お江戸めぐり　終

お江戸めぐりの
しめくくり

ずっとよかった天の機嫌

姫の朝寝を放置して
桜をぬけて北斎へ

異国の方に紛れ込み
あちらが翻訳アプリなら
こちらは拡大鏡が要る

隅田川の絵巻もの
対岸けぶる江戸の町

踊りの譜面も吉原も
和紙からもれる喧騒は
愉快痛快ピーヒャララ

どすこい両国
追いついた
姫と最後のちゃんこ食む

毎日起きて日が暮れて
寝に落ちるまでがたのしくて
ひとりであって
ひとりでない
お江戸めぐりの日々でした

げんこまさみん
ともあゆこ
ふぇいふくえこと江戸の民

あいたいひとを数えたら
両手両足指折るも
足りぬ大きな江戸の町

でんぐりがえり
天と地が
ぐるんと回る旅でした
寝ても覚めてもよろこびが
胸をころがる旅でした

であってくれて
ありがとう
げんきでいてね
またこんど

わたしもあなたも
旅の途で
出会えた奇跡にピーヒャララ

バッグパックで六日間
荷物がいらぬ人生は
わたし以外のひとがいて
はじめて輝く日々となる

今日も明日も明後日も
逢うも逢えぬも時の運
されどどうか健やかで
ありますようにピーヒャララ

あいするひとよ
健やかに

おしまい

どすこい