働く男
この春我が家に双子が産まれ、この夏から育児休暇をもらいます。
一人目の子どもが産まれたときはまだ前の仕事をしていて、休む決断に至る勇気も環境も充分ではなかったので、人生で初めての育休です。今所属しているグッドパッチという会社にも、ReDesigner for Studentという事業のメンバーにも、心から感謝しています。
出産に合わせて採用計画や新メンバーのオンボーディング計画を練ってくれる土壌があって本当に助かりました。サービスが絶賛大きくなっているところというのもあり、チーム体制も拡大中です。そういう中でも育休取得や期間に関してチームから何か言われることはありませんでした。よく仕事と家庭の板挟みというフレーズを聞きますが、それでいうと仕事という板が「そんなもんそっちやりなはれ」と退いてくれた格好になります。
昨年度新しく入ってきたメンバーがふたりいて、既に急ピッチで事業キャッチアップをしてくれたのでもうチームとして起動しています。今までと変わらずReDesigner for Studentは運営されるので、学生ユーザーの皆さんはこれからもよろしくお願いします。
弊社グッドパッチが兼ねてより社員の家族を大事にしてくれる会社というのは知っていましたが、心の底からさまざまな制度、特に子ども手当に感謝しています。子ども一人につき毎月2万円、中学校を卒業するまで。つまり毎月6万円を支給してもらうこととなります。
双子ということで突然車の買い替えなども発生して先立つものが先立ちまくり、今後の生活のことを考えると、リアルな不安を感じずにはいられません。出産祝い金も規定に沿って10万円いただきました。幸せな気持ちと不安な気持ち、その両方を会社が制度として一緒に持ってくれているというのは、本当にありがたいことです。(注:上記は2022年7月時点の規定です、念の為)。
本当はこういうのは会社だけに預けないで、国や自治体にもう少し支援してほしいです。会社への感謝と同時に、こうした支援や考え方が特別なものにならない社会を強く望みます。
話を戻して、しっかり書き残しておきたいのは、代表の土屋さんがさらっと向こうから「おめでとー」と声をかけてくれたことです。なおかつ僕の出身地なども当たり前のように覚えてくれていた様子だったので、それも嬉しかったです。本人からすれば何気ないことなのかもしれませんが、やはりこういうのは心に残るよなと思っています。
と、これまた感謝する気持ちと同時に、俺にはおやすみをする権利も義務もあるんだよなとという思いも持っています。産まれたばかりの子どもと、産んだばかりのパートナーと、まだ事情を理解しているのかどうか微妙な1人目の子どもと、新しい生活を作っていかねばならないんだなと思っています。
仕事を休むということは、かなりドキドキするものだなと改めて感じています。戻ってくるまでに、自分の仕事は誰がやるのかな。上手くいってほしいな。でも上手くいきすぎて自分の座席がなくなるようなことがあるのも怖いな。僕に相談してくれていた学生ユーザーたちは困らないかな。いやいやどんだけ自分のこと過大評価しとんねん、困らんやろ!など、色んなことをぐるぐる考える時間が、春先からずっと続いています。
一方で、自分は男性として産まれている故に休む/休まないの選択権を、いつ・どう使うのかという悩みを持てるのだなということにも気付かされます。もしも自分がお腹に子宮を持っていたなら、否が応にも仕事を休む必要があるからです。
これは上手く言葉にまとめられません。仕事を休むということ自体にこんなにドキドキすると知ってしまった以上、生物としての女性が身体的な事由で仕事を休んだり復帰したりすることを、制度的なフォローやケアが揃っていれば万全オッケー!とも全然言えないよなと実感しています。
というわけで自分もドキドキしながら休みます。
答えや考えがあるわけではないです。自分が休んでしまったら、自分のやっていた仕事はどうなってしまうんだろうという不安と、ジョブズがいなくなった後だってアップルは続いてるしお前なんか大丈夫だよという楽観の二つ抱えたまま、とりあえず仕事を休んでみます。
社会人になって約10年。すごく久しぶりに仕事をしなくなる。劇的じゃなくていいから、少しでも自分の在りようや価値観が変わるといいなとどこか他人事のように考えています。改めて、そういう時間をくれる会社やチームメンバーに感謝しています。
最後に、普段直接接している学生ユーザーや先生方にも、お祝いや家族のことを気遣っていただくような言葉をたくさんかけていただいています。ほんとにありがたいです。
学生のキャリア支援をするサービスをやっているわけなので、自分が働くことを休んで家族と過ごす間に感じたことを、これから社会に出る人たちのためにも使っていけたらいいなと思います。僕は就職活動が上手くいきませんでした。その時たくさん泣いた自分に向けて、こういう仕事をやっているところがあります。それと同じように、育休に関しても個人として感じたこと・直面したことが、サービスを通して社会に還元できるといいなと思っています。
会社に所属しながら、家族という共同体の一員でもあります。これが俺の人生で、これが俺の仕事だという確固たる思いがありながら、これからどうなるんだろうなと不安になったりくよくよしたりします。両極端な思いというのは同時に持つことが出来ます。
それらを携えていってきまーす!という気持ちです。やるぜ。