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Dual Residence: サくら&りんゴ#12

都庁が遠くにそびえ、坂を下ると神田川。
水平線から朝日が昇り、窓辺で水鳥の飛来を眺めるシムコー湖畔。
そんな東京とカナダ・オンタリオの二重生活を綴ります。
杉並のサくら、Innisfilのりんゴ、つたない言葉で。

夏の準備とタンポポの綿毛

朝起きると 夏の気配が家の中に残っている。
窓は薄いグレー。
遠くで水鳥のなく声がする。


昨日は夏日だったのだ。スマホには

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暑っ。
ここカナダ/オンタリオでも、年に数回は30Cを超えるときがあるがまだ5月である。
ちょっと早すぎない?

この湖畔の家にはエアコンがない。
しかし、昨日のような夏日でも、窓を開ければ湖の風が家の中を通りすぎる。海風と同じ理論で湖風が吹くのだ。
だから南側の窓は縦の滑り出し窓である。
右に開ければ昼間は湖風を、夜になったら左側を開けて陸風をキャッチすることができる。

それを知ったのは、湖畔暮らしを始めて何年か経ってからの事である。

そんなおとぼけ妻であるが、それらを考えてデザインし建築してきた夫にとってこの家は、住むためというより実験現場でもあった。
そのひとつがGeoシステムである。
たまたまやって来たビーチクラブのひとが、ベースメントにあるそのシステムを見て驚いたのだ。
説明を聞いても

何それ?

なんでも、地中の温度を利用した温度調整らしいのだが、英語で説明を聞いても全く要領を得ない。
意味が分からないので、かかわらないままでいるのが無難である。
しかし床暖房用と思っていた壁のリモコンには 
heat, off, そしてなぜかcoolというスイッチがついていて、前から気になっている。

おとぼけ妻はやっと試しにcoolへと、そっとレバーを動かしてみた。

さて、夏を前に、急いで進めなくてはいけない事が私にはあった。
5月のヴィクトリアデイ、そのロングウィークエンドが過ぎれば外植えができる。つまり野菜の苗の植え付けである。このころになってやっと霜が降りる心配がなくなるのである。
しかし東京から戻るのが遅れた私は、やっと小さな鉢や卵のパッケージに種を植え始めたところだ。東京で注文しておいたJohnny's の種も先日届いたばかり。

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外への苗の植え付けには、しばらく時間がかかりそうである。

裏庭では去年Margaretにもらったラズベリーが根を付けていた。

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その葉は毛羽立って、茎は身を守るかのようにちくちくするとげを出している。

ルバーブは大きな葉を広げて。

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そろそろ、とろとろのストロベリールバーブを作る季節だ。

追憶in Canada:湖畔にて。#6 初夏には甘酸っぱいストロベリールバーブソース

ところで、空き家となったお隣の裏庭ではすごい勢いでタンポポが増えている。

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タンポポの写真を撮っていると、今まさに、まあるいポンポンから飛び立とうとしている一本の綿毛を見つけた。
どこの大地を目指しているのだろう、次の世代に向けて。

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新しい住人がどんな人か楽しみである。

湖ではビーチクラブの人たちがドックを設置している。

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私がいない間に、湖に氷が張り、そして溶け、水鳥が戻り、ボート用のドックが岸から離れたところに並べられ、もうすぐ子供たち用のフロートも設置されるであろう。
私がいてもいなくても当たり前に季節は進んでいく。
夫がいてもいなくても、人々は夏に向けての準備をしている。

noteを書いていたら聞きなれない鳥の声。
水鳥ではない。
ルールーと呼んでいる。
立ってそっと窓に近づく。
すると
裏庭のフェンスにカーディナルがいた。

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湖の夏がすぐそこまで来ている。

と思っていたら

一夜明けた今日は曇り空

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coolに設定されて、リビングのタイルはひんやり冷たい。

それどころか湖に出て足をつけると、氷水の温度である。
やれやれ泳ぎに出るまでには、まだしばらくかかりそうだ。

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。