同棲日記 2
部屋に帰ると
テーブルには小さなメモ書きと
料理があるだけ
椅子には真新しいギターケース
君はソファーに
子猫のように丸まりながら
寝ていた
酒臭い息を吐き
ネクタイを緩めながら
メモを手に取る
「チンして食べてネ❤️」
それよりギターケースを開けると
「趣味でも良いから続けて下さい。また聴きたいだけの、私のわがままだと思って許してね」
二人で逃げるようにして暮らし始めた時
俺はギターを売った
そして夢も
仕事を探した
あいつがいれば何もいらないと
二人で生きるためならと
ギターを抱えながら
冷えたままの料理を食べた
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