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緋銅
緋銅とは
緋銅とは、銅を約1000度まで熱し、タイミングよくホウ砂水溶液で急冷する事で生まれる緋色の銅のことである。 日本の伝統技法と言われており、かつては甲冑の装飾品に使用されていた。 この技法についての文献はほとんどなく、緋銅を作れる職人は数人ともいわれている。
銅製品を探していた。
銅と言えばたくさんのお鍋があった。
カナダ湖畔の家のキッチンの壁に
ずらりと並んでいる。
![](https://assets.st-note.com/img/1706704029874-2FNLpqMla2.jpg?width=1200)
料理好きの夫ジェイが集めたものだ。
しかしですね、なにが大変って、くすんでくる鍋たちを磨くこと。
二人で並んで黙々と磨いたのは、何年前のことだろう?
卵焼きには銅がいちばんと言うけれど
さすがに卵焼きを知らないジェイの収集にその選択肢はなくて。
でもこれ以上いらないよなあ~クッキング用の銅製品は。
そんな折、たまたまネットでみつけたのが緋銅。
なんて美しい赤いろだろう。
見た瞬間に虜になった。
ネットでの注文もできるようだったが、それでは間に合わない。
いや、そんなこと、もうどうでもいいではないか、
間に合おうが合うまいが。
誰が気にするというのだろう?
でもネットで注文するより、お店で緋銅のリングをこの目で見てこの指にはめたい。
お店の位置を確認する。
1時間と少しあれば行けそうだ。
今日行ける?
午前中の約束の仕事が終わっても
午後にやらなければならないことが残っている。
その仕事を明日に回してもいい?この緋銅を見に行くために。
思案した末、私はお店に向かった。
電車を乗り継いで、そしてかつて商店街だったろう、そんな小道に小さなお店があった。
こんにちは
入って声をかけると奥からお店の人が出てきてくれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1706705547538-H6BmAABvWK.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1706705583258-HHHGEGteeF.jpg?width=1200)
少し遊び心がある緋銅のリング。
右手の薬指にはめる。
ちょっぴりひんやりして
でもぽっと心が温まった。
包装するのでお待ちくださいというお店の人を制して
はめていきます。
良かった、間に合って。
![](https://assets.st-note.com/img/1706706581578-xVj5IzyErn.jpg?width=1200)
明日は7回目の結婚記念日
銅婚式。
ひとりで迎える記念日である。
ジェイと出会ってもう10年が近い。
左手の薬指にある
Who I have come to love J
と刻まれたマリッジリングを外す日はないと思う。
ま、今のところ(笑)
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