【詩のようなもの】音

晴天のもと
草原に立つ

目を閉じて
息を浅くし
耳を澄ます
耳を澄ます

軽い静寂の中でも
草の揺れる音が聞こえる
もっと
風の流れる音が聞こえる
もっと もっと
自分の呼吸音が聞こえる
もっと もっと
自分の心臓音が聞こえる
もっと もっと もっと
聞こえる
大地から足を伝わり
脳内に微かに
マグマの流れが
生きとし生けるものの
創世の音が聞こえた

閉じていた目を開けて
そっと素足に触れる草を撫でた

何かが始まるそんな気がする
アダムはイヴのもとへ走った

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?