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Origin 【RENGEKI楽曲解説#2】

RENGEKIの「Origin」について、楽曲や歌詞、MVについて解説をします。

RENGEKIの本始動とテーマと指針

2023年11月28日、RENGEKIが5人体制となり本格始動となった。
その第1弾となった3曲入りEP『Origin』のメインタイトルとなったこの曲。

RENGEKIへの転生を発表した楽曲『転生』は過去のイメージから一新するためヘビーな楽曲で、"RENGEKI=激しいバンド"という初期イメージがついた。けれど、『転生』解説でも書いたように、RENGEKIは楽曲コンセプトを持たないバンドでありたかった。とはいえ、RENGEKIが導きたいテーマはあった。それは、"マイナスな今をプラスな未来に変えたい" だ。そして本始動のEPは今後のRENGEKIの方向性を導くための3本柱を立てる楽曲を並べるつもりだった。ライブの楽しさをイメージしたノリ重視の楽曲、"自分を邪魔したり見下す敵への噛みつき"を書いた『EGOIST』、よりキャッチーさを求めた分かりやすい楽曲にRENGEKIのテーマを体現した『Origin』、ダークさとヘビーさを重視したシンフォニックなメタル楽曲に弱さと儚さを書いた『憎愛と空の偶像』、この3曲をRENGEKIの指針とした。

前回の『転生』の解説記事はこちら



僕のヒーローアカデミア "オリジン回"


楽曲タイトル『Origin』この由来となったのが“無個性”だった主人公が憧れのヒーローを目指して成長していくヒーロー漫画作品『僕のヒーローアカデミア』だ。(以下ヒロアカと略す)


アニメ大好き男のKazumiは好きなアニメや感銘を受けた作品をモチーフに楽曲を制作することがよくあり、『Origin』もそのひとつだ。

"オリジン"とは、ヒロアカ作中に登場するメインキャラクターたちがヒーローを志すキッカケやヒーローへの決意が現れる回にサブタイトルとして付けられるワードだ。(アニメ第1期 第1話『緑谷出久:オリジン』のように)
この回は"オリジン回"と呼ばれ、作品にとっては重要なワードである。
ちなみに、個人的に好きなオリジン回はアニメ第2期 第37話『爆豪勝己:オリジン』回で、この回は・・・とヒロアカを語りだすと止まらなくなるので、メンバーシップ限定でアップしているアニメを好きなだけ語る記事『づのアニメの話』でまとめますね。(※宣伝です)

話を本題に戻します。
楽曲『Origin』は"ここから立ち上がっていく決意”を表す楽曲にしたかった。
自分自身で表すと、RENGEKIとしてこれから立ち上がっていく決意だが、誰しも人間には人生の決断や決意を固める瞬間があり、それを後押しできるような歌詞を書きたかった。そのイメージにピッタリだったのがヒロアカのオリジンであった。

RENGEKI『Origin』はいわゆる『Kazumi:オリジン』回ということだ。

"ただ、今を生きる理由はここにしかないだけ"

ここからは歌詞について触れていく。

『何の為に誰の為にと
自問自答繰り返すだけの日々で
満たされない満たされない
ずっと
許されない 逃げられない
嫌なことから目を背けて
現実逃避すらできなくなって
満たされない満たされない
ずっと
許されない 逃げられない』

『生み出すことへの倦怠感
0から1より1から10へ
それもただのエゴ
有象無象の中彷徨う
本当の自分は?』

『自分を見失わないで』

RENGEKIへの転生までの期間、楽曲制作やバンド活動へマイナスな感情で溢れていた。何の為に誰の為に自分はバンド活動をしていて、楽曲を制作しているのかわからなくなっていた。そして満たされない感情から作曲が嫌いなものになってしまっていた。その代わり、熱中していたのが楽曲のアレンジやMIXへの探求だった。
この頃から外注で楽曲をアレンジしたりMIXをする仕事をするようになっていた。そのため表に立ち自分の作品を0から生み出すのではなく、裏方として他のアーティストの楽曲を1から10へ進化させる方が楽しいと感じていた。しかし、自身が表舞台のアーティストであっても、裏方のアーティストのサポートであっても、成功実績のない自分は世に沢山溢れる有象無象のひとつでしかないと感じていた。成功の難しい音楽業界で勝ち上がれるほどの力は今の自分にはないと自信を失っていた。

『いつの時代も変わらずに
生き苦しい世界で
僕らを照らす光なんて無い

変わらないため変わっていく
守りたいから
いつだって僕らの未来は
奪われやしない』

10代の頃からバンドをやってきたが、苦しくない瞬間なんて殆ど無かった。
売れる兆し、成功する光なんて見えなかった。
それでも音楽とバンドが大好きで、やっぱりやめたくなくてRENGEKIを始めた。自分にはこれしかないと思っていたから、そんな自分を変えないために、今の自分から変わっていく必要がある。未来を奪うのは自分の考えと行動だけだと思った。

『今夢中になっている事に
何の意味があるのかと聞かれれば
何の意味なんて無いし
この先何かに繋がるわけでもなくて
そんな事分かっているけど
ただ今を生きる理由がそこにはあって
ただ今を生きる理由がそこにしかないだけ』

