日本商工会議所青年部(日本YEG)の広報委員長のときにやったこと
25歳で鯖江に帰ってきて、26歳で起業しました。そのときにたまたま見つけた鯖江商工会議所青年部に入会して、平成29年度に日本商工会議所青年部の広報委員長を仰せつかりました。この記事ではその広報委員長をやったときに何を考えて何をしたのかというのをまとめました。青年経済団体のそういう役職をされる方の参考になればと思います。
日本YEGの広報委員会とは
全国に商工会議所という経済団体があるのですが、それぞれの商工会議所に青年経済人の集まりである青年部という部会が設置されているところが多いです。その青年部には、福井であれば福井県商工会議所青年部連合会や、近畿ブロック商工会議所青年部連合会といった連合会組織があります。その連合会組織の日本全国版が日本YEGという組織です。
そして、日本YEGには委員会というものがあり、総務委員会であったり、研修委員会であったり委員会ごとに役割があるのですが、広報委員会はその名の通り広報に関する役割があります。
広報とは活動内容など情報発信を行い全国のYEGの会員の人たちや一般の方などと関係を築き、そういった方々からも情報を受けるのが広報だと思っています。つまり、広報委員会とは全国にあるYEGの方々や一般の方などと関係を築く役割ですね。
広報委員長として考えたこと
正直、団体行動が苦手な自分が十数人の委員会メンバーを束ねてなんてのはムリです。なのでそこはあまり考えず、広報委員会として絶対にブレないことを1つだけ決めました。
それは、全国のYEGやメンバーとの関係を築くということです。
正直、全国各地にある商工会議所のYEGから日本YEGに出向という形で集まってくる割には、その全国のYEGの人たちとの関係性があまりなく、日本YEGなんてすごい人たちの集まりなんだろうとか、自分たちとは違う人たちだと誤解されています。
現に僕の会社はパートさんが1人だけの小さな売り上げ規模もめちゃくちゃ小さい会社です。そういう人でもいろんなことが重なって委員長を受けることもあるのです。
じゃあどうやって関係を築くのか?
全国のYEGやメンバーとの関係を築くということで、まず使えるツールは何なのか?ということを考えてみました。使えるツールとしてあるのは
日本YEGのウェブサイト
日本商工会議所が発行している月刊誌「石垣」
の2つです。この2つはめちゃくちゃ力強いツールです。
この2つのツールを使って関係を築くわけです。ちなみに「石垣」というのは全国の商工会議所には会頭さんや議員さんという、それぞれの地域の経済界のリーダー的存在の方々がおられます。その会頭さんや議員さんたちが購読されている月刊誌です。簡単にいうと、全国の経済界のそれなりの人たちが目を通す月刊誌です。
これら2つを使って会としてのYEGとYEGの一人ひとりのメンバーとの関係を築く方法を考えます。
ウェブサイトでやったこと
日本YEGのウェブサイトは、日本YEGがどんなことをやっているかとか、こういう事業がありますよといったお知らせに使ったりしていました。
そこで、どうやって関係性を築くかを考えたのがこの日本YEGのウェブサイトで、全国で活動しているYEGの新聞やテレビなど取り上げられたものを徹底的に掲載していくという方法です。
なんとなく日本YEGというところは遠い存在と思われているなら、日本YEGから近づいていこうという作戦です。
この作戦にはウェブやニュースで紹介されたよって情報を集めなければなりません。日本YEGのウェブサイトに掲載したい情報などがあったら教えてくださいというのはもちろんですが、それだけでは残念ながら多くの情報が漏れてしまいます。そこで使ったのがGoogle Alertsです。
Google Alertsというのはキーワードを登録しておくと、そのキーワードにあったウェブサイトが発見されると通知が来るというものです。そこでキーワードにYEGや商工会議所青年部といったキーワードを登録しておくことで、ニュース記事がウェブにアップされると通知がくるようにしました。
これだけでもかなり多くの全国で活動するYEGのみなさんの情報を集めることができました。
日商月刊誌「石垣」でやったこと
日商月刊誌「石垣」は先にも書きましたが、地域のそれなりにえらい人たちが見てくれる月刊誌です。この石垣に日本YEGは2ページ記事を書くことができます。日本YEGがいろいろと事業を行っていたり、ブロック大会であったりそういった活動を記事にしています。
その1ページの1/4ほどのサイズですが、たなぶらというコーナーを1年間を通してぼくが記事を書くスペースを獲得しました。たなぶらという聞いたことのあるようなネーミングですが、ぼくが広報委員長として全国のYEGメンバーを訪ねて行ってインタビューをするというコーナーです。
どうしても大きなビジネスをしているメンバーなどを取り上げがちなのですが、ここではちょっと変わった人と言ったら怒られるかもですが、おもしろい活動をしていたりする全国のYEGメンバーを紹介しました。
例えばみちのくプロレスの気仙沼二郎さん。地方プロレス団体の選手でありながらYEGメンバーということでインタビューさせていただきました。
なぜ大きなビジネスなどを軸にしなかったかというと、例え小さなビジネスであっても大小関係なくビジネスのヒントになったりする人っているんです。そして日商の月刊誌に掲載されることで、地方での認知であったり自分たちの地域のYEGメンバーが紹介されているということで、地方の人たちの活躍も日本YEGは見てるんだってのを知って欲しかったのです。
この2つのことを徹底的にやった結果
実はこの2つのうち1つは令和4年の今も続いています。全国のYEGがどんな活動をしているかウェブに掲載しているってやつです。単年度制なので委員長が1年で変わります。なので石垣は1年で終わります。ただ、ウェブサイトは年度ごとにリニューアルされ公開されるのですが、全国のYEGの活動を日本YEGのウェブサイトで紹介するというものはずっと続いているのです。
これ、大きな事業ではなく、本当に小さい小さいことですが実はインパクトとしては大きなものです。毎日、毎日の積み重ねの事業なのです。しかし、あるYEGの会長さんからこんなことを言われました。
「まさか日本YEGのサイトに自分たちの事業が紹介されるとは思ってもみませんでした。メンバーみんなよろこんでます!」
これはGoogle Alertsで知った記事を日本YEGのウェブに掲載していたものが実を結んで、結構いろんな人から同じようなことを言われました。とにかく徹底的に全国のYEGの活動を日本YEGのウェブサイトで紹介するという作戦は、次第に自分たちから情報提供をしてくれるようになりました。これがぼくのゴールです。
どこからこのアイディアを思いついたのか?
全国のYEGの活動やメンバーを紹介するというアイディアは、本の名前は忘れましたが地方の新聞社が地域の購読率100%越えをしているというアイディアをそのまま持ってきました。
その新聞社がやっていることというのは、とにかく住民の名前を新聞紙面に掲載するということでした。たったこれだけのことで購読率が100%を超えているというのです。
新聞に自分の名前や知り合いが載っていると確かに記事を見たいから新聞も買うし、なんなら保管用にと2部買ったりもします。これって日本YEGを全国のYEGやメンバーが近づく方法なんじゃないかと確信したからです。
そして情報をかき集めるためにGoogle Alertsを使ったりしてとにかく最初はアップするというところから始めて、次第に日本YEGが近い存在になり、自分たちで情報提供してくれるまでになりました。とても簡単なことなのですが、1年間かけてやったことは間違いではありませんでした。
副産物もありました
このとにかく紹介するという方法には副産物がありました。というのも、FacebookやTwitterなどSNSが広まっていて、このFacebookやTwitterで日本YEGのウェブサイトをシェアしてくれたのです。これは内向きにやっていたことが、一般の人たちの目に触れる機会がつくられるのです。内向きにやっていることが外向きにも作用するという好循環が生まれました。
そしてSNSを使ってあることを目論みました。
YEG大賞の審査をSNSを使って行う
ぼくの会社では投げ銭アプリのSHOWROOMなどの配信者さんをマネジメントする仕事をしているのですが、イベントというのがあって多くの視聴者さんから無料で得られるポイントであったり、お金で買えるポイントをとにかく自分のために投げてもらい、そのポイントで順位を決めるというものがあります。
そして、日本YEGではYEG大賞といって、1年間に良い事業を表彰しようというものがあります。本来であれば順位を決めるものではありませんが、それでも受賞されたYEGが喜んでくれたり、次はYEG大賞をとるためにいい事業を考えようとしてくれるので、順位を決めることが悪いことではないと思っています。
この投げ銭アプリの順位付けとYEG大賞を組合わせるとおもしろいなと思ったわけです。で、投げ銭アプリを使うわけにはいきませんが、投げ銭アプリでイベントの上位の人たちがやっていたのがSNSでの拡散でした。
ファンの人たちが一所懸命にSNSでシェアをして応援するのです。その応援が多いとポイントにつながります。そこの部分を使いました。
が、しかし役員会での承認が…
日本YEGという組織では、役員会の議決で承認が得られないと事業を実行することができません。この役員会で議案を提出するわけですが、SNSを使った投票制度だと会員数の違いでポイントに大きな差が出るのではないか?ということを指摘されました。
もちろん、その可能性はあります。が、これは僕の経験則なのですが、人数が多いからと言って、そのYEGのメンバーみんながSNSを使ってポイントを稼ごうとはしないのです。どちらかといえば人数の少ないYEGの方がそういったところは強いのかなとも思います。
また、SNSを使うということにも反対をされる方もおられたかなと思うのですが、こんなに全国のYEGがいい事業をしているのにそれを知ってもらうチャンスです。その役員会に参加している人たちがいろんな人にこんないい事業をやってるよと言っても1万人の人には伝わらないでしょう。
でも、SNSを使うことでその範囲は大きく広がります。もちろん、大小の均衡をとるためにSNSだけではなく、役員会に参加している議決権のあるみなさんにも投票してもらい、1ポイントの重みづけをSNSと役員会の参加者と変えることでご理解いただきました。
こうやってYEG大賞の審査をして全国のYEGメンバーの活動を一般の人たちにも知ってもらうということが実現しました。
最後に
こうやって地味なことですがいまだに続くこともつくることもできたし、ぼくのようなちょっと問題児のような人でも委員長としてついてきてくれた委員会メンバーにも出会えたし、何よりぼくを広報委員長として指名してくれた平成29年度の日本YEG会長である岡山の吉田大助さん、そして僕をと紹介してくれた、平成29年度日本YEG専務の古閑謙士さんには感謝しかありません。
そして役員会で毎回質問してくれた岡山の〇〇さん笑 質問で役員会が荒れますが、炎上商法ではありませんがこういうのは、荒れるとなんとなくみんなの記憶のフックが大きくなります。これはこれでエネルギー使いましたがとても良いエネルギーの使い方だったと思っています。ありがとうございました!
アイディアは生み出さなくてもよくて、よそから持ってくるだけでいいので、みなさんもぜひ、これはこっちでやってみたらどうなるかとか試してみてください。