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あ! あああ~っ とディクレシェンドの声がしたのち、バタンと倒れる音がした。キッチンの方からだ。 何事? 急いで見に行くと、夫が人参色のタイルの上に落ちていた。車いすの車輪が空中に跳ね上がっている。 またか、 私はため息をついた。 このひと月半の間に、これで3度目である。