夫の作りかけの家仕上げていきますシリーズ:オ~マイクローゼット
アレックスは約束の10時ちょうど、いや5分前にやってきた。
まるで日本にいるかのよう!
彼は大工さんで、家中のクローゼットのドア取り付けを頼んでいる。
そうなんです、家中のクローゼットのドア、まだないんです・・
だいたいこの田舎町で業者さんに何かを頼んでも、物事の進みはスローでひどい時など音沙汰がなくなったりする。
先日、毛むくじゃらで下見に現れたときのアレックスにもちょっとそんな予感がしたのだが、約束通りの時間。
これはいいスタートではないか。
と思ったら
もいちどサイズだけ確認して、ホームデュポにドア買いに行ってくるね~
(こ、これから買いにいくんかい・・・)
1時間半くらいで戻るから
(その頃ランチタイムになってたりしない?)
あ~それから裏庭の階段、それも今日やっちゃうよ~
(おお~それは手際がいい!)
夫ジェイが仮に付けたはしご階段がはや朽ち果てそうになっている。それも一緒にアレックスにお願いしたのだ。
私の体重ならまだ支えられそうだが、なんせこの湖畔の家を訪れる人はどう見たって私より重い。
それもうんと。
夏場はこのはしご階段からビーチへと下りるのに、朽ち果てた階段もろとも真っ逆さまなんてことになったら大変だ。
階段の方はミーシャがやるから
というアレックスに
ミーシャってあのミーシャ?(←ここは思わず声が出る)
なんでもアレックスはミーシャの知り合いらしい。
なんせ人口3万6千人の湖畔の田舎町である。
あちこちで地元同級生に出会うに違いない。
さて2時間くらいして戻ってきたアレックスはクロゼットドアを二階の寝室に運び入れる。
何かを始めると、新英単語メモメモである。
Bi-fold 二方向に折りたためるドア
Primed、つまり自分で塗れと・・。
なんせ色がすでにペイントされているものはこのprimedの4.5倍の価格である・・・
とりあえずprimedで・・
そうアレックスに頼んでおいたのだ。
ひょっとしたら好みの色で自分でペイントしたくなる、かもしれない(ちょっと消極的)
階下でPCの前に座って仕事をしていると、ドタンバタンと天井が響く。
なんか雑そう・・
ドライブウェイからミーシャの電動のこぎりの音が響いてくる。
いい感じにはしごのサイドが形作られてゆく。
幅を広げて角度を少し緩やかにしてもらった。
さて夕方5時半。
これが終わったら、後はギャップ修正に明日朝に来るね
とアレックス
オッケ~んでミーシャは?
あ、彼セーリング(ヨット)に行っちゃったんだ、行くって言ってたの忘れてたんだ・・。
(セ、セーリング!あ、そ・・・。それもこの寒空の中!)この日の朝などひょっとしてマイナスまで落ちました?疑惑の寒さであったが。
大丈夫、彼も朝来て、明日中には仕上がるから
じゃあ明日午前8時ね
さてその明日の午前7時55分、アレックスがやってきた。
1時間ほどの作業の後
ここ、ちょっとドライウォール足りなかったんだ、月曜日に来て補充するね
(あのね~2回も寸法測りに来てたんじゃないの?)
そこへやって来たのがミーシャ
これから病院に行ってくる
どうしたの?
見ると右目が赤く腫れあがっている
電動のこぎりでのダストが入っちゃったみたいなんだ
(えー保護メガネかけなかったの!)
んなわけでクローゼットもはしご階段も仕上がらないまま、ロングウィークエンドに突入である。
5/22(月)はビクトリアデーで祝日。それを利用して金曜からコテージなどに出かける人が多い。この湖畔のご近所でも、冬場南で過ごしていた人が戻ってくる目安となる週末でもある。
ま、その祝日の月曜日に来るっていうんだからまだいいか。
そう思いながら二階のクローゼットの確認に行く。
え~雑過ぎない・・・?
これを見ると私は改めて夫ジェイの正確さに感心する。
アレックスには棚をつけてハンガー用のバーも渡してもらうことになっている。
どんな仕上がりになるか?
なんせ彼んとこはWallet friendly という会社名で、つまり財布にやさしいのである、が。
残りのクローゼットもアレックスに頼むかどうか思案中である。
微妙に右側の上隙間ありません?
これらのドアは工場生産。つまりサイズはきっかり同じはずで。
ということは夫ジェイが作った開口部が微妙なサイズ違いなのかもしれない・・・。
かつてジェイが作業していた時に思った。
建築作業は時として刺繍の手作業のような緻密さが要求される。でも扱うものは糸ではなくひどい重さのドライウォールだったりするわけで。
ちょっとした私の知らなかった世界である。
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。