どこかのだれかの日々の記 栄熨眞ジュウジロウ 編 その1
21:43:18 11/7/2041
今日は特に何もなかった。
もうすぐ夏休みだから授業も学期のまとめしかやらなかった。
つまらなかった。
夏休みに浮かれたクラスメイトの燥ぎが僕にまで伝播してきそうで嫌だった。
サクも同じようにつまらなそうにしていた。
今まであんまり感じた事は無かったけど、サクのつまらない時の顔は少し面白かった。
その後、目が合って互いに笑った。
なんで笑ったのかは分からなかった。
ただなんとなく面白かった。
けどそれくらいだった。
サクと出会ったのは5歳くらいだったはずだ。
もうハッキリと思い出せないけど、確か家族旅行で行ったところで偶然知り合ったとかそんなのだった。
そこで互いの家が近い事が分かって、旅行が終わってからもよく遊ぶようになっていった。
そう考えると10年経って初めてつまらない顔が面白い事に気付いたのは楽しい事だったかもしれなかった。
自分でつまらなくしてしまっていた。
そんな気も少しした。
サクはどう思ったんだろう。
けど、どう尋ねればいいか分からなかった。
これは僕の中だけで留めておこうと思った。
そう思っていたら、ボンドさんの記事が更新されていた。
ファントムは僕が小さい頃に始まったゲームシリーズらしかった。
アプリの収入が来たら買ってみようと思った。
25日とかその辺りに入ってくるはずだ。
いつも同じだとつまらないから、今日は全文「~た」で書いてみた。
読みにくいからやめる。
読み返した時に読みにくいのは嫌だから。
1:34:29 12/7/2041
今週が終わった。
今日は数学の授業中にリョーが勝手にワークを解いてた事を先生に咎められて難関校の入試レベルの問題をいくつも出されてたけど全部解いてた。
とりあえずおとなしく怒られてればいいのにすぐに反抗したがるのはリョーの悪いところだと思う。
けど、時々そういうところに助けられる事もある。
この間、めんどくさいおじさんが来た時にはリョーのおかげで上手い事逃げ切れた。
あのおじさん、OBらしい。
なんで来るのか分からないけど、本当にめんどくさいからもうあんまり来ないでほしい。
「俺が学生の頃は学校にスマホなんて持ってこなかった!」
とか言ってた。
スマホっていつの時代の話だ。
もう10年前くらいだろ。
「VW」って覚えられないのか?
しかも今はスマホみたいな板じゃないし、あんなに動きも遅くない。
そういえば、小さいころに爺ちゃんが「ケータイ」って言ってた。
年齢を重ねると新しい概念を覚えられなくなっていくのかもしれない。
そう考えると少し怖い。
そうならないようにしたい。
今こうして日記を書いてる事が何かの助けになってくれたらいいのに。
調べたら、日記は老化防止にいいらしい。
何年か前に長野に旅行に行った時に物珍しさで買ってもらったこの日記帳もかなりかさばってきた。
紙を後から増やせるのは便利だけど、最近はもうあんまりルーズリーフも売ってない。
VWで事足りるし、環境保全とかで数年前から段階的に世界中で紙の生産量を減らしてるとニュースに書いていた。
生まれる前からずっと環境保全活動が世界中で行われてるって教科書にあったけど、紙を減らすのは悪手だと思う。
ただ言ってみただけで別にそういう思想がある訳じゃない。
それにしても暑い。
明日はファントムの新作発表会だけど、行く人が倒れないように密に祈っておく。
※この文章はフィクションです。実在の人物・団体・名称などとは一切関係ありません。