ミャンマーに思う
20年ほど前、学生パックパッカーとして軍事政権下のミャンマーを訪れた。
入国すると300米ドルを、
ミャンマーでしか使えないし元にも戻せないお金に
強制両替させられた時代。
それは軍事政権が外貨を稼ぐ手段だった。
しかし、ミャンマーの人々は本当に親切で穏やかだった。
仲良くなり一緒にお酒を飲んでいると、
正義感あふれる血気盛んな若者は、
つい世の中を語りたくなる。
『この国のこと、どう思っとるん?』
その瞬間、相手の顔色は曇り、声が低くなる。
『どこにスパイがいるかわからないから、その話はできない。』
外国人には見えない大きなものが、
穏やかな生活と同居していることを知り、
無知で無防備な自分が恥ずかしかった。
人は長く同居すると慣れてしまうことがある。
今回の新たな政権との同居が長く続かないことを願う。