EUのAI規制法についてざっくり理解
こんにちは、小野さんです。今日は先日成立したEUのAI規制法についてお話ししたいと思います。
この法律の目的は、AIをただ規制するのではなく、健全な形でAIを推進し、投資を促すことです。また、世界標準のAI規制法を目指しているそうです。私の第一印象としては、規制の範囲が非常に広いと感じました。規制対象はEU内の企業だけでなく、所在地が日本であってもEUにサービスを提供する日本企業にも適用されます。
では、具体的な内容について見ていきましょう。
AI規制法の内容
AI規制法は、AIのリスクに応じて規制を行い、リスクが高いほど規制が厳しくなります。容認できないリスクを伴う用途については、AIの利用そのものが禁止されます。禁止対象として合意されたのは以下の通りです。
個人の行動操作(ソーシャルスコアリング)
年齢、障害、社会経済的状況による個人の脆弱性の搾取
政治、宗教、思想、性的思考、人種などの慎重に取り扱うべき特性を利用した生体分類システムの運用
インターネット監視カメラなどによる無差別な顔画像の収集
職場や教育機関での感情認識技術の利用 など
また、顔認証などの遠隔生体認証技術の公共の場でのリアルタイム利用については、欧州議会は全面的な禁止を求めましたが、最終的にはEU理事会の要求通り、セーフガードを追加することで、被害者の捜索やテロ防止など限定的な状況において認められることとなりました。
規制の分類
AI規制法はリスクのレベルに応じて4つに分類され、それに応じて規制の強さが調整されます。この規制範囲については、AIの重要な技術にも及ぶため、非常に広範であるという印象を持ちました。
罰則
この法律に違反した場合の罰則は非常に厳しいです。AI利用の禁止事項に関する違反の場合、最大3500万ユーロ、もしくは前年度の全世界総売上高の7%のいずれか高い方が罰金として課されます。これは非常に巨額な罰金です。
施行時期
この法律はすぐに実行されるわけではなく、2026年に完全に施行される予定です。そのため、準備期間はありますが、日本企業にとっても影響が大きいと思います。個人やクリエーターにも少なからず影響があるでしょう。
これからも最新情報をキャッチしていく必要がありますね。以上、EUのAI規制法についての概要をお伝えしました。