部下ジョーを愛でる②
こんばんは!
昨夜に引き続き、佐久間マリさんのインタビュー記事をお送りいたします。
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昨日は、堂道物語に登場してくる人物についてご質問させていただいたのですが、本日は、物語の部分にフォーカスして質問させて頂きました。
K
まずは、
「部下に手を出す上司は信用できない」「部下に手を出す信用できない上司のその後」「1000日後に結婚する夏至」全作通して、佐久間さんご自身が一番気に入っておられるシーンはどこでしょうか?
S
そうですね、、
シーンの画がイメージとして強く頭に残っているのは、やはり名古屋からの帰りの高速のシーンです。
車内の色とか、様子とか、車窓の景色とか、ああいうキメの場面は情景描写を多く書くので頭に焼き付いて残ります。
K
私もそのシーンだい好きです!!
他読者の方の中でも、大好きだと言われる方たくさんいらっしゃると思います!
読むうちに、勝手に映像が脳裏に浮かび上がってきました!
S
その夜のホテルの部屋と、糸が堂道のマンションのドア前で待ってたシーン、船上バーベキュー、スポーツバーもです。
ミニバスの動画とか見て、バッシュがコートに擦れる音とか、船の構造とか調べたりしました。
あ、全然お気に入りのシーンの話じゃないですね。
K
いえいえ、そんなことないです!
むしろ読者は、佐久間さんがざっくばらんに話してくださることを聞きたい!
え、船の構造までですか⁉️大変な作業‼️
今、佐久間さんがおっしゃったシーン全て、私も映像が頭に浮かびました😌
作家さんは、情景描写を文字にする事で、読み手の脳内に映像を浮かび上がらせるのですね!
船上バーベキューでは、海に照り返す太陽のキラキラした光とか、糸ちゃんを照らす夕日とか。
スポーツバーでは、ナイターの灯りやボールのパスの音や靴音など。
いまでもシーンが思い起こされます。
S
お気に入りのシーンは……
その後の最終話かな?
結婚式で堂道が頭を下げるところです!
K
「誠に!申し訳ありません!」
のところですね!😂
堂道らしい、潔い謝り方でしたね!(笑)
しかし周りの親族は逆に大喜び🎉。
堂道がまじめになればなるほどコメディになる。さすが堂道‼️👍
S
あと、クルージングの帰りの車の中。
あのシーンは、本当は夕日の中、海岸線を走る車を空から引きで撮ってるという、西海岸を走るハリウッド映画のような画像イメージが今も鮮明にあるんですけど、すっかり夜のシーンになってしまって残念です。
K
あーーその描写の説明だけで、映像が浮かびますね!
もし夜ではなくて夕方だったなら。。
ちなみに私のイメージはこんな感じです。👇
佐久間さんが今言われた通りの画像は見つけられませんでした!面目ないです!
S
堂道にかじりつく糸ちゃんが好きです。
ちょっと小動物感ありますよね、糸って。
K
いやもーコロコロした犬っころって感じですよね🐶‼️けして猫ではない。😸🙅♀️
ハムスター的なものも感じますね。🐹
まとわりついてねぶり倒して押し倒すイメージですね!🤣
K
私自身も好きなシーンがたくさんあります。
付き合ってからはもちろんですが、2人が付き合うまでのなかなか前に進まない感じも大好きで。
S
わたしもそういう時期が好きです。
くっつくまでのもだもだが好きで、くっついちゃったその後にはあまり興味がなくなるので、今までの小説でもラブラブな時期はほとんど書いていません。
だから今回も、つれない時期の堂道をもっと書きたかったですねー。
K
堂道にイライラして、なかなか靡かない堂道の心中見せろ!!っと叫びたくなりました。
前半部分では堂道の人と成りがあまりわからないので、余計に読者はまどろっこしかったです。😆
S
1000日の連載で、多少そのあたりは補えた気がしてますが、本編(糸視点)で書いていない出来事を夏至視点で新たに書くのはどうかなーと思ったりして(糸が堂道の一挙手一投足見逃すはずがないので、堂道との出来事を糸視点の物語でスルーするはずがないので)。
なので新たなエピソードはあまり書けませんでした。
K
付き合う前。
草太くんと小夜ちゃんと糸と、3人で飲んでいる所に堂道を呼び出すシーンありますよね。
その後、堂道といとちゃんが2人で帰るシーン。
私初めて、堂道にドキリとしたかもしれません!
START→→→👇
「たまゆらサンさー」
そう言ったのを最後に、堂道はポケットに手を突っ込んだまま、空に向かって息を吐いた。
そしてまた、糸に視線を戻す。
冷めた目だ。じっと見つめられる。
「俺のこと、好きなわけ?」
🔚
このシーン!!!😆
初めてです。堂道にドキリとしたの!
大人の男の色気というのか、空見ていた堂道がいとちゃんへ視線を移す、冷めた目ってのがまた!
なんどもお聞きしますが、なぜこんなことを思いつくのでしょうか?← しつこい(笑)完全野次馬根性!
S
糸からの告白を待つことなく堂道から訊ねるというパターンは、展開をひねったつもりです。
先手を打つというか直球勝負というか、ドストレートな堂道のかっこよさを書きたくて。
K
確かにあれはかなりかっこよかったです!(笑)
あんなこと言われて睨まれたら動けない!←そっちかいっ!
S
まあ、多少のモテ経験がなければこんな自惚れたこと言えませんよね。
わかりにくいけど回りくどくない、というのを堂道の良さにしたかったので産まれたシーンでもあります。
K
回りくどくなくストレート。
それも、漢の中の漢というか堂道らしい面ですね!
S
鈍感だったり、すれ違う二人だったり、これまでずっとそんなパターンの恋愛話を書いてきたので、「部下に手を出す〜」では、もうそういう男女を書きたくなかったというのもあります。
K
なるほどーー。。
確かに佐久間さんの試みは成功したわけですねー(´ー`*)ウンウン
K
後は、2課にヘルプに行ったシーン。
お♥️これは!と思ったのに何も無く。
あの時は、堂道のパワハラストーリーで完結しちゃうのではと思いました。(笑)
S
ヘルプのあたりは、今全体を通して振り返ると山場の前の谷間ですね!
K
山場の前の谷間⁉️
谷底って感じでしょうか⁉️
S
私はプロットなしで書いていくタイプなので、どこでどうくっつくかは、ストーリーの展開次第でなるようにならせるというスタンスでして、あの頃は二人の流れに任せていたような気がします。
K
おーーなるようにならせる‼️
言葉は悪いですが、行き当たりばったり的な⁉️でしょうか⁉️
S
うまくいってればヘルプの段階でくっついていたかもしれないし。
でもやっぱり、堂道の性格からしてあそこで折れる様な男じゃないですよね。
K
本当にそうです!
「部下に手を出すー」の段階では、いとちゃんに対する堂道の気持ちは全く読者はわからない訳で。
本当にいとちゃんに堕ちるのか、私も、多分他読者の方も半信半疑だったと思います。
S
出張ドライブも最初から決めていたわけじゃなくて、コイツは非日常なシチュエーションじゃないと恋に墜ちられない難攻不落なヤツだと思って、名古屋に行かせることにしました。
まあ、進展に困ったら出張というのはオフィスラブの定石ですよね。
K
安定のオフィスラブのシチュエーションではあったわけですが、そこに、羽切さんといとちゃんの笑えるやり取りが良いエッセンスになっていましたね。話に華を添えてくれたというか。
うまく言えない!
S
そんな行き当たりばったりな書き方なので、あとから「ここに伏線はっとけばよかった!」と後悔しまくってます。
K
いえいえ!
十分楽しませてもらいました!
K
そこから、無事付き合い始めた2人ですが、まさかの、堂道の「付き合い期限決めとけ」発言。
あの台詞は読者全員敵にまわしましたね。(笑)
普通の女子ならば、そこで泣いて喚いて縋りつくパターンだと、私は思ったのですが、いとちゃんはそうではなかった。
鬼の堂道に挑んでいく!!
なかなか思いつかないなと、すごいなと思いました。
そういった展開など、自分の経験とか好きな作品とか参考になっていることはおありですか?
S
時限付きというのは、最初から決めていました。
「切なさ」は物語を書いていく上で欠かせないので!
堂道は本気でいずれは糸を手放すつもりで、気持ちが通じてからは、堂道はわりと胸中を素直に糸に話しているので、そのまんまです。
あまり駆け引きしない男。
K
回りくどくない男!ですね!
S
糸に関しては、全編通して、若さゆえの未熟さと無敵さで解決したところが多かったと思います。
糸が20代前半なら、さすがに若過ぎて堂道も恋愛対象にならなかっただろうし相手にもしなかった。
けれどまた、堂道と同じレベルの考え好きの臆病な大人の女性でも話は違っていただろうし、そういう意味では無鉄砲に堂道に向かっていくには絶妙な年齢設定だったのではないかなと思います。
K
確かに、堂道の相手が同年代の雷春さんのような女性なら、こうはならなかったかもしれませんね。
面白さも可愛さもここまで出なかったようにも思います。
S
あと、糸には、何度かあった別れのシーンで、絶対に泣かせないようにしました。
そこは、糸がただの普通の女子じゃないと表現したかったところです。
K
うわーー!そこはほんとにグッときました!
はじめ、普通のどこにでもいそうな女の子だったのに、堂道を好きになってどんどんたくましく粘着質に、でも可愛くなっていった!
泣かないその強さが、愛の深さだと思いました。
S
堂道の行動パターンは参考にしたところは多いのですが、糸は堂道に合わせて性格を作っていったので、モデルとなっているキャラはいません。
私の実体験としては、堂道なんか怖くてアプローチできません……笑
K
私はなんとなーく、いとちゃんの気持ちもわかるかもしれません。
しかし、いとちゃんの粘着質ストーカーはあくまで、相手も自分のことを好きでいてくれるというのが前提ですから。(笑)
それを考えると、やはりなかなかいとちゃんのようなことはできないですね😅
ということで本日はここまでです。
明日でラストです。
ここまで読んで、また堂道を読みたくなった方はどうぞ。
佐久間マリさん「部下に手を出す上司は信用できない」はこちら👇
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