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RENGEKIと転生 【RENGEKI楽曲解説#1】

RENGEKIの1st single「転生」について、楽曲や歌詞、アートワークの解説をします。

アクロシエラからの転生


2023年9月23日に、アクロシエラから "転生します"と発表した。それまでのバンドイメージとはガラッと変わりよりダークな印象を全面に出したコンセプトへと転生。

改名ではなくあえて転生としたのは、より新鮮な印象が欲しかったのと、全く違うモノになることを表したかったから。転生モノのアニメでよくある"現実で命を落としたら異世界に転生してた"みたいな感じで、ひとつの人生は終わったけど新しい世界での人生がスタートしたみたいな、第一の人生を無かったことにするのではなく、その経験を生かして別世界で戦っていくことを表現したかった。

REVIVAL OF THE ERAとアクロシエラとRENGEKI


これまでの自分の人生を大きく形成していたのが、RENGEKIメンバー4人で活動していたV系シンフォニックメタルコアバンド「REVIVAL OF THE ERA」。(以後ROTEと略す)

ROTE解散後、アクロシエラを結成し今までとは180度違うバンドへ挑戦した。しかしアクロシエラとしての1年間は常に迷いと不安と葛藤の日々だった。今までとは大きく違う楽曲やライブ、そしてROTEのギタリストからアクロシエラのボーカリストへの転身。全てがうまく噛み合わなかった。ボーカリストとしてステージに立つことがこんなにも難易度が高く、より高度な技術と人間性を求められる事だとは思っていなかった。正直自分なら余裕でこなせると舐めていた。毎回のライブでの反省や悔しさは今でも忘れない。そんなモヤモヤした環境が続いて生まれたのがROTEへの未練や執着。やはり自分には激しいライブにダークな衣装や印象が合っていると考えるようになった。それでもアクロシエラを続けたい理由があった。それはポップでキャッチーな曲を作りたい願望だった。長年ROTEでメタルコアばかり作っていたから、正直激しい曲に飽きていた。

アクロシエラが1周年を迎える頃、メンバーの脱退があった。これが転生へのトリガーだった。新体制を整えるのならば、すべて1からやり直そうと決心した。ROTEの持つ激しいライブとダークなイメージ、アクロシエラの持つキャッチーでポップな楽曲、コンセプトを持たないなんでもアリのやりたいこと詰め放題バンドを作ろうと思った。こうして生まれたのがRENGEKIというバンド。

1st Single 「転生」

そしてリリースしたRENGEKIの初楽曲「転生」。RENGEKIを象徴するとても大事な1曲になると考えて、かなり意気込んで作った。
アクロシエラから大きく変わることを提示する為に、1発目はより激しくと考えていた。その為メタルコアベースの楽曲、LowEチューニングとシンフォニックサウンド、「ただいま」と言いたいような感じだった。

"もう二度と振り返らない、絶望からの転生"

ここからは歌詞について触れていく。

ここまでで述べたように、ROTEへの未練とアクロシエラとしての葛藤をそのまま書いたのが転生の歌詞。

「信じたもの 貫きたいもの

すべて塵となり消えてしまった

あの日の僕らは 今この場所で

ちゃんと笑えているのだろうか」

「仮面を被り 塗り固めた嘘

いつかそれが僕らを殺した

もう一度信じたい自分を

あの頃に戻りたいと願って」

アクロシエラのKazumiは自分そのものを表していたかというと嘘で、アクロシエラとしてキラキラな自分を演じないといけないという思いが強くあった。それが次第に自分らしさを殺している感覚に変わっていって苦しくなった。"ROTE時代のギラギラした感情、バンドとして信じていた可能性や夢、貫きたい自分と音楽"これが消えてしまった。
アーティストやバンドとして一番失ってはいけないものを失ってしまったような感覚だった。だからこそあの頃の気持ちを取り戻さないといけなかった。

「one's heart is broken

死んで生きてまた死んで生きて

本当の姿はどこかに消えた」

アクロシエラが苦しかったとは言いつつも、楽しくなかったわけじゃない。もちろんアクロシエラのファンや楽曲を聴いてくれていた人は沢山いた。そんなファンたちと作り上げるライブは否定した自分を受け入れてくれる救いの場所だった。でもひとりになってバンドのことを考えるとまた苦しくなる。それの繰り返しで、それも葛藤のひとつだった。

