学校での見えるコムと自己選択の話
前回の記事に書いたピゴの歯科クリニックでの歯科健診の日のこと。
午前中、学校から電話がかかってきた。
子どもたちが学校にいるときに学校から電話がかかってくる。
そういうときの要件はひとつしかない。
お む か え Y O ! S A Y ! !
来たか…
減ってはきたものの、こういうことがあるから在宅でしか働けないのだ。
案の定、電話の相手はピゴの支援担。
朝は機嫌よかったものの、休み時間のあとからピゴはしくしく泣き出し、「ママに電話して迎えにきてほしい」といっているという。
はいはい、迎えに行きますよ…
ピゴを連れて帰宅後、いつものようにまず連絡帳を確認しようとすると、はらりと何か落ちてきた。
それがこれ。
おはなしツインじゃーん!!!!
ピゴはそもそもおしゃべりが得意ではないが、気持ちが落ちるとますます話せなくなってしまう。
支援担、筆談でピゴの希望を聞き取り、ピゴも薄くてもしっかり◯をつけて答えられてる!!!
使ってくれてるんだ…
純粋に嬉しい。
学校でも見えるコムが機能している!!!
しくしく泣いてるピゴに負担をかけて無理に音声言語で聞き出すでもなく、
気を回して先生の判断でお迎え要請をするでもなく、
ピゴの希望に先生が答えてくれてる…!!
ほんっと当たり前のことなんだけど。
こういう日常の何気ない一場面で、本人の意思を蔑ろにされていないってめっっっちゃ大事だ!!
このあとも、支援担が他児の校外学習引率で不在の日に、みとおしビッグにやることを書いておいてくれたり、おはなしビッグにピゴへのメッセージを書いてくれていたのを、教室をチラッと覗いた際に発見した。
1年生のとき、学校を信じられず、不登校となり、二次障害を起こしていたピゴ。
6年生の今、午前中だけではあるけど、嫌がらずに毎日学校に行けてるのは、こういう手立てがなされて、支援級が彼にとって安心できる場所になっているからなのだなあ。
帰宅後、自宅でも見えるコム。
えらぶメモですよ。
気持ちが不安定ではあったが、ピゴは腹を括った。
先延ばしにせず、今日行く!と決められたのは凄い。
私ならきっと延期しちゃう。
そして無事に歯科クリニックへ行けたピゴ。
緊張して、ガリガリ歯石を取られてとても疲れてしまい、その後の放課後デイは欠席することを選んだ。
学校は、早退する。
歯科は、受診する。
放デイは、欠席する。
全部ピゴが自分で選んだ。
自分で選びとること、それを実行すること、そしてその結果を引き受けること。
それは目指すべきものではなくて、守られるべき人権なのだ。
そしてこの選択の積み重ねが、「自分の人生、自分が主人公」という事なのだ。
ちなみに、学校でしくしく泣いた理由は聞き出せていない。
親として思い当たることはあるのだけれど、見えるコムを使いながら、ピゴが少しずつ自分で伝えられるようになっていくことを願っている。