自分の演奏に対してネガティブな評価が聞こえてきたら
つい先日の出来事。
ある友人が、自身の演奏に対する批判的な評価を受けて傷ついたそうなんだ。その友人は愛好家による一般公開のイベントにて演奏して、そこに来ていたお客さんに面と向かって言われたらしい。
この話を聞いて僕がまず感じたのは「他人の評価ってそんなに気になるものかな?」という事だった。
(まあ、流石に面と向かって言われるとなかなか穏やかではいられないかもしれないけれど。)
僕もネガティブな評価を受ける事はまあまあある。
「ガチャガチャうるさい音」
「弾き方が気持ち悪い」
「ショパンを弾くな」
などなど言われた事があるし、
演奏の動画では「5箇所間違ってる」「いや、8箇所ミスしてる」などとミスタッチの数を数えっこされた事もある。でもこういう事に傷ついたりはしないし、自分の演奏を変えようとも思わない。
僕は僕の求める形での演奏をできる様になりたいのだけれど、それはきっと多くの人にはあまり好まれないだろうと思ってる。その上、まだまだ完成には程遠い。そんな演奏を聴いてくれた人が好意的な印象を持てなくても「まあしようがないよな」と思ってしまう。
実は、僕は褒められるのがあまり好きじゃない。
自身の演奏に満足できなくてそこには不満や不安がジクジクと膿んでいるのに、それを褒められると居た堪れなくなる。(演奏を喜んでもらえるのはとても嬉しいんだけれどね。だからとても複雑なのだ。)
でも、もし自分の演奏に自信と愛着を持てたら、僕はきっと他人の評価を全く気にしないと思う。
どんな評価を受けたとしても、「これが僕の好きなもので、求めてる音楽なんだよ。」と素直に言えるはずだ。だから多分、僕は人に認めてもらうよりも自分を自分で認められる様になりたいんだと思う。
長々と自分事を書いてしまったけれど何が言いたいかというと、「他人の評価なんで話半分で聞いていればいいんじゃないかな。」という事なんだ。
もし好きで音楽をやっているのなら、他人にどう思われようと自分の好きな音楽を突き詰めていけばいいじゃない。
演奏を褒められたり喜ばれたりするのはたしかに嬉しいだろうけれど、皆が皆そうという訳ではないのだから批判的な評価を受けるのは普通の事だし、また、それはそれで悪いことでもないと思うんだよ。もしかしたら自分の弱点を知るきっかけになるかもしれないからね。(勿論、その評価に悪意があったとしたら話は別だけれど……。)
それに……。
一般公開の舞台に立てば誰しも演奏家として見られる訳で、そこは良くも悪くも評価をされる場所なんだと思う。舞台にはその覚悟を持って上がるべきで、もし批判的な評価を忌避する様なら内輪の集まりで楽しんでいた方がいいんじゃないかなと思う。
というわけで、演奏に対してネガティブな声が聞こえてきたとしても、せっかく音楽をやるのだから夢中に楽しんでよ。音楽とじっくり向き合っていたら周りの雑音なんて耳に入らなくなるよ。