“パンパンガール”を語る「金ちゃんの紙芝居」7~【オンリーさんと米兵・洗濯事情】
オンリーさんの部屋には、必ず、米兵のランドリーバッグが…
金ちゃん) これはオンリーさんのところへ、兵隊たちが洗濯物を持っていくところです。
━━ あぁ~。
実際に洗濯をするのは?
金ちゃん) ところがね、オンリーさんが洗濯するわけでもなんでもないんですよ。
━━ というと?
金ちゃん) オンリーさんが、街のクリーニング屋さんに、これを出す。
━━ ああ、なるほど。
金ちゃん) クリーニング屋さんに出さないものは、近所のおかみさんに頼んで、洗濯をしてもらうんです。一点いくら、でね。
ポケットの中のものは、洗濯を頼まれた家(ウチ)がもらえる
金ちゃん) これが面白いんだけども、洗濯物のポケットの中に入ってるものは、渡された家(ウチ)がもらえるっていう、暗黙の了解があったらしいんですよ。
━━ へぇ~、なるほど。
金ちゃん) それを目当ての人もいたりしてね…
━━ ああ、いるでしょうね。
金ちゃん) 結構、いろんなものが入っていたらしいです。
小銭とかハンカチとか。
━━ へぇ~
金ちゃん) アメリカ兵の持っているハンカチの大きさってのはね、
50cmじゃきかない、60㎝四方くらい。とにかく大きいんです。
それを洗濯すると、一枚300円で売れたんですって。
━━ えっ、ハンカチがですか!?
金ちゃん) ハンカチが。
━━ へぇ~。
ハンカチは洗濯が大変!
金ちゃん) ただね、アメリカ兵は鼻紙を使わない。ハンカチで鼻をかむんです。
━━ あっ、そうなんですか!
金ちゃん) だから、ハンカチは洗濯するの大変だったらしいんですよ。
━━ なるほどねぇ。
アイロンをかけねばならない
金ちゃん) アメリカ兵が持ってくる洗濯物は必ず、アイロンをかけて返さなきゃいけなかったんです。
ところが、アイロンなんてない家(うち)が多かったです。
━━ ああ、当時だったら、そうでしょうね。
金ちゃん) それで結局、「ウチにはできません」って言うんで、洗濯屋に回っちゃう、ってことはあったようです。
━━ なるほどね。
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