、それだけで競争的に有利となり、時間的に長時間かかるものほど模倣ができなくなります。いずれは追いつかれたとしても追いつくまでに何十年とかかるので簡単には競合は現れません。

起業も同じことが言えます。多くの成功している起業家は20代のうちに最初の起業を経験しています。ベンチャーの企業がうまく成功する確率は10%もいかないくらいだと言われています。つまり10回やって1回成功するかどうかです。
1回の起業に2−3年程度かかると仮定すると、成功するまでに20-30年程度かかる可能性があります。若いうちから始めないと間に合いませんよね。
20年近くの失敗とそれに培ったノウハウが成功を支えているので、その成功は簡単には模倣をすることができません。表面上だけ真似ても内部の構造まで模倣することは不可能だからです。
若いうちに始めるのが早いほど人生の早い段階で成功する確率が高くなり、その成功がその後の成功につながるといった一種の複利を生み出していくのです。また失敗の経験も若ければ若いほど成功への蓄積や学びにつながるので有意義な経験となります。

多くの医師や医学生の方は若い頃に大きな決断をしてリスクをとって無事医師になられて、医師になってからもある程度のリスクを抱えて仕事をやっておられる方です。医学部への選択に関して多くの方は受動的にリスクを取っただけ(親に言われて、偏差値が高い、給料が高く安定していると言われている)かもしれませんが、リスクを取れる体質はしっかりとみなさんの中にあるはずです。
これから大事なのは「能動的に」リスクを取っていくことです。

初期研修病院を選ぶこと、診療科を選ぶこと、美容外科や自由診療に行くこと、開業すること、産業医をすることなど医師になって色々な選択肢が出てくると思います。また医師以外の事業を行うなどの選択肢もあるかもしれません。
当然ながらリターンが大きい選択肢(美容外科、自由診療、開業)などは当然リスクもそれだけ高くなります。こういった分野に早く行くべきかどうかなどはよくXでも議論がありますが、今まで話した通り早ければ早いほど失敗した時のリカバリーが効くのでおすすめです。もちろん医師は技術職の面もあるので、修練をしっかりすることも大切です。議論は色々とあると思いますが、資本主義の観点だけでいうと早く始める方が正解です。

そういったリスクを自分の責任で取っていくのが大事です。
みんなが美容外科に行くから、とりあえず内科が安泰とか、先輩が言っているからなど他人がこうしているかどうかを基準にしてはいけません。他責的や他人に基準を置いている限りはうまく行くわけはありません。

自分が全て責任を負うつもりで選択肢を決めてみてください。どんな決断であってもあなたの人生なので他人が否定する権利はありません。自分でリスクを背負うのであって、他の人はリスクを背負ってはくれません。

無用なリスクを背負う必要はないですが、ぜひ若いうちに「能動的に」必要なリスクを取ることを学んでみてください。

今回はここまでとします。

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