社内改革プロジェクト
社長からの手紙
2014年2月28日 社長から手紙がきた。
そこに書かれていたのは、設立3年目を迎えるベンチャー企業を更に成長させるための、社内改革プロジェクトへの参加依頼。
会社の幹部のみが参加するプロジェクト。
つまり、トップチームへの参加依頼だった。
ベンチャー企業に入りたてで、やる気満々。
もちろん、引き受けることとする。
これぞベンチャーだ!
幹部経験がなくても、会社を大きくしたい意思があれば、こういった社内プロジェクトにも参加できる、とわくわくした。
このプロジェクトは、1年継続されると聞き、この1年で成果を上げたい気持ちと、自分自身の成長できるチャレンジに心が躍った。
1年がんばる。
会議
初回の会議では、社内の課題を議論する場となった。
会議の参加者は、社長、役員、私を含めて、5名。
当時の私の肩書は、名ばかり部長補佐。
どう考えても、一番下っ端。
まだ、入社して約一年。
社内制度がなかったり、現場の声が届いていなかったりと、私自身が感じている課題も多くあった。
会議が開始され、様々な意見が飛び交った。
しばらくして、ふと、違和感を感じる。
あ、あれ、発言できない。
自分の意見があるのだが、議論している内容、スピード、用語、全てについていけない。
ま、まずい。
発言しなくては。
そんな焦りを感じつつ、社長から意見を求められる。
「はい、現場で働いている人との交流を増やしたほうが良いと思います。」
無難な発言。
誰でも思っている、誰でも言えること。
どうして、こんな意見しか言えないのだろうか。
あっという間に会議が終わった。
疲れた。
疲れた以上に、何もできなかった感が半端ではない。
なんなんだこれは。
凹んで終わる。
議論
正直、会議が終わってほっとした。
2時間くらいの会議だっただろうか。
ほとんど発言することもなく終わった。
次回、会議に向けての宿題もあったが、現時点で進められる気がしない。
何から手を付けて良いだろうか。
なんだか取り繕っている自分がいる。
通常を装って、会議室から出ていく。
そしてオフィスから出て、電車に。
改めて凹む。
おいおい、これ1年続くのか。。。
とても継続できる自信がなくなる。
自分の意見を人に伝える
帰りの電車で気づいたことがある。
今までの会議を振り返った。
自分の意見がどれくらいあっただろうか。
ん、いや、ほとんどない。
どちらかと言うと、周りの意見を聞いて、着地させていた。
プロジェクトのマネージメント、トラブル対応、いくつもの会議を経験していた。
しかし、それは、自分の意見を伝えていなかった。
周りの意見を聞いて、妥協点を見つけていた。
エンジニア出身の40歳間近、そんなことに今更気づく。
そして、それまで、自分の意見を拾い上げてくれていた、周りに感謝。
感謝と言っても、近くにいないので、心の中で感謝するだけ。
恵まれていた環境。
そんなことを振り返っている暇はない。
環境が変わっているので、ここで戦うしかない。
結果が出せなかった1年
会議では、自分の意見を人に伝えることが重要だ。
相手の立場や、状況を見て、どう伝えるか、準備する。
会議の着地を考え、ファシリテーションする。
と、今ではいろいろ考えられるが、当時は全く知識、経験が足りない。
初回の会議から1年。
自分自身、何一つ成果が出せなかった。
一つ一つ積み重ねるしかない。
改めて、社長からの手紙を読み返した。
そこに書いてあったのは。、
創造するのは、すべて、「人の力」
「人の力」か、
まだ力がないが、力をつけるしかない。