なぜAmazonは日本にだけポイント制度を設けるのか——。マーケティングから学ぶフットボール
アメリカ企業のAmazonは、自国では「ポイント」を発行していないのにも関わらず、日本でだけ「ポイント」制度を設けています。日本のAmazonで買い物をするとポイントが溜まっていくのに、アメリカのAmazonで買い物をしてもポイントが溜まっていくことはありません。ここに、サッカーの世界に置き換えても重要な視点が隠されていると思います。
それは「日本人はポイントが好きだから」というような理由ではなく、ここには『コンペティティブ・ディスアドバンテージ(競争上の不利益)』という言葉が関係しています。
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アマゾンにとって、日本における競合企業である「楽天市場」や「Yahooショッピング」は、それぞれポイント制度を用いています。それを踏まえてなぜAmazonが日本でだけポイント制度を用いているかといえば、『他者と比べて差別化になるような大きな結果には繋がらないが、やらないと不利になってしまう』からです。決してやることで優位にはならないが、やらないことで不利になる、ということです。
この概念を、サッカーの角度から考えます。
✔️優位をつくるためか不利を逃れるためか
仮にAmazonの例を「勝ち負け」で考えたとき、サッカーというゲームにおける「勝ち負け」でも当然同じことが言えます。世界的な規模(日本が世界と戦っているという視点)でサッカーを見たとき、日本はまだ多くの『コンペティティブ・ディスアドバンテージ(競争上の不利益)』を抱えているといって間違いないと思います。
またピッチ上の視点、指導者・選手育成の視点など、ミクロでサッカーを見たときにも、この考え方は意識するべきです。
例えば、現代サッカーにおいて「GPSを用いる(データを用いる)※正確に言えばデータを“持っておく”」という行為は、優位をつくるためではなく不利を逃れるためであると言えます。つまり基本的には「YES OR YES」です。しかし、これを「優位をつくるための行為だ」と考えてしまうと、
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