「正しさだけを求めて

失っていく闘争

何を背負い、何を選び、何を掴むのか」

正直何が正解なのかわからなかった。
どんなライブをしたらアクロシエラが刺さるのか、どんな言葉を吐いてどんな歌を歌ったら好きになってもらえるのか、とにかく分からないことだらけだった。それが自分の闘争心を削っていた。アーティストとして、バンドリーダーとして、迷いだらけだった。

「見つけた明日の欠片を

もう二度と離さないように

これが僕の僕のための

存在の証と信じて」

RENGEKIへの転生を決意して、少しでも見えた可能性みたいな物を、1年間アクロシエラで気づいた感情を、もう二度とわすれないように、これが俺の在り方だと信じてやっていくしかないという決意。

「明日が来ることを知っているから

明日未来の話ができるんだ

生きているのが

当たり前ではない」

バンドも人間も脆くて儚い。
いつ終わりが来るかなんてわからない。
明日が来ることは当たり前ではなくて、明日の予定を立てたり、この先の未来の話ができるのは、続いていくことが前提。でもそれは確約されたものではない。だからこそ今を大切にしたいということ。

「正しさだけを求めたそれが僕を殺していた

何の為に 誰の為に 生きて来たのかをこれ以上失わぬように

あの時の初期衝動を
これが僕の僕のための存在の理由

信じて」

そんな正しいことを模索していたせいで、本来楽しくてやりたいことのはずだったバンドがそうでなくなってしまった。何のために誰のために自分は音楽を作っているのかわからなくなった。でも自信も闘争心もなにもかも見失ってしまったからこそ気づいた"あの頃の自分をとりもどしたい"という感情。ROTEを始めた時のあのギラギラした初期衝動をもう忘れたくない気持ち。
そしてこれが自分のバンド人生の最適解だと思い転生し新たに頑張るという決意を、信じて欲しいとういう意味。自分自身を信じてというより、そんな決意した俺を信じてまた着いてきて欲しいという、ファンやメンバーへの言葉。

「あの傷はもう消えないから

もう二度と振り返らない

絶望から転生」

アクロシエラの失敗は人生最大の挫折。
でもあの悔しさも絶望感も全てが自分の傷となって瘡蓋になってまた強くなったと思った。
そしていつまでもROTEに執着している自分の情けなさから、もう過去ばかり振り返らずRENGEKIを信じて前だけを見る決意。

アートワーク

2つの十字架が燃えている。
この2つはROTEとアクロシエラを表している。
過去の執着や絶望を燃やしてしまいたいという意味を込めて、このアートワークを作りました。


最後に

これが「転生」という曲に込めた自分なりの思い。これを読んで、また違った視点でこの曲を聴いてもらうことができると思う。
RENGEKIにとっても自分にとっても決意の1曲。1st Single 「転生」の楽曲解説でした。

毎回楽曲解説にはデモverを載せていきます。
こちらはメンバーシップ会員と有料購入者のみ聴けるverです。無断転載は禁じます。
記事の一番下に載せるので気になる方は是非。

RENGEKI 1st Single

「転生」

■作詞/作曲/Mix,Master/アートワーク
by Kazumi

■配信→

https://linkco.re/nu7hMUmR?lang=ja

■歌詞

You only live once
You can start 

信じたもの 貫きたいもの
すべて塵となり消えてしまった
あの日の僕らは今この場所で
ちゃんと笑えているのだろうか

仮面を被り 塗り固めた嘘
いつかそれが僕らを殺した
もう一度信じたい自分を
あの頃に戻りたいと願って

One's heart is broken
死んで生きてまた死んで生きて
本当の姿はどこかに消えた

正しさだけを求めて
失っていく闘争
何を背負い
何を選び
何を掴むのか

見つけた明日の欠片を
もう二度と離さないように
これが僕の僕のための
存在の証と
信じて

明日が来ることを知っているから
明日未来の話ができるんだ
生きているのが
当たり前ではない

You only live once
You can start
You life over

正しさだけを求めて
失っていく闘争
何を背負い
何を選び
何を掴むのか

正しさだけを求めた
それが僕を殺していた
何の為に誰の為に
生きて来たのかを

これ以上失わぬように
あの時の初期衝動を
これが僕の僕のための存在の理由。
信じて
あの傷はもう消えないから
もう二度と振り返らない
絶望から転生

■デモver.
(メンバーシップ、有料購入者限定)
↓↓↓

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