ほぼ日の企業価値評価を2年前にしていたのでその時の推測を公開してみる

ほぼ日がいよいよIPO申請なんですね。素直にすごいと思います。

2年ほど前に「ほぼ日」ってなんでこんなに優良企業なんだろうと思って調べてみたことがあったので、その時の資料を公開します。

おことわり:
僕は普段の仕事が事業開発なので、仮説たてて事業分析・市場分析・企業分析をざっくりとやって、仮説検証して・・・というのが通常の流れです。その流れにそって30分くらい使ってやってみたものです。データは全て2015年時点のものなので少し古いですし、企業価値の信ぴょう性を問うものではありません。
ほぼ日は非上場なので企業Webサイト上の情報とその他Web上の情報くらいしかありません。かなりの類推が多いです。ざっくりとしているので、相違が相当数あると思います。そこだけはご容赦ください。ただまわりの友人に見せてみたところ、筋いいんじゃないかなとのコメントをもらったので30分でバリュエーションするならこの程度というレベルでご覧ください。


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ビジネスモデルは基本的に物販(今は他にもあると思いますが、2年前は物販が明らかにメイン)です。販売商品ラインナップ・商品の年間売上個数・書籍の累計売上部数は企業Webサイトにありました。これに発売年数を加味し、大まかな商品ラインナップと価格から販売平均販売単価を類推します。手帳は本体は安いですが、毎回カバーがものすごくゴージャスでいいものを作っているので全部無理やりならして単価5,000円にしてみました。

書籍とかよく考えたら正味65%くらいだと思うので、実際にはこんなにいってないかもしれません。それにしてもほぼ日手帳の売上規模がすごい。手帳ビジネスひとつで20億超えとは・・・。


これに費用を何項目かざっくり類推し、大まかな営業利益を割り出します。

商品原価はすごくお金かかってそうなので原価50%、販促も店頭やらロフトやらで色々展開されてると思ったので、高めに20%としてみます。

次に管理費ですが、賃料は青山の本社、TOBICHIの2か所、倉庫がどこかにあるはずなので、倉庫の賃料をざっくり割り出します。僕は不動産系はよく判りませんので、一般的な坪単価と1人あたり坪数で割り出します。

人件費は年齢層も様々だろうけど、まあまあ平均年齢は高めのようなので仮で年俸650万と仮定しました。その他アルバイト、役員報酬を適宜割り当てます。完全に仮置きです。

その他サーバ費用は情報系とEC系にざっくり分けて、AMAZONのプラン等をもとに推測します。

さらに雑費(と言う名の取材費など)を推測します。雑費が異常に高いのは、コンテンツ制作費がそれだけかかっているという予測です。あれだけの手間のかかったコンテンツを作っています。企画して取材して、ちゃんと撮影もし、場合によってはロケに出かけ・・・。月の経費は月刊誌ほどはかからないけど1/3くらいかかってもおかしくないということで月500万。

最後に償却系。商品開発と店舗開発の償却を各5年と10年でざっくり算出。今みると本社のリノベ費用が入ってなかったな。まあいいや。

さしひいて、営業利益率12%、営業利益4.5億・・・。すごい・・・。

後でポーター賞受賞のページをみたら、まあまあいいところいってたようです。

営業利益からEBITDAを割り出し、さらにEV/EBITDA倍率としてよくある7倍~かなりポジティブである10倍まで試算してみました。実際には糸井さん引退後の神通力がどこまで継続するのか不確実なので7倍がいいところかなと類推します。

結果、企業価値は40億弱くらいではないかと推測しました。IPO直後は50億くらいいくかもしれません。


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とにかく手帳一本足でここまで売り上げてるのがすごい

最近は糸井さんに頼らない次のビジネス・商品を次々と打ち出されているのもすごい。手帳という金のなる木があってこその次の投資。


最初糸井さんの神通力を気にしていたけど、よく考えたら今の20代は糸井さんをコピーライターではなくほぼ日Webサイトのオジさんと捉えていて、大前研一さんのBBTほど個人ブランドが圧倒的ではないかなと思い始めたり。

確かにIPOを通して、糸井さんという個人ブランドを超えていくのは間違いなさそう。


改めてすごいコンテンツホルダーだし、すごいプロダクトメーカーだなと思います。


僕もがんばろう。

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