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キューバ旅行記2日目


時差ぼけで4時には目がさめる。

 眠れないのでしばらくガイドブックや窓から見えるアバナの景色を眺めていた。日の出ていないアバナはとても涼しく、風が吹くと少し肌寒いくらいに感じた。7時くらいになると宿のみんなが起き出し、朝食を食べた。朝食はフルーツとパンと卵とコーヒーとマンゴージュース。全部とても美味しい。


 朝食を食べているとやはり私と同じようにゴールデンウィークを使ってキューバ観光に来ていた日本人男性が話しかけて来た。
「実は荷物がなくなってしまって、今日空港に届くとは聞いたんですけど…」
 どうやらカンクンからアバナへ来る2時間ちょっとのフライトでロスバしてしまったようだ。私は運良く50カ国ほど旅しててロスバの経験は一度もない。今回も荷物は機内持ち込みだけだったのでもちろん大丈夫だった。


 そのような話もしながら少し宿でゆっくりして、9時頃に街散策へ出かけた。外へ出るといきなりクラシックカーがお出迎えだ。非常にかっこいい。カサ(宿)は旧市街の入り口付近、カピトリオという旧国会議事堂前にあるので非常に立地がいい。カピトリオから旧市街前のセントラルパークへ移動すると高級ホテルが立ち並ぶ。そしてその目の前にはクラシックカーがずらっと駐車されている。

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 これらのクラシックカーは観光用で、客引きがオープンカーに乗らないかとひっきりなしに話しかけて来る。値段を聞いて見たところ1時間50クック(6000円)ほどで、アバナの街をひとまわり案内してくれるという。決して安い値段ではないが、クラシックカーに乗るのはキューバに来た目的の一つでもある。アバナには日本人観光客がたくさんいるので後でシェアして乗りたいものだ。「後で乗るよ」と軽く断って本日最初の目的地であるオビスポ通りに向かう。

通りに向かう途中、配給所を見つけた。

 社会主義国であるキューバは、配給所でお米や卵を配給していると聞いてはいたがいきなり見れるとはラッキーである。しばらくのぞいていると1人1つカードを持っていることに気がついた。あくまで私の予想だが、国民は配給カードなるものを持っていて、そこにスタンプを押すと決められた量の物資を受け取ることができるみたいだった。写真を撮りたかったがノーと断られてしまった。残念ではあるが、観光客が写真を構えて現地の生活を邪魔していいような場所でもないため、この時は撮影は諦めた。(後日、別の場所で撮影許可を頂いて撮った写真を貼っておきます。)

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 キューバという街は本当に私の好奇心という好奇心を全てくすぐってくるようだ。宿からオビスポ通りまではまっすぐ歩けば3分程度のはずなのに20分もかけてようやく到着した。しかし肝心のオビスポ通りはというと、こちらは少し期待外れで、朝だったため店もまだ開いていないところが多く、少し閑散としていた。しかしまぁ特にやることもないのでとりあえず旧市街の中を散策することにした。

 建物がカラフルなので写真を撮るのが非常に楽しい街である。キューバ人は暇なのか2階から顔を出していたり、ドアの前にしかめっ面で立っていたりしている。一瞬、怖いイメージを持ったが、「オラ!」と声をかけるとみんな笑顔で挨拶を返してくれた。

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 1時間もするとだいたい旧市街を歩けてしまったのでセントラルパークに留まっていた周遊観光バス(10クック)に乗り込む。2階はオープンになっていて、少し暑いけど眺めが非常にいい。バスの中にいるチケット売りから停留所マップを貰ったが停留所の名前を見てもさっぱりであるため、適当に乗ってゲバラとカストロのモニュメントが見れる革命広場を目指すことにした。


 出発してしばらくすると再びセントラルパークに戻って来てしまった。あれっと思ってマップを確認したら、公園には周遊途中の停留所と周遊スタートの停留所があり、周遊途中の方から乗ってしまったみたいだ。周遊スタートの停留所で再び客を集めて出発するみたいだがこれが非常に辛い。すぐに出発するだろうと思っていたが、炎天下で15分も待たされてしまった。だいぶ体力を失いながらも、バスはようやく出発。

 30分も乗ってると革命広場に到着。

 広場の真ん中で飲み物を売っていた。太陽にだいぶ体力を奪われていたので飲み物を買うことにした。「クアントエス?」と値段を聞くと「ウノ」とおじさんは言った。おそらく現地価格から1cupであるとすぐに察した。

キューバには通貨が2種類ある。

 1つはcucと呼ばれるもので観光客が主に使うお金である1cuc=1USドルと値段もわかりやすい。もう1つはcup(通称モネダ)と呼ばれる、現地の人がよく使うお金で、24cup=1cucである(1cup=5円ほど)。
 

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 モネダは観光客も両替所で交換はできるが、キューバに来たばかりの私は手元にモネダの持ち合わせがなかっため、コップ1杯のジュースを頼み5cuc札をおじさんに渡した。すると4cucお釣りがきた。絶対に高いと確信した。もう2杯頼んでみるとおじさんはやはりお金を請求してきたが、さっき払ったでしょと言うと笑顔でお代わりをくれた。やはり1杯1cupだったのだ。この時点で私は1cuc(24cup)支払っているので24杯のジュースを飲む権利があるのだ。欲張って3杯も飲むとお腹がいっぱいになり、おじさんにありがとうと言ってお釣りをもらうのは諦めた。

 しばらく革命広場でゲバラとカストロのモニュメントを見て再び周遊バスに乗車。この時点で少し熱射病ぽかったので1階で景色見ながら寝ていた。
 アバナは首都にもかかわらず両替をするのが難しい。両替所(カデカと呼ぶ)はあるにはあるが、旧市街では場所が限られていてどこも外人で行列を作っている。周遊バスに乗り込む前もカデカは2件ほど見かけたが、どこも外国人でごった返しになっており、とても並ぶ気になれなかった。私は先ほどのジュースの件もあり、早くモネダをゲットしたかったため、比較的観光客も落ち着いているであろう新市街でカデカを探すことにした。

一大事件発生


 40分ほどバスですやすやしていると新市街(23番通り)に到着したのでそこで降りることにした。カデカをしばらく探して歩いているとあることに気がついた。持ってきたカメラバックがない。カメラだけ手に持っていて先ほどのバスにバックを置いてきてしまったのだ。少し熱中症ぽくて頭もぼーっとしており、気を付けてはいたがやらかしてしまった。まぁバックくらいはいいかと諦めた矢先、もう1つ重要なことに気づく。

 パスポートがない。

 つづく

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