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Aconcagua 2日目 プラサデムーラス(4300m)へ


【2日目のミッション/ Aconcagua day 2】

①プラサデムーラス(BC,4300m)に向かう。片道18km。
②キャンプ場でチェックインしてオレンジ袋をゲットする。
③天気を確認し、今後のスケジュール確認。
④ムーラに預けた荷物を回収する。
 

2019年12月25日(水)
4時起床。前日の睡眠不足もありぐっすり眠れた。とりあえず自前の器械で血中酸素濃度を測る。酸素濃度92、脈拍69。絶好調な数字だ。これなら次の目的地、プラサデムーラスに行けるだろう。

朝食を済ませ、少し休憩した後、テントを撤収し出発準備完了。リョウタさんとユウキさんとタマキさんはプラサデムーラスへは向かわずプラサデフランシアへ高度順応するそうだ。僕とマサシさんはプラサデムーラスへ向かう。

8時45分出発。今日は片道18Km、標準タイム8時間という超長丁場だ。高度は今いるところから1000mも上がる。15kgの荷物を持って果たして辿り着けるのか…。

最初の1時間ほどは順調だ。昨日通ったようなザレ道を登ったり下ったり。高度があるので地上よりは息切れが激しい。

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途中、ムーラが颯爽と通り過ぎていく。こちらは息を切らして必死こいて登っているのに、ムーラは息を切らさず、60kgの荷物を担いで走っている。動物は強い。人間の弱さを強く感じた。1匹のムーラが黄色いノースフェイスのバックを担いでいた。僕の荷物かもしれない。しっかり届けてくれよー!

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暫くすると谷間に出る。とても広大だ。坂じゃないのでいくらか歩きやすい。サクサク歩いているとあることに気づく。「これ進んでるのか?」あまりにも谷間が広すぎて、進めども進めども景色が全く変わらない!進んでいるかどうかもわからない錯覚に陥るほどだ。

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とりあえずそこら辺んで小さい方の用をたし、目印をつける。この目印ポイントがもう一度見えたらマリオ64のクッパの階段状態だ。幸運にも1時間ほどグリーンデイのニムロッドを聴きながら歩いても目印ポイントは現れなかった。

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ようやく谷間を抜けたと思ったら今度は川に進路妨害される。しっかりしたトレールもないので、自分で渡点を見つけなければならない。中間地点目前でどうしても渡点を見つけられず。川幅が2m弱程度だったので、運動能力に自信のある僕は思いっきりジャンプしてみたものの、見事に川にダイブ!日が出ているのですぐに乾くと思うが悲しかった。

出発から4時間で中間点に到着。残り4時間の看板もあり、標準タイム通りで順調だ。急に便意を催したので野糞する。まだオレンジ袋を貰っていないのでレンジャーに見つかったら罰金だが、緊急事態なので仕方がない。30分ほど休憩していると、上からグループが降りてきた。うち1人は日本人だ。一昨日登頂したそうで、すごく満足な顔をしている。1週間後の自分の姿と重ね、ワクワクしてきた。どうやら5日前に雪が降ったそうで、非常に登りやすかったという。ここ数日は晴天続きのため、雪が完全に溶けると登りにくいかもしれないということだった。

ここから先は比較的登り坂が続く。既に4時間歩いているのにこれから4時間登り坂とは中々エグい。朝僕らを抜いて行ったムーラが登山口方面へ帰っていく。お疲れさんやで。

先ほど日本人に会ったおかげで気分が高揚しており、登り坂はあっという間だった。自分がいまAconcaguaに向けて進んでいるのが嬉しくて仕方なかった。心が震えていた。ニヤニヤしながら登っていた。1年前に諦めたAconcagua。自分も絶対に登頂して、親や友人、休みを快く承諾してくれた会社の上司に報告するんだと意気込んだ。

2時間ほど歩くと、とんでもない急坂が現れる。こいつがラスボスと信じたい。力を振り絞り急坂を登る。一度でも休憩を入れてしまうと動けなくなりそうなので止まらず登る。なんとか坂を登り切ると遠くの方に旗が立っているのが見えた。あれが今日の目的地、プラサデムーラスに違いない!休憩を入れたいところだが旗が見え、アドレナリンがでてるので一気に進む。

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そしてようやく、スタートから7時間40分かけプラサデムーラス(通称BC)に到着。長かった…。

さっそくレンジャーハウスでチェックインしようとしたが、レンジャー見当たらず、とりあえずINKAスタッフに話しかけるとお疲れ様とビックテントに案内される。ジュースとデザートと軽食が用意されており、食っていいかと聞くとどうぞどうぞと。なんだ、ムーラしか申し込んでいないのに随分サービスがいいな!と思いながらも、軽食を貪り尽くす。

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暫くすると別のINKAスタッフが来た。

「お疲れ様アンドリュー、貴方達のバウチャーを見せて!」
へ???アンドリューって誰だ?もしかして僕らのことアンドリューと勘違いしてんじゃ、そういえば自分たちの後ろにアンドリューっぽい2人組歩いてたな、ってかこの軽食もサービス良すぎるし、うわっ、絶対そうだ、これアンドリューの軽食で僕らのじゃない!ってか僕がアンドリューって顔してるか?してないよな、絶対悪くないぞ。

なんてことを考えながら自分の持っているバウチャーを見せると、INKAスタッフがやっちまったーって顔してる。それを横目に、知らぬ顔で軽食を食べ続ける僕。メロンがあったが、2個しかなかったのでアンドリュー達に気を使ってそれには手を出さなかった。暫くしてアンドリューが到着。食べかけの軽食を彼らに渡す。懇親のありがとうと共に。。。

その後、届いてる荷物をピックアップし、テントサイトへ。昨日は寒くてトイレに行くのが億劫だったので今日はトイレに近い場所をチョイス。トイレの正面に水場があり、飲み水として使用できるが、INKAテントの中にもタンクに入った水があり無料でもらえる。またそこではお湯も無料で貰えるのが有難い。

僕のテントの隣はヤマモトさんという日本人だった。このBC(ベースキャンプ)でガイドとポーターを雇って明日、次のキャンプ地に向かうらしい。若く見えるが、英語を流暢に話しており、私への対応も丁寧で落ち着きを感じる方だった。

再度レンジャーハウスへ行きチェックインする。ようやくオレンジのウンチ袋を頂く。レンジャーハウスの外では天気も確認することができる。天気予報は29日が曇りで他は全部晴れ予報だ。高度順応がうまくいけばアタック日は30日もしくは31日が良さそうだ。

テントも建て、少し落ち着いたので血中酸素濃度を測る。濃度77、脈拍90。多少落ちたが悪くない数値だ。(血中酸素濃度は個人的な感覚だが70以上が望ましい。60を切る場合は高度を落とす目安の数値に設定している。)BCは4300mと高地であるため、今日からは高山病対策として1日5リットルの水分補給と1時間の深呼吸を自分に課すことにした。

気温は昨日よりもぐっと下がっており、寝袋1つでは寒くて眠れなかったが、2個持ってきたので二重に重ねると心地よく眠れた。

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