カナダ・デイのカリビアンフード
雨の匂いがする
蒸し暑い空気に交じって
肌寒いくらいの涼風が時折通過する
空は
煙か雲か?
灰色オーガンジーのベールよりもやや厚い絹のベールに包まれている
が
下界は
パーティである。
7月1日カナダ・デイ
ビーチクラブのパーティである。
ミュージックバンドのライブが始まる前からお隣からガンガン音楽が聞こえてくる。
フードトラックが準備中
カリビアンフードは食べちゃダメだよ
今朝仕事だと言って出て行く間借り人のEに言われた。
カナダ・デイのイベントにあったフードトラックのカリビアン・ジャークチキンを食べて、二年連続具合が悪くなった。
先日そんな話をしていたのである。
一回目の時は自分の体調が悪かったのだろうと。
二回目の時は、どゆこと?
まさか三回目挑戦の勇気はないだろう?と思っている。
でも美味しそうな匂いなのよね~
そのカリビアンジャークソースに含まれているスパイスか何かが私の体に合わないのかもしれない。あるいは今までに経験のない異物として受け付けないのかもしれない。本当のところ分からないけれど。
北アメリカの人々にとって中南米は身近であるが、私の人生には恐ろしいくらい接点がなかった。
一度フロリダに行ったときにバハマに渡ったことがあった。
ほんの半日の滞在だったが、鮮やかな色とりどりのお店や人々の服装が脳裏に残っている。
それが私のアメリカ(大陸)における最南端である。
私の経験値の中にカリビアンフードのスパイスが組み込まれていない。
キューバに行きたい
旅行どこがいい?と夫ジェイが聞いてきたとき私は即答した。
中南米だったらと言ったからである。
あのね、アメリカ人だから無理だね
アメリカとキューバの国交が断絶されていたのを知らなかったのである。
でも確かそれは、再開されたかどうかの年であった。
ジェイはニカラグアを候補に選んだ。
ニカラグア・・ってどこだっけ・・・????
全く失礼な話だが中南米に疎すぎて
ジェイのサポートに入っていた女性の出身がエルサルバドルで
それをずっと勝手にエクアドルと勘違いして
エルサルバドルはその首都だと思いこんでいた私である。
ちがいます!全く別の国です!!
ポートモアへね。うちのワイフがそこの出身なんでね。
夏はどう過ごされるんですかと聞いたある男性の返答だったが、私はその中米らしい地名がまるでどこなのかわからなかった。
そうですか!いいですね、なんて言いながら頭の中でその地名を繰り返しその場を後にしてすぐにググる。
ジャマイカか!
それならジャマイカと言ってくれ~
でもポートモアはこの地の人々にとってジャマイカとして当然のことのように組み込まれているのかもしれない。
だからこの地の誰かが日本と韓国を混同していても
私は決して怒らない!
モンテソーリプレスクールに入っていた時の先生でさえ
え~とJapanって島の方?半島の方?
と聞いてきても私は決して怒らない!(笑)
そんなわけで
今年はカリビアンフードをどうしても避けなければいけない。
迷いに迷って私のお腹に差し障りがないようピーミール(pea meal)のサンドイッチにした。
ピーミールとはベーコンの一種で、ストアではコーンミール、つまりトウモロコシのクラッシュしたのがついている、脂身がほとんどないポークである。
フードトラックの窓にToday’s specialにJerk Chicken breast とあるがこれは絶対食べてはいけないやつだ。
なるだけスパイスなく脂っこくなさそうなものチョイスでのピーミールである。
音楽バンドのミュージックが始まった。
雨の匂いはいつしか
音楽と子供の遊ぶ声とそして人々の話し声にかき消されていく
音楽は夜の10時まで続く
そういえばニカラグアの旅
結局、実現することはなかった。