ポートレート写真展「千載一遇展」の振り返り
2024年10月2日~6日にかけて開催されたポートレートの写真展「千載一遇展」に参加させていただきました。
展示の概要
「千載一遇」というテーマを受けて、参加者がそれを表現するグループ展
会場は「ギャラリーZ上野」
参加者は
NDさん
カジモト猫之介さん
キャン・ナカムラさん
キョジンさん
シマ・シマ子さん
たっきーさん
HANAさん
谷津郁騎さん
憂雨さん
私
この四文字熟語をテーマとした展示は今年で2回目(前回は一喜一憂展)
私は前回は参加していませんでしたが、こ゚縁があって参加させていただくことになりました。
展示に至るまで
構想
特定のテーマから作品を発想するという展示に参加するのは初めて、なおかつ「千載一遇」という中々重めのワード
そこで、具体的なストーリーを考えそれを表現するという慣れた手法を取ることにしました。
それを成立させるためにはモデルさんにも演技の要素が求められます。
ということで、俳優でもある「花盛まこと」さんに展示モデルをお願いすることに。
今回私が考えたのは短編小説のようなストーリーで、その内容や登場人物のキャラクターをしっかりと共有するため、撮影の前にミーティングを行い、情報の共有、花盛さんからのフィードバックもいただき、適宜修正をして、その後に撮影へと移りました。
また、折角俳優さんに出てもらうので、観る方の作品への理解を深め、花盛さんの魅力を更に伝えるためにも、写真だけでなく動画も作成し展示することにしました。(事前確認の上、運営さんの許可をいただきました)
撮影までの準備
今回は2回の撮影を行い、それを組み合わせ一つの展示として構成しました。また、写真、動画の両方を撮るのにワンオペでは相当厳しいことが予想されたので、いずれの日程でも友人にアシスタントをお願いしました。
初回の撮影(4月)
この日は屋外のシーンのみ撮る日、まだまだ爽やかな天候かと想定していたら、想定外の夏日
動画の撮影中に熱で録画が数分で停止するハプニングもありましたが、何とか必要なシーンを撮り終えられました。
2回目の撮影(7月)
スケジュールの都合で初回からかなり間が空き、季節はすっかり夏
この日は屋内のシーンのみ、というより屋外での長時間の撮影は無理な気温です。
この日の撮影はどちらかというと動画がメイン、日常のシーンの一環でコーヒーを抽出してもらうカットも撮影しましたが、カット割りなどの面で不慣れさが出て、準備も含め思ったより時間がかかりました。
ワンオペじゃなくて良かったと心底安心しました…
作品解説
タイトル:また あした
わたし(花盛さん):カメラを趣味として始めたばかり
設定:
パーソナリティ:基本的に地味、自己肯定感が低い、自称コミュ障
人当たりが悪いというわけではないが、気を使いすぎてしまうあまり積極的に人と関わる事が苦手
初対面の人に自分から連絡先を聞くなどということは絶対に無理
何となく周りに合わせるという器用なこともできない
休みの日は家でのんびり過ごすのが気楽でいい
読書したり、映画を観たり、コーヒーを淹れるのが好き
(浅煎りの豆が好き、ハンドドリップで丁寧に抽出している)
あなた:写真家志望
設定:
写真家を目指し、商業写真家に数年アシスタントとしてついたが、人間関係や体調面の事情で職を辞した
(芸術家肌、作品志向のため、自分の求める分野ではない商業写真家のアシスタントとしては向いていなかった、肉体面というより、精神面での疲労から辞めた、パワハラ?セクハラ?)
現在はアルバイトをしつつ、細々と写真展への応募を続けている
・襟付のシャツが好き
・コーヒー派
・スパイスカレー好き(食べるときは必ず紙ナプキンをつけてシャツにルーが飛ばないように気を付けている)
・甘いものより、しょっぱめのものが好き(せんべいのような)
・アルコールは嗜む程度、さほど興味はない
・ミニマリスト(フィルムなどカメラ関係のもの以外は極力持たない)
・芸術家肌
・潔癖症
・他人と必要以上にコミュニケーションは持たない
・SNSベタ、炎上するタイプ
以下展示していたブックの流れを再現しております。
Part A:出会い
「わたし」が近所にカメラを持って写真を撮りに行った時、偶然「あなた」に出会った
人見知りの私にしては珍しく自分から話しかけていた
気をつかわず誰かと話すのって久しぶりだった
Part B:孤独
光の届かない水底のよう
作品に向き合うほどより深く沈み込んでいく
いつからだろう、シャッターを押す指がこんなに重く感じるようになったのは
声をかけられた時は正直面倒に感じた
でも彼女の言葉に冷めたものはなかったし、不思議と会話は続いた
彼女は今写真を楽しめているんだろうな
どう撮ればいいんだろう
何を撮ればいいんだろう
どうもがけばいいのか、それすら分からない
Part C:勇気
穏やかに微笑む彼女を見ると
心が軋み、無意識に抑えつけていたものが漏れ出していくのを感じた
「もう写真を撮りたくない」というあの人の言葉
その瞬間、私の心臓は張り裂けそうなほど強く脈打った
失ったものはもう二度と戻ってこないぞ
私の心が、臆病な私の背中を押してくれているのかもしれない
私はとっさに手を伸ばしていた
「あなたの写真、本当に綺麗で、見ると心が澄んでいくように感じます。
誰かの写真じゃなく、あなたの写真が私は好きです。」
そうか、私は探していたんだ
大切にしているものを共有することができる誰かを
私に、そして私の写真にまっすぐに向き合ってくれた人
ごめんなさい、本当にありがとう
そして 初めまして
Part D:Friendship
「今日もいい天気だよ
コーヒー飲み終わったら撮りに行こうかと思ってるんだけど…」
搬入、在廊
今回の展示構成は以下のように、油彩画を描くキャンパスの上に写真を設置しました。
ギャラリーのレギュレーション上あまり太い釘が刺せないので、細い釘でも耐えられるよう全体の重さを減らす方向で考え、結果軽いキャンバスを採用しました。
また、思い出のスクラップブックのような印象も与えられ、ストーリーの方向性とも合致したかなと感じています。
私は今回、平日(仕事終わり)、週末で在廊しましたが、展示の前で足を止めてくださる方を見たり、感想をいただく展示の醍醐味を今回も楽しませていただきました。
お礼
ありがたいことに、今回も多くの方に展示を見ていただき、たくさんの感想をいただくことができました。
千載一遇というテーマに挑戦することは自分にとっても大きな糧となりましたが、ご一緒した皆さんの素晴らしい作品のある空間で展示させていただくこと、それ自体がとても刺激となりました。
出展者が作品づくりに専念できるよう心を砕いてくださった、運営のナカムラさん、谷津さん、そして参加者の皆様へこの場を借りてお礼を申し上げます。
今後の展示
2024年10月12日~20日にて個展を開催させていただきます。
海外のスナップ(台湾、韓国、香港)、ポートレートを展示させていただきます。
「一路順風 and ARCHIVES」
会場: PERK SHOP (錦糸町のコーヒースタンド、観葉植物販売)
墨田区太平1丁目1-6
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
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