見出し画像

味噌×漬物が織りなす発酵劇場! 郡上白鳥のソウルフード「味噌煮」を食べみた

郡上の名物といえば、みなさん頭に何が浮かぶでしょうか。けいちゃん、ほうばめし、郡上味噌、明宝ハム、奥美濃カレー、芋のコロコロしたやつ、鮎の塩焼き......。まあ、僕も色々と食べてきました。

もう大体、有名どころは制覇したんじゃないの?と、思いあがっていた自分を呪いたいです。私が接していた郡上フードは、ある意味では観光客向けの外面。物産店やレストランでヒーヒー我々が喜んでいる間に、地元民たちはさらにディープでウマいものを食べていたのです......。きっかけは、この間更新したこちらの記事。

取材の中でなぜか食べ物の話になり「白鳥の人はいづやの味噌が大好き」「そこで売っている味噌で味噌煮を作って食べている」というのです。白鳥に何度も通っている私ですが、恥ずかしながら「いづや」という味噌屋さんは知りませんでした。で、その「味噌煮」なるものが何かというと、「味噌の中に漬物とかなんでもぶっ込んで食べる」という、表現からしてかなり荒々しいイメージの料理。味噌の中に漬物!? もう気になって気になって仕方がない。というわけで、材料や作り方を教わって、東京にいながら食べてみることにしました。

材料はめちゃくちゃシンプル。ネット上にもあまり情報がないのでざっくりとした部分はありますが、基本となるのは郡上の地味噌(いづやの味噌がやはり超おすすめとのこと)と、白菜などの漬物。水をはった鍋に火をかけて、沸騰したら味噌と出汁を投入、そこに漬物を入れて煮れば完成です。それ以外の具材は家庭によって違うらしく、私は教えてもらったナスとコンニャクを入れてみました。

水:適量
郡上味噌:大さじ2くらい
粉末出汁:適量
長ナス:2本
コンニャク:1枚
白菜漬物:適量

これがいづやの味噌。パッケージに何も書かれてない、超地元志向のお味噌に興奮が止まりません。ちなみに、郡上白鳥では大正の終わり頃まで味噌はすべて自家製だったようです。ホームメイド味噌!

さあ、材料を投入してぐつぐつ煮ます。「ちょっと濃いめの味噌汁」というヒント?をいただいていたので、水分量は少なめに、味噌濃いめのバランスを意識します。しかし、塩辛い漬物をさらに塩辛い味噌で煮るという行為は、都会っ子にはなんともスリリング......。大丈夫なのか!?

いい感じで煮えたところで、白米と一緒にいただきまーす! 

はい、ウマイ! はい、大正解!

味噌の味をしっかりとまとった具材が白米にバウンドするだけで福音がどこからともなく鳴り、迷わず口の中にゴールイン。思ったよりも塩気はしつこくなく、ほどよい味噌の辛さでご飯がどんどん進むくんです。ともかく、大前提として味噌がめちゃくちゃウマイ! 白菜の漬物も味噌スープで煮ることで塩気がまろみを帯び、白ご飯と化学反抗を起こすことで、甘みと旨味が口の中に押し寄せてきます。コンニャクも味がシミウマでたまらない! 味が濃いので、酒飲みの人はこれでチビリチビリやるのもいいのではないでしょうか。個人的には白菜もナスもくたっとした食感になるまでゆでることオススメですね。

発酵食品(味噌)×発酵食品(漬物)という、発酵パワーが満ち満ちているお料理ですが、この塩分が農作業などの肉体労で疲れ切ったカラダに滲みたんだろうなーと想像されます。

知られざる郡上白鳥の郷土料理。地元の人たちがこっそりと食べているウマ飯は他にもあるのか。今後とも、新たな情報が入り次第、記事化したいと思います!

いいなと思ったら応援しよう!