『立ち上がれ立ち上がれ
今やらなくていつできるって言うんだよ

立ち上がれ 立ち上がれ
お前を否定するすべての敵へ』

自分が今音楽やバンドに熱中するように、誰しもアニメやアイドルなど推し活だったり、趣味やアルバイト、仕事など、熱中する対象がある。その対象に注ぐ時間も熱量もお金も、今後の人生に何か役立つのか、意味があるのかとふと我に帰り考えてしまうこともあると思う。
自分自身がその考えに陥った時、その考えの結論は、"今を全力で楽しみたい"だった。RENGEKIをやると決めたならば、このままではダメだと思った。
そして"今頑張らなくていつ頑張るのか" と言い聞かせるようにRENGEKIの曲を作っていた。そして自分を否定する人間や結果に対して見返してやりたいという野心が戻ってきていた。

『もう1回 もう1回 もう1回
頑張ってみるね
何か変われるかもしれないから

もういっか もういっか もういっか
なんて諦めないで
夜明けはすぐそこに』

もう一度頑張ってみよう、諦めずにRENGEKIにかけてみようと思った。
どん底だった真っ暗なメンタルからほんの少し明るくなって夜明けのように感じた。


RENGEKI初のMV作品

2024年8月12日、RENGEKI初のMVが公開された。
その記念すべき作品に選んだ楽曲が『Origin』。
RENGEKI本始動となった2023年11月から約9ヶ月後の公開となった。
なぜこのタイミングで『Origin』のMVなのか。

RENGEKIの活動1周年を迎えるにあたり、1周年ワンマンやアルバム発売決定を発表した。それに伴い、本始動時から着ていた衣装から新たな衣装へのアップデートがされた。


この発表に至るまで、新衣装や今後の展望を考えていた時、始動からここまでのRENGEKIを表す映像作品が無いことに迷いがあった。ここまでずっと戦ってきた衣装を着た自分たちを見せれないのは、ここまで支えてくれたファンも、この先RENGEKIを知ってくれる人も寂しいのでは無いかと考えた。そこでこの衣装で最後にMVを作ろうと思った。そしてその楽曲はここまでのRENGEKIを象徴する楽曲を選びたいと思った。

本始動のEPタイトル曲でもあり、ほとんどのライブでも披露し多くの人に聴いてもらった曲、そしてRENGEKIの"マイナスからプラスへ"のテーマを示した『Origin』がぴったりだった。

MV制作が決まり構想を練っていく中で、この楽曲やMVにとんでもない愛着が湧いてきた。そして"自らこのMVを監督し、編集して作品を作りたい"という感情になった。昔から自分でMVを作ってみたいと言う野望はあった。ただMV制作にはかなりのコストも労力もかかる。今ではどんなに無名なアーティストでも簡単なように当たり前にMVを出す時代になっているが、実際そんな簡単に出せるものでは無いのだ。だからこそ慎重になっていたが、クリエイター魂に火がついたわけだ。メンバーも自分にこの作品を託してくれる事になり、本格的に制作が始まった。

この作品がRENGEKI初のMVになるし、自分自身の初監督作品でもある。
そんな大切な作品を一緒に手伝ってくれる仲間を呼んだ。

Video Director,CinematographerのRyo Minekawa だ。

彼はROTE時代のバンド仲間であり、プライベートでも深く親交のある親友だ。
昔からKazumiの人間性をよく理解して尊重してくれているし、何より彼の作品が大好きだった。そんな彼に、大切な作品のカメラマンを頼んだ。
そして2人で沢山話し合い、MVの構想などミーティングを繰り返した。
親身に自分の作品のようにこのMVを考え力を貸してくれるとんでもなく強力な協力者。
彼の力がなければ『Origin』のMVは制作できなかったのでとても感謝している。

もうひとつ、今回のMVに付属した大きなイベント"MV撮影見学"を計画した。
撮影現場を間近で見学できる貴重な機会だ。

RENGEKIにとっても初MVであり、自分も初監督。初体験は一度しか経験できないかけがえのない事。そんな機会をせっかくならファンと一緒に体験したいと思った。

こうして、沢山の人の協力と応援してくれるファンと一緒に作った初MV作品。
RENGEKIにとっても、自分にとっても、みんなにとっても思い出になる作品になったと勝手に思っている。

自己満足かもしれませんが…笑

ただ沢山の想いが詰まったMV作品であることは間違いない。
このMVが沢山の人に届いて欲しい。


最後に

『Origin』はRENGEKIにとっても自分にとっても指針とキッカケとなる1曲。
この曲がRENGEKIと人を繋ぐ機会になったらいいなと思います。

毎回楽曲解説にはデモverを載せていきます。
今回のデモにはメロディーがないので、ただのMIX前のインストverですが、その分シンセなど細部まで聴けるかと。
こちらはメンバーシップ会員と有料購入者のみ聴けるverです。無断転載は禁じます。
記事の一番下に載せるので気になる方は是非。

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