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第9回/日本就職しか選択肢がなかった/周 皖瑩 さん

こんにちは!
今回は私の大学時代のサークルの先輩である周さんにインタビューしました。学生時代も、そして最近も人生相談に乗っていただいている心強い先輩です。

周  皖瑩  さん
1993年生まれ、中華人民共和国福建省厦門市出身
中国の高校卒業後、1年半日本語学校に通学し、中央大学入学。
現在は、保険会社のIT部門で働いている

ーーー周さんの幼少期はどんな子供だったんですか?

両親共働きで兄弟もいなかったため、1人でいる時間が長かった幼少期でした。1人で暇をしていたので、普段見せてくれない親の本棚から本を引っ張り出してきて読んでいました。
ちなみに幼稚園の最終学年は、幼稚園が終わる時間に親が迎えにこれなかったため、親が交渉して小学校に1年早く入学することになりました。そのため、体格差や勉強面など同級生が実際は1歳上だったので苦しく、1人でいることが多かったです。
ちなみに4歳からピアノを中学校の途中までやっていました。中国では子供に習い事をやらせることが多く、だいたいピアノかバイオリンになりますね。

小学校ではいじめられていて、びしょ濡れになって帰ったこともありましたが、小学校の後半になってくると身体的にも追いついてきていじめられることもなくなり、成績もトップを取るようになり友達とも仲良くなりました。その頃から明るい性格になりました。

小学校の後半から成績が良かったので、中高一貫校に進学をしました。その学校は、英語の授業の割合が他校と比較して多いことが特徴です。英語の授業はもちろんネイティブの先生がやっていました。

ーーーなぜその学校に入学しようと思ったんですか?

その学校が厦門の中でレベルが高い学校だったんです。また、入学するためにはお金がかかる学校が多かったのですが、努力で入ることができる学校だったこともポイントでした。ちなみに、その学校でも中学校1年生の時に日本語とフランス語とドイツ語も選択できたが、その時は英語を選びました。ですが、高校生の時仲良かった友達が日本のアニメやドラマにはまっていて、それをきっかけに日本語に興味を持ちました。ですが、独学で学校外で少し勉強していただけでした。

ーーー英語の勉強をしていたなら選択肢が広かったと思うんですが、なぜ日本の大学に進学したんですか?

多くの生徒が英語圏に留学していました。もちろん一定英語力も私はありましたが、8割の生徒が英語圏で勝負するなかで、自分に競争力があるか疑問に思いました。日本語はおもしろいと思っていたし、競争相手も少ないので狙い目だと思いました。親は欧米に行ってほしいと思っていたのですが、相談して自身の日本語力をアピールして納得してもらいました。

ーーーそこから日本語学校に進学して日本の大学入試に挑戦したわけですが壁はありませんでしたか?

当時は留学生向けの塾などがなく、書類を自力で集める必要があるし、大学受験のスケジュールも様々なので困りました。結局3大学しか出願できず、1つは書類不備で不合格になったので、中央大学に入学できてよかったです。

また、自分は日本語ができるほうだと思っていましたが、来日してから実際に生活で使うのとでは全然違いました。アルバイトをすぐに始めたのですが、日本語で接客をすると日本人のお客さんから微妙な反応をされてしまいました。

ーーーちなみになぜ中央大学を選択したんですか?

経済学を学びたかったのですが、たまたま中央大学経済学部の長谷川教授の本を読んで感化されたことをきっかけに中央大学に興味を持ちました。入学後、長谷川先生のゼミに入りました。
ちなみに経済学部を選んだのは親の影響でした。就職するなら経済学部か商学部がいいのではという意見でした。

大学時代は楽しく過ごしました。日本の大学は緩いと聞いていましたが、ちゃんとやる人も一定数いたなという印象でした。私が入っていたゼミは本格的だったので、仲間と頑張れたのは良かったです。毎年1回のタイ研修があります。先生が国際経済政策の専門だったので、タイのチュラロンコン大学の生徒とそれぞれの研究を発表するものでした。準備は半年前からやるんですが、なかなかハードでした。切羽詰まってくると夜10時くらいまでみんなで論文の準備をしたりいい思い出です。

あとは、経済学部の国際交流委員会というサークルでの思い出ですね。私が参加した頃は30~40人ほど人数がいて楽しかったですね。交流イベントをたくさんやっていました。外国人留学生にとって大学に入ったばかりでいきなり授業が始まった何を言っているかわからないことも多かったので、そこの助け合いの場にもなっていました。

ーーーなぜ日本で就職することになったんでしょうか?

中国人の固定観念だったんですが、みんな大学院に行く物だと最初は思っていました。ですが、日本人は文系だとあまり大学院には行かないことに気づきました。また、経済学を能動的に選択したわけではなかったので、引き続き研究するイメージが持てませんでした。そこで、一回就職してみようという結論になりました。中国に戻る選択肢はあまりありませんでした。中国に戻るとしたら大学院卒でないと就職が難しいので日本と真逆です。

最初はコンサルティングファームに行きたいと思いました。当初、日本企業に対して強い偏見があり、外資がなんとしてもいいなと思っていました。いくつか内定もいただいたんですが、わりと外資は日本法人なので日本法人でしか働けないことがわかりました。逆に日本の会社の海外部門に入社した方が、海外に行けるチャンスがあるのではと気づきました。そこで、日本の会社で海外進出に積極的で、留学生採用を積極的にやっている会社という軸で選択しました。

ーーーいまはどんな仕事をしているんですか?

入社の時に希望を出して、比較的上位の希望だったIT部門に配属され、社内システムの構築に取り組んでいます。会社が大手なので、携われる仕事や使える予算がとても大きくやりがいを感じます。また、ITということで転職組も多く、雰囲気を馴染みやすかったです。

ーーーこれからの目標などはありますか?

日本と中国以外のところで働いてみたいです。いまの会社で海外業務に関わる中で、この目標は達成することができそうなので、引き続き頑張りたいと思います。

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