どこかのだれかの日々の記 禹条エイカ その2
2063年5月13日
今日は休みだった。高校生活も大体1年ほど。後輩は出来たけどそれは中学の頃にもいたし特に深い感慨もない。もっと言えば子ども園や幼稚園に一年以上通った経験がある人は全員その段階で先輩と後輩の序列を体験している訳だから、別にそこを取り立てて言う事でもない気もする。ならここで書く必要もないが、ここは自分しか見ない。ここから書くのは思考の整理。
こないだ部活に入ってきた一年の央枝麻が面白い。恋愛感情がどうとかそういう事ではない。本当に単純に面白いし距離感が良い。今までの後輩は後輩じゃなかったのではないかと訳の分からない事を思ってしまうほど後輩なのだ。もちろん中学の後輩で別の高校に行ってしまった孟朶や珂淮たちも愛すべき後輩たちだ。ただ央枝麻は一味違う。なんと言えばいいか分からないが、央枝麻の前にいると先輩の態度をとりたくなってしまうというか、無駄に気安く接してしまうというか。これはなんなんだろ。もしかするとこれが“後輩を可愛がる”というものなのか?
そういえば確かに母さんが昔、後輩が出来ると考えが増えるみたいな事を言ってた。これがそういう事なのか?もっと思い返して客観的に考えるとレイさんたちと話してる時の母さんと自分は似ている気がする。そう考えると色々納得がいく。そういう事なんだ。央枝麻は後輩中の後輩なんだ。なんかスッキリした。やっぱり書くと整理できる。古い手段かもしれないけど自分にはこれが合っている。
2063年5月14日
今日は昨日考えたように央枝麻に接した。ウケた。なんか思ってた反応と違うけどこれはこれで良かったのかもしれない。ただ面白かったから良いか。その後ちょっと買い物に行ったら偶然アキラさんに出会った。こないだストで見たばっかりだから新鮮だった。メディアに出てる人と知り合いなのは未だに慣れない。そういえば知り合ってまだ5年くらいか。引っ越してきてすぐくらいだったと思うからまだ慣れないのも当然かもしれない。この街にもまだ知らない事はいっぱいある。そういえばアキラさんって元々はネットでなんか書いてたんだっけ?その一つがたまたま有名になってそこからだった気がする。確か漫画をオススメしたとかだった気がする。普段はかなりふわふわしてるのに仕事の時は考えられないくらい喋るんだよな。仕事の人と会う時は常にあのモードだって言ってたな。確かに初めて会った時はイメージと違いすぎて分からなかった。あんまり会う機会はないのが少し寂しい。面倒だから絶対言わないけど。今日の日記はこの辺りにするか。今日買ってきた緒隼先生の漫画読んで寝よう。
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