見出し画像

サくら&りんゴ #75 11月末のオンタリオ

ぐわぁーん。
カナダ/オンタリオ州が 日本入国時3日間の強制隔離地域に入ってしまった。自主隔離14日間を10日に短縮申請をするつもりでいたのに、それもキャンセルとなった。

娘のアーニャに頼んでいた空港お迎えも変更となり、これで東京で予定していたいくつかの仕事に参加できなくなる。

昨夜アーニャに変更のないうちに帰国できればいいなとラインをしたばかりだったのに。

ナナが送ってくれた日本ニュースのリンクを見たのは今朝。同時に外務省からのメールで規制強化地域にカナダを発見、それもオンタリオのみ。
オタワでアフリカからの便で新しい型のウイルス感染陽性者が2件見つかったらしい。

まだ対岸の火事だったのが
これはwake up call となったとニュースで言っていたがまさに私にとっても朝の目覚ましアラートになってしまった。

日本政府のサイトではフライトについてはすでに予約済みの分に配慮しつつ、新しい予約は受け付けないとなっている。
なに配慮しつつって?
三日後のフライトがキャンセルにならないことを祈るばかりである。

そんな状態であったがとりあえず、予約してあるカナダ出国前72時間のPCR検査を受けに行く。
トロントにある大使館に問い合わせて、日本入国の際に受け入れられる検査方法を取っているというヘルスセンターである。
それでも日本用フォーマットには採取方法はNasopharyngealはいいがNasal swabはだめだとか検査方法はRT-PCR, LAMP、TMA……..と訳の分からないアルファべットが並んでいておまけに病院の住所、医師名がないとだめだとか、そんな詳細が私をナーバスにさせていた。


検査室で日本行きだというと、

あ~日本用は特別の注意が必要だったわね

やれやれ、いちいち説明しなくて済んだ。
看護師?検査員?の中国系らしいその女性は日本向けには陰性証明に加えてあと二つドキュメントが必要だと丁寧にメモに書いてくれた。

とりあえず日本到着後カナダに送り返されるリスクはひとつ減った。
陰性だったらの話だけど。



PCR検査を終えてヘルスセンターを出ると、外は冬の色に覆われていた。
今にも細かい雪が舞い始めそうである

画像1

画像2

しかし、田舎の風景観ていたら、なんでこんなところで感染増えるのって思うけれど。

私がいない冬の間、家を見てもらうことになっているエリックはハンティングに出かけていた。
オンタリオが強制隔離の地域に入ってしまったと泣きを入れたら、

鹿5頭仕留めた

絶好調のメッセージが戻って来た。

その言葉で心が一気にこの地に引き戻される。
今朝から頭はすっかり東京モードになっていた。
目の前の日本語を追うのに忙しかったが、体がこの地から離れたがっていないことをかすかに感じていた。
東京に戻ったらと楽しみにしていることはたくさんあるのに。

12月は鹿狩りのシーズンだった。
何日から解禁だと夫はいつも言っていた。

夫のハンティング人生をもっと共有したかった

ライフルは怖いけど、クロスボーの使い方を少しは知りたかったのに
大きいのを仕留める夫の顔を見たかったのに
ハンティングには
香水どころか髪に付いたシャンプーの匂いもだめだというから
ちゃんと何日も前から匂いを消して私もついて行きたかったのに

きみには無理だよと夫は言うだろうけど

寒い寒い冬の真っ暗闇で息を殺して牡鹿を待つこと

夫とのハンティングの思い出話ある?と以前エリックに聞いたことがある。

数えきれないほどあるよ

それ以来エリックは思い出したらその都度、夫とのハンティングストーリーを語ってくれることになっている。

画像3


日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。