Poem from India 〜 インドからのメロディ🇮🇳　vol.2 "線路は続くよどこまでも"

インドで産まれて暮らしている方は、他の国と比較しても本当に"移動"が好きなのかなと、感じる。

これは、インドは国土自体が広く移動を余儀なくされる頻度が高いことも、もちろん一因ではあるとは思う。
更に、鉄道やバスなどの陸路輸送はインド中に張り巡らされ、最低価格が比較的安く（※長距離の電車やバスは、席のクラスやエアコンの有無により、値段の差はかなりあり）底値かなりリーズナブルという背景も1つ、影響しているとは思う。

皆に優しい国、なのだ。
(※これは、社会構造的な要因もあるかとは思うので議論の必要はあるだろう。)

日本に比べ格差のグラデーションがあり、高所得層とそうではない層の差が激しい分、その受け皿も大きいと感じる。

これは、電車を始めとする公共交通機関や、SIMカードの料金の価格など所謂「公共サービス」の料金に共通して見られる傾向のように思う。

電車でいうと、300-400kmの都市間移動だと200₹（350円程度）〜が相場(2023年時点)だ。
※NR（ノンリザベーション、自由席）の場合

ここで、上でNRと書いたのにも訳がある。
電車は、その路線ごとに異なるものの
大きく以下の3つのクラスに分かれているのだ。
■1等車（1st class）: エアコン付き、1人 or　2人一部屋
■2等車（2nd class）: エアコン付き、4人部屋
■3等車（3rd class）: エアコン付き、6人用ボックス席
■寝台、エアコンなし (Sleeper)  : これは、3等車と同等程度で列車内に車両として含まれていたり、含まれていなかったり。

⇒1-3等車同様の横長ソファーシートで、運が良ければ寝られたり寝られなかったり。
■NR（予約なし）直前でも窓口で買えるが、通路に立っている人や、場合によったら通路で横になって寝ている人もいたりする。

上の区分はあくまで一例で、列車によっては、1等車に個別のルームサービスがついていたりエアコンの有/無その他、多少の差はあるようだ。
但し、エアコンはなくても大抵窓は空いたままで、扇風機は回っていたり大雨などでもない限り
涼しくて、快適である。(筆者も1-3等車、N/R全て試したかと思うが、3等車程度で十分快適で空いていたら横になって寝られるし3等車もよく使う。個人的には、短距離や日中移動だと、特に3等などで十分だと感じる。)

社内は、1-2等車やSleeping辺りだと、シーツや枕も支給されるパターンもあり
フラットソファーで結構ゆっくり寝られる。

そして、電車移動の醍醐味は"車内販売"である。
Chai wara(チャイ売り)のbhai(兄貴)が「チャイ、チャイ〜」と威勢の良い声で叫びながら
闊歩している。
これを、見るといつの間にか手が伸びてChai waraに10ルピー(日本円で18円程度)を渡してしまっているのだ。
本当に、何かの魔法にかかって操り人形かの如く何者かに操られているかのようだ。
細かいことをいうと、たまにマサラチャイ(ジンジャーやシナモンなどのスパイスも煮出したチャイ)もあるのだが、8-9割方一般的な、茶葉とミルク、砂糖だけのチャイだと思われる。
そして、電車の中でのチャイは決まって80mL程度のかなり小さい紙コップで売られているので
長距離移動では思わず、複数杯飲んでしまうのだ。何とも憎い…笑

そして、車内販売は非常にバリエーションに富んでいて
スナックやサモサ、ビリヤニ、水やジュース(バケツに入れて歩いている)もある。
まだまだ、私が出くわしたことのない幻のwaraもいるかもしれないー。

…と、そんなことを考えると日が昇り
皆が、立ち上がったかと思うと、車両間のトイレに歯磨きなどに行き始めた。もう朝だー。

まもなく、目的の駅。
Google mapで位置情報を確かめたりしてもいいのだが
電車の中では、相席になったローカルのBhaiに「次の駅どこ？」とか「XXに着いたら教えてね！」というと(言わなくても、聞いてくれたりして)丁寧に教えてくれたりするのだ。
なんと優しい、インドの方々ー。

あぁ、このまま果てしなく続く線路の旅を続けたいが
そろそろ降りなくてはいけないー。
偶然の相席で束の間のコミュニケーションだったけど、彼らからすると異国っぽさ漂う私に「どっから来たの？」と興味を持って尋ねてくれたり
色々と"インド"のことを教えてくれたり、ありがとうね。
この広大なインドでの出逢いは、何か素敵な運命的なものを感じるねー。

また会う日まで。(फिर मिलेंगे)
ごきげんよう！
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