アメリカズカップ プラダチャレンジについて
アメリカズカップの話を少し。
プラダのアメリカズカップ挑戦は、2000年大会以来、5度目、21年に及ぶ歴史。
99年の挑戦艇選抜シリーズルイ・ヴィトン カップの時、プラダのベースキャンプはニッポンチャレンジの2つ奥(一つ奥はニューヨークヨットクラブのヤングアメリカ)で、もう何しろカッコよかった。ニッポンチャレンジは多数のスポンサーに支援いただいていたので、レース艇にもベースキャンプにもプレスツールにも、おびただしい数のスポンサーロゴを掲出していたが、プラダはワンスポンサーなので、ベースキャンプもレース艇もクルーのユニフォームもすべてプラダのグレー(またはシルバー)ベースにレッドで統一されていて、メチャクチャお洒落。一度だけベースキャンプのパーティに招いてもらって遊びに行って、シビれた。紙ナプキンまでロゴ入りで、ついもらって帰った。
見た目もともかく、1番シビれたのは、ネーミング。当時のディフェンダー、チームニュージーランドのレース艇名はBlackmagick。黒魔術である。対するチャレンジャー、プラダの艇名は、Lunarossa。英訳すればRed moon、日本語なら赤い月だ。なぜ?と思ったら、
月の赤い夜には黒魔術は効かない
という言い伝えがあるのだ、と。
シビれたなあ。
以来、ニッポンチャレンジ撤退以降はずっとプラダを応援してきた。
(私のSNSアカウント名にはLunarossaを拝借している)
今回は挑戦艇選抜シリーズからヴィトンが撤退(Sail GPに転向)して、予選から本戦通じてプラダがアメリカズカップのスポンサーにつくなど、今回こそはという並々ならぬ気合いを感じていたし、予選好調、本戦でも三日目まではまさにがっぷり四つでどっちが勝ってもおかしくないと思っていたが、終わって見ればニュージーランドの強さが印象に残る結果となった。
アメリカズカップは、オリンピック、サッカーワールドカップと並んで世界三大大会と呼ばれているが、オリンピックとワールドカップにあって、アメリカズカップにはないものがある。
それは、招致活動。
理由は、「アメリカズカップは、勝った国で次回開催する」から。
ある意味メチャクチャなルールだが、これほど潔く合理的で原理的な大会が他にあるだろうか。
従って、次回大会は引き続きニュージーランドで開催される。
どの国が 挑戦の名乗りを上げるのか注目が集まるが、プラダには是非挑戦を継続してもらいたいと願うのだ。