サくら&りんゴ #84 ふとん?
Oh My!あらま~である。
今朝カナダのご近所さんからメッセンジャーが来ていた。
クリスマスを前に新規感染者が倍増してカナダ政府が
国外に出るな!
と警告を出していると。
ワクチンのブースター摂取を強く奨励していて彼女は昨日打って来たと。オンタリオ州で月曜1200ケースだった感染が今日(木曜)には2500と発表されているらしい。
カナダCBCニュースをYouTubeで見ると、自分で感染を調べるantigen test のキットなるものが配られている。クリスマスの集まりを前に自分で検査しろというわけらしい。
今回カナダからの帰国は今だかつてなく大変だったが、国外渡航禁止令(急用でなければ渡航しないこと的なニュアンス)のアナウンス前でよかった。
日本でまったり自宅隔離を満喫(?)している私は、そんなカナダの状況はもう対岸の火事である。(生まれも育ちも日本。島国根性かわらず。)
隔離13日目である。
さて、カナダよりうんと楽なはずの東京の冬だが
さ、寒~~~~~~い。
家の中が。
これは夫も冬、東京に来るたび、
家の中が寒すぎる!
と叫んでいた。
そりゃ冬ですから、いくら東京と言えどTシャツ一枚で過ごすのは無理!重ね着をしなさい~ったく~
と思っていたのに自分がそれを忘れてしまっている。
カナダの家の建築にたっぷりの断熱材を入れていた夫は、いったい日本の家屋にどれほどの断熱材が入っているのかと、近所で建築中の住宅視察に行ったほどである。
薄すぎるだろ~!
夫は驚いて言った。
断熱材だけでなく、日本では各部屋にしか暖房機がついていないので、夜トイレに行くときなどとにかく寒い。奈良にあった築54年の母の家では、冬場洗面所で息が白くなったものだ。
そんなわけで、自宅隔離で東京の家屋温度に適応中の私の体は縮こまりすぎて肩が凝ってしまった。
ある国際便の日本人CAさんが、機内での日本人の見分け方にファッションの違いを上げていた。そのポイントのひとつが重ね着らしい。特に女性の場合。確かに。かつては重ねながら色のバランスなどを楽しんだものだ。
しか~し、カナダ生活の後は服もざっくりしてきて機内では国籍不明になってしまっている私である。
そんな家の中が寒い東京の冬も 晴れた日はヒーターがなくても暖かい。そしてそんな朝はだんぜんふとんを干したくなる。
カナダ生活でふとん干しという行為をすっかり忘れてしまっているが、子供のころから大好きだった、あの取り込んだばかりのふとんのお陽様の匂いは忘れない。
カナダでは(英語圏で?)日本語から来たFutonと呼ばれるものがあった。ある時夫が言った。
フトンを買いに行く
ふとんなんて売ってるの、このあたりで⁇(カナダの田舎町)
アイキーヤ(IKEA)で売ってる
と夫が言う。
最寄りのイケアといっても車で1時間走った場所である。当時、トロントにあるアパートメントを夫はひとりで修復していて、作業の合間の昼寝や泊まり込みのときにフトンを使いたいと言う。
アパートメントの板張りの床に置くの?
ふとん、持ち運びには便利かもしれないけど・・
イケアでは係の人が案内してくれて
いま置いているFutonはこれです
提示されたのを見て私は
それ、ふとん?
しかし夫はこれだこれだと言っている。
どう見たってソファーだけど?
こんな風にFutonになります
スタッフがやって見せたのは、木の枠組みを平らにしてベッドに。つまりFutonとはソファーベッドの事だったのである。
いや、それ、ふとんじゃないから(心の中で私)。
夫は結局そのFutonを購入。
フトンはここに置いておこう
そう言って夫はアパートメントの壁に立てかける。
いや、ふとんじゃないから
と心の中で私。
Hibachi(バーベキュー台)にPanco(日本のパン粉より細かく粒が硬い)Tamari(醸造したもの。大量生産のsoysauceと区別して)
いや、それ違いますから、と言ったって始まらない。
外からやって来た言葉はその国に合うよう変化していくのは世の常。
フトンで休息を取りながら夫はアパートメントの壁を修復し塗り終えた。
まさか赤色にするとは思わなかったけれど。
そんなことを思い出しながら、東京の太陽(カナダでも同じ太陽ですが)でふかふかになったふとんをベランダから取り込む。
今夜はぬくぬくお陽様の匂い。
夫は隣にいないけど・・・。
隔離が開けたら、どこにでかけようかなあ、
夫はいないけど・・・。