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「ガンをサプリメントで治す」薬事法ドットコムと鶴見クリニック

2ヶ月ほど前、鶴見クリニックがガン患者の方々へサプリメントを販売していることが話題になった。

薬機法業界内の人であればおそらく誰でも知っていることだと思うが、鶴見クリニックと「薬事法ドットコム」の関係について書いておこうと思う。

この記事の論旨

この記事で言いたいことは以下の通りだ。

1.鶴見クリニック株式会社薬事法ドットコム は、知恵を出し合い、合法的にガン患者へサプリメントを販売して儲ける手法を確立したのではないか(推測)

2.頻繁に問題になる「ガン民間医療」の多くに、株式会社薬事法ドットコムが関わっているのではないか(推測)

鶴見クリニックについてのおさらい

少し前、今年9月に「鶴見クリニック」が話題になった。ガンはサプリメントや食事療法で治る、と言い、高額なサプリメントをガン患者へ販売していたクリニックだ。

上松正和医師が、このクリニックに潜入した動画を出したことを発端に、多くの人が知ることとなった。

保険が適用される標準医療の考え方では、基本的にはサプリメントでガンは治らない。上松医師も、たぶんその考えなのだろう。筆者も、素人ではあるがその立場だ。

上松医師は、この鶴見クリニックを強く批判した。筆者は、上松医師のそのスタンスを、社会的に正しいと考えている。

株式会社薬事法ドットコムとは

薬事法ドットコムは、クリニック経営コンサルティングや薬機法コンサルティングにおいて、民間最大の権威を持つ会社だ。社主は「林田学」氏である。

薬事法ドットコムは、多数の大手クライアントを抱えており、下記ページで公開されている。

短期間で大幅に売上を伸ばした企業では、RIZAP、北の達人コーポレーション、やずやなどが代表的だ。大手でも、味の素、エスビー食品、電通、ヤフー、小林製薬などが挙げられる。

鶴見クリニックのビジネスモデル

ここから本題である。

私が見る限り、鶴見クリニックのビジネスモデルはシンプルだ。

「ガン患者に自由診療でサプリメントを販売する」

というものだ。

鶴見クリニックの診断料など

鶴見クリニックは自由診療専門の病院のようだ。保険適用の標準治療は行っていないらしい。保険が適用されないので、診察料金は高い。下記にリンクを貼っておく。

初診料は2時間で3万円、再診料は60分で2万円だ。これは診察のみの金額だ。サプリメントを買う際には、サプリメントの値段が別途かかるようだ。

鶴見クリニックと薬事法ドットコムの接点

1.共著の書籍

鶴見クリニックの理事長である鶴見隆史医師と、薬事法ドットコムの社主である林田学氏は、共著で書籍を出している。

この書籍は、簡単に言えば「サプリメントでガンを治す」ことを紹介している本だ。書籍冒頭の「はじめに」を林田社主が書き、書籍本文は鶴見医師が書いている。

「はじめに」の中で、林田社主はガンについてCAM(補完代替医療)の可能性について言及している。食事やライフスタイルの改善、断食、サプリメントの活用によって「がん治療に実績があがってきた」という趣旨のことが書かれている。

2.鶴見医師・林田社主のクリニック経営セミナー

薬事法ドットコムは、2015年4月6日、鶴見医師を招いてサプリメントを絡めたクリニック経営のセミナーを開いたようだ。

上記ページ内には「サプリ販売のみで年間1億円の売上を達成」との記述がある。その他にも、「病院でサプリメントを販売して売上アップしよう」という趣旨の記述がある。

前述の通り、鶴見クリニックはガン患者の人たちにサプリメントを販売するビジネスモデルを実行していたようだ。この薬事法ドットコムのセミナーの内容と、鶴見クリニックのビジネスは一致しているように思える。

この接点から、筆者は、冒頭の「趣旨」で書いたことを推測している。

1.鶴見クリニック株式会社薬事法ドットコム は、知恵を出し合い、合法的にガン患者へサプリメントを販売して儲ける手法を確立したのではないか(推測)

2.頻繁に問題になる「ガン民間医療」の多くに、株式会社薬事法ドットコムが関わっているのではないか(推測)

論旨は以上。

以下、論旨とは関係ない補足を書いておく。

【補足1】林田社主と厚生労働省

林田社主は、厚生労働省との接点を持っていることをアピールしている。林田社主自身が政府委員を務めたこと、厚生労働省と直接メールでやり取りができることなどに繰り返し言及されている。

【補足2】薬事法ドットコムの存在感について

冒頭部で記述した通り、薬事法ドットコムは、薬機法関連コンサルティングでは民間最大の権威である。大手クライアントも多数抱えている。

化粧品販売企業や健康食品販売企業が適法に広告などの業務を進めるために、薬事法ドットコムは非常に重要な役割を果たしている。

この文章の論旨としては「ガン患者にサプリメントを販売する」という点において薬事法ドットコムに批判的な立場だ。一方、その他の一般的な化粧品や健康食品のビジネスが適法に行われていくためには、薬事法ドットコムの知見は必要不可欠だ。「おそらく真っ黒な会社ではない」ということは強く申し上げておく。

【補足3】筆者と林田社主(薬事法ドットコム)の関係について

この文の筆者、土橋一夫は、薬機法の民間資格である「薬事法管理者」を持っている。

「薬事法管理者」は、薬事法有識者会議株式会社が運営している資格だ。薬事法有識者会議株式会社は、本文中に出ている薬事法ドットコムのグループ会社である。その意味では、筆者は薬事法ドットコムと無関係ではなく、一定の利害関係がある。

また、筆者は林田社主と一度、商談でお会いしたことがある。結局、契約には至らなかったが、会ったことはある。

なお、筆者は上松医師とは全く接点を持っていない。また、筆者は行政関係者でもない。単なる民間人だ。なおかつ医療の知識もない。

一応、申し添えておく。

以上